部下に対して大切なのは「どうやって叱るか」よりも「誰が叱るか」

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たとえ部下のためであっても、

叱らなくてはいけない場面になると、とても気を使うものです。

 

  • 場の雰囲気が悪くならないだろうか
  • 叱った後はフォローをしたほうがいいのだろうか
  • 叱るよりも、褒めたほうがいいのだろうか

 

そんな風に、多くの場合「どのように叱ったら良いか」に悩みます。

しかし、本当に大切なのは、「誰に叱られるか」ということ。

 

例えば、日頃から部下との信頼関係があり、感謝や尊敬をされているのなら、

どんな叱り方をしても、部下は素直に聞いてくれます。

 

反対に、信頼関係も尊敬もない冷めた関係性なら、

どれだけ正しい叱り方をしたとしても、部下は聞く耳を持たないでしょう。

 

つまり、部下を叱る場面で大切になってくるのは、「方法論」ではなく「関係性」なのです。

 

 

部下が動かないのは、決して無能だからではない

 

今まで多くの経営者やリーダーから相談を受けてきましたが、

その根本をたどると、ほとんどが「人が動かない」という悩みに行き着きます。

 

どうして、部下たちは動かないのでしょうか。

その問いに、リーダーの口からは、こんな声があがります。

 

  • 夢を持っていない
  • 目標設定があいまい
  • 動いた先のメリットを理解していない
  • 自主性がない
  • もともと働く気がない
  • 真剣じゃない

 

中には、こんな発言をされた方もいました。

 

「その人が動かないのは、無能だからだよ。

言われなくてもやるのが優秀。言われてやるのは普通。言われてもやらないのは無能なんだよ。

だから、動かないのは本人の能力の問題でしょう。」

 

この発言で、その場の空気が一瞬で凍りついたのは言うまでもありません。

 

しかし、部下が動かないのは、決して無能だからではありません。

だからと言って、あなたの伝え方、叱り方の良し悪しの問題でもないのです

 

部下が動かない本当の理由は、もっと別のところにあります。

それはあなたとの「関係性」です。

 

 

本質的に大切なのは、「どうやって叱るか」よりも「誰が叱るか」

 

本質的に大事なのは、「どうやって褒めるか、どうのように叱るのか」ではなく、

「誰が褒めるか、誰が叱るか」ということの方が遥かに大きいです

 

何年か前に、あるパーティーに参加した時のこと、

その会場には、あの“燃える闘魂”アントニオ猪木さんがいらっしゃいました。

 

一人の若い男性が猪木さんに近づき、強烈なビンタを一発お願いしていました。

 

ビンタをされた男性は、まるでアクション映画のように倒れたのですが、

ふらつきながらも、すぐに立ちあがり、「ありがとうございました!」と深々と頭を下げました。
その光景を見ていた他のパーティー参加者の十数名がすぐに駆けより、

テレビでもよく見るあの光景「闘魂ビンタ」が始まったのでした。

 

アントニオ猪木さんのビンタを受けて、元気になったという人もいます。

方や、「元気出せよ」と肩に手を置いて、セクハラと非難される上司もいます。

 

その違いは、部下が上司のことを普段からどのように思っているかで決まるのです。

 

 

叱られたことを相手がどう受け取るかは、あなたが「どう思われているか」で99%決まってしまう

 

今までたくさんの経営者やリーダーの方々からお話を聞いてきましたが、

みなさん部下を育てようと、必死に努力されています。

 

先日もある部長さんから、部下育成に関して

「どう褒めたらいいのか?どう叱ったらいいのか?」と相談をされました。

 

話を聞くと、自腹でコーチング講座に通ったり、

高額のマネジメント研修を受けたりして勉強を熱心にされていました。

もちろん、コーチングも素晴らしいノウハウですし、

マネジメントスキルも必要だと思っています。

 

しかし、どんなに正しいことを正しく伝えても、正しく褒めても叱っても、

あなたの部下は普段のあなたのイメージとセットで自分勝手に解釈するものです。

 

つまり、部下がどう受け取るかは、その前に自分が普段からどう思われているかで、

99%決まっている。

 

