仲間との進む方向を示す羅針盤「企業理念」を作る5つのステップ

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あっという間の10年でした。

この10年間の中で、一度もお店に出たくない日はありませんでした。

毎日が本当に楽しい、あっという間の10年でした。

 

そう語るのは、以前から、応援させていただいている、

東京の表参道にある呉服店「ゑり華」のスタッフ。

 

ゑり華は、以前までの「理念」を見直したことで、

仲間たちの働き方・生き方、お客様との関係性など、全てが生まれ変わった企業の一つです。

 

お客様が「ゑり華」のことを語る時、まるで自分のお店のように熱くなっています。

スタッフのことを語る時は、まるで自分の家族のことのように目を輝かせています。

 

代表の花岡隆三さんは、ライバルであるはずの同業店と勉強会を開き、

自分たちがしていることや、効果のあったことなどを、惜しみなく全て教えています。

 

そのおかげで、九死に一生を得たお店も少なくありません。

 

あなたの会社はどうでしょうか。

どんな理念を掲げ、仲間やお客様と共有することができていますか。

 

この記事では、ゑり華がどのように理念を見直し、ここまでたどり着くことができたのか。

実際に行った具体的な理念の作り方も合わせてご紹介します。

 

 

お客様不在の理念を発信し続けていないか

 

呉服店や問屋の突然死が相次ぐ中、「ゑり華」は魅力的で、愛され続けているお店です。

それが加速したのは「自分たちの想い」を明文化してからだと思います。

 

金沢から独立して丸7年が経ち、8年目を迎える昨年の秋から、

今後のゑり華についてスタッフ全員で考えてきました。

 

  • お客様が心から望んでいることは何だろうか。
  • 我々が心から望んでいることは何だろうか。
  • お客様の本当の喜びは何だろうか。
  • 我々の本当の喜びは何だろうか。
  • お客様の目からゑり華は、どう見えているだろうか。
  • お客様の目から我々スタッフは、どう見えているだろうか。

 

この問いかけに、長い時間をかけて、ゆっくりと話し合ってきました。

 

お客様から何と言っていただけると嬉しい?」という問いかけから始まり、

スタッフから沢山の言葉が出てきました。

 

それを一つの文章にまとめてできたのが、下記の「ゑり華の想い」です。

 

 

(以下:2008年6月号 はなとりゅう(ゑり華が毎月発行しているニューズレター)より引用)


 

改善前 <ゑり華のミッション>

私たちは、着物を通して潤いのあるライフスタイルを提案し、

素晴らしい日本の伝統と文化を継承していくことを使命と考えています。

改善後 <ゑり華の想い>

豊かな時間がうまれ、幸せな時間があふれ、楽しい思い出がふえる。
そんな素敵に歳を重ねるお手伝いをゑり華はいたします。

 

 

「ゑり華のミッション」から、「ゑり華の想い」に変わったのが、2008年6月からでした。

 

その前年の2007年10月14日、小田真嘉さんとの出会いがあり、

その後ゑり華のコンサルをして下さるようになった時、真っ先に指摘されたのが、

この「ミッション」でした。

 

私がお客様に訴えていたことは、

この素晴らしい日本の伝統文化を残したい、という「私の想い」でした。

 

お客様不在のメッセージをお客様に発信し続けていたのでした

以前の私はそのおかしさに一切気が付かず、素晴らしいミッションだと思っていました。

小田さんと話す内に、そのことに気づかされました。

 

そして、スタッフみんなで新しいゑり華の想いを作り上げました

この時からゑり華はもう一歩新しいステージに進み始めました

 

金沢から独立して今年で10年、皆さんのお陰でとても良い店になりました。

 

先日のイベントでI様に「ゑり華が無くなったら困る」と仰っていただき、

思わずジーンと来るものがありました。

では、次の10年、20周年を迎えた時の事を想像(妄想)してみましょう。

 

我々スタッフ一人一人がそれぞれのポジションで、

お客様を応援したり楽しませたり喜ばせたりすることが大好きで、

暇さえあればアイデアを考えて実行することができたとしたら。

 

お店はどんなお店になっているのでしょうか。

我々はどんなステージに立っているのでしょうか。

きっと凄いことになっていると思うのです。

 

平成22年8月24日 青山 ゑり華 花岡 隆三

 


 

 

自己都合を超えた理念を作ろう

 

ゑり華の理念は、スタッフとの「問い」により、大きく変化しました。

 

何が変わったかというと、ステージが変わったのです。

働き方と生き方には「4段階のステージ」があります

 

 

あなたの会社は、今どの段階にいるでしょうか。

 