部下からみて魅力的だったり、感謝や尊敬されていたり、心から信頼関係で繋がっていたならば、

究極的にはどう褒めても、どう叱ってもいいのではないかとさえ思います

 

 

真のリーダーになるには「勝ち負け」の壁を超えることが必要

 

先ほどの方のように、「なんて無能な部下なんだ」と思っている上司は、

部下から見れば、「なんて無能な上司なんだ」と思われているかもしれません。

 

つまり、良い関係性が築けていないのです。

 

部下が動かないのは、その人の元では動きたくなかったからでしょう。

 

別のリーダーの元にいたならば、指示命令せずとも、

自ら進んで動いたり、周りが驚くような能力を発揮することもあるかもしれません。

 

もっと深くいうのなら、「無能な部下」だと責めるのは、

逆に「無能な上司」だと思われたくない自分がどこかにいるのです。

 

自分の中にいる「無能だと感じる自分」を許せないのです。

 

「勝ちたい、負けたくない」という強い衝動が、心に壁をつくり、

目を曇らせ、直感を見誤らせ、人間関係の歪(ひず)みを生みます。

 

そして、しなくてもいい勝負をし、

勝っては優越感に浸り、負けては責任転換や言い訳をします。

 

そんな状態では、部下と良い関係性を築けるはずもありません。

だからと言って、この「勝ち負け」の心の壁を超えようとすると、

ある恐怖を感じ、引き返してしまうことが多いのです。

 

その恐怖とは、「負けたくない、失いたくない、傷つきたくない」という無意識の衝動です。

 

しかし、人生は、いつだって、

いいなあと思える部分と、いやだなあと思う部分は、ワンセットです。

 

たとえリーダーであっても、

墓場まで持っていくような、みっともない部分があっても良い

 

「ああ、自分は薄汚れたな…、失ってしまった…、傷ついたな…」

と思う部分を受け入れたとき、あなたは素のままの真っ直ぐな素直な自分になります。

 

「ああ、これは自分らしくないな…」という「自分と思いたくない自分」を受け入れたとき、

あなたは、真の意味での自分らしい自分が目覚めるのです。

 

それでこそ、部下とも真の信頼関係を結べるようになるはずです。

 

 

人の上に立つよりも、人の役に立つことを意識する

 

活躍しているリーダーたちは、全員がほぼ共通して、

多くの仲間たちから支持され、応援されています

 

仲間だけでなく、お客様・企業・家族からも。

 

なぜ、応援されているのか?

それは、魅力があるからです。

 

魅力あるリーダーの元には、人が次々に集まってくるし、

集まってきた人たちに応援されます。

 

そして、人から応援されている人は、たくさんの人を応援している人です。

 

つまり、本当のリーダーほど、

人が成長したり、成功するために、役に立とうとしているのです。

 

リーダーが、仲間たちの役に立ち、応援することができれば、

関係性は大きく変わっていきます。

 

そうして、部下から信頼され、尊敬される魅力的なあなたなら、

どんな叱り方をしても、ほめ方をしても、関係性が崩れるどころか、

部下はあなたの想いを一生懸命汲み取ろうとするでしょう。

 

 

どんな人の中にも「光」はある

 

誰だって、「ダメな人」「イヤなやつ」と思われたり、言われたりしたら気分を悪くし、

欠点・短所・負の感情など、ダークサイドな部分が引き出されてしまいます。

 

逆に「素晴らしい人」「ステキな人」「いい人」と認められたり、信じてもらったならば、

「よし、頑張ろう!」「あの人のために、何かしよう」と、

明るく、前向きで、愛情深い気分になり、才能・長所・個性を発揮していきます。

 

そうやってどんな人であっても、リーダーがその人の中に「光」を見ていたなら、

その人は、光を放つようになっていきます

 

部下が動くも動かないもあなたのあり方次第。

あなたの魅力で人は動くのです。

 

あなたの光に触れる全ての人たちが、幸せと豊かさに包まれ、

その光の波が、世界の果てまで広がることを祈っています。

 

小田真嘉

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