一番厚い壁になるのが、LikeからLifeにあがるときです。

 

  • Rice・Like→自己都合(好き嫌い、利害損得、勝ち負け)で生きて、自力で働く世界
  • Life・Light→自己都合を超えて生きて、他力が働く世界

 

より上位にアップグレードしていくほど、

幸福度、周りや社会への貢献度、影響度などが高くなり、他力がより働くようになります。

 

他力が働くとは、簡単に言えば、周りから助けられたり、応援されたりするということ。

 

経営者としてのステージをアップグレードするのはもちろん。

スタッフも上位へジャンプするお手伝いをする。

 

そうして、「自己都合」を超えた働き方、つまり理念をもつことで、

関わる全ての人たちに幸せが広がっていきます。

 

 

必要なのは「こだわり」と「思いやり」

 

ただし、自分たちの想いを深めていくことは非常に重要なのですが、

実はここによく陥ってしまいがちな「大きな落とし穴」があります。

 

それは、お客様に迎合し過ぎて信念を失ったり、スタッフが振り回されすぎて、

自分たちが不幸になってしまうことです。

 

理念を作る時に必要なのは、「こだわり」と「思いやり」の2つの核です。

 

  1. こだわり(会社が幸せになるために信念を貫く)という内側の核。
  2. 思いやり(顧客が幸せになるために愛念で動く)という外側の核。

 

こだわりだけなら愛を失い、誰かを傷つけてしまいます。

思いやりだけなら己を失い、周りに流されていきます。

 

必要なのは、「こだわり」と「思いやり」を一致させ、

「自分(自社)の幸せ」と「相手(顧客)の幸せ」の両方を大切にすることです。

 

 

お客様も社員も会社も幸せになる企業理念の作り方5つのステップ

 

では、どうしたら「こだわり」と「思いやり」のある理念を作ることができるのか。

その答えは、先ほどの「ゑり華の想い」が生まれるに至った「問い」にあります。

 

具体的には下記のような手順で行います。

 

ステップ1:問う

以下を思いつく限りリストアップしてみる。

  • ①お客様が心から望んでいることは何だろうか?
  • ②我々が心から望んでいることは何だろうか?
  • ③お客様の本当の喜びは何だろうか?
  • ④我々の本当の喜びは何だろうか?

 

ステップ2:厳選する

①~④の項目を、それぞれ3つずつに絞り込む。

 

ステップ3:「思いやり」を明確にする

①と③を合わせて、「思いやり」を3つに絞り込んで、それを1つの文章にまとめる。

(難しい場合は、単純に「~で、~で、~です。」とつなぐだけでもOK)

 

ステップ4:「こだわり」を明確にする

②と④も合わせて、「こだわり」を3つに絞り込んで、それを1つの文章にまとめる。

 

ステップ5:「思いやり」と「こだわり」を一つに繋げる

最後にステップ3とステップ4をひとつの文章にまとめる。

(難しい場合は、同様に単純に「~で、~で、~です。」とつなぐだけでもOK)

 

 

理想は、スタッフ全員で取り組むことです。

 

しかし、現状なかなか難しい場合は、

まずは意欲が高く、自ら手を上げる「Lifeステージ」以上のスタッフと始めることです。

 

こうして深めた「理念」を信じて、社内の仲間の人生と、

お客様の人生にスポットライトを当て(意識を向けながら)、

日々、目の前の仲間やお客様に接していきましょう。

 

 

仲間やお客様の人生がより豊かに、幸せになるために、何ができるか?

 

仲間やお客様の人生がより豊かになるために、

より幸せな毎日になるために、私は何ができるか?

 

この「問い」を深めるほど、どんな業種の企業でも、どんな組織でも、

未来をひらく経営の羅針盤、つまり「理念」を作ることができます。

 

 

そうして「魂」に問いながら働いていると、胸の奥がじわっと熱くなっていきます。

そのとき、ふっとアイディアがひらめいたり、知恵が湧いてきます。

 

それを、できることから即実行し、起こる問題は即改善し、

良いことを積み重ねていくことです。

 

そして、理念を元に、周りと一体感をもって進んでいくことです。

すると、さらに働き方のステージは上がっていき、

あなたの会社が進むべき道を明るく照らしてくれることでしょう。

 

あなたの光に触れる全ての人たちが、幸せと豊かさに包まれ、

その光の波が、世界の果てまで広がることを祈っています。

 

小田真嘉

 

 

 

実際にその理念をどのように会社のスタッフに浸透させていくか。

その方法にもコツがあります。

 

下記の記事でご紹介しているので、よければ参考にしてください。

「会社の理念を深く浸透させ、一致団結して働くための3つのポイント」

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