経営者・起業家・リーダーのための仕事の秘訣
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2020.02.21 更新|2020.02.21 公開| 自己成長

滅私奉公とは公の為に尽くすこと|ただし自己犠牲とは違うもの

滅私奉公とは公の為に尽くすこと|ただし自己犠牲とは違うもの

「滅私奉公(めっしほうこう)」とは、自分の私利私欲を捨て、公(おおやけ)の為に忠誠を尽くすという意味です。

ここでいう公(おおやけ)とは、雇用主や会社、国などを指しています。ただし、時代によって公の意味は変わるので後ほど詳しくお伝えします。

雇用主や会社の為に尽くすと聞くと、まるで「自己犠牲で馬車馬のように働くこと」のように聞こえるかもしれません。

ですが、自己犠牲と滅私奉公は全く違うものです。

滅私奉公は学校では習わない(可能性が高い)ですし、日常でも殆ど使わない言葉なので、誤解されやすいかもしれません。

そこでこの記事では、滅私奉公の詳しい意味や、似た言葉の丁稚奉公との違いなどを詳しくお伝えします。

また、滅私奉公を続けていくと「徳」というものを貯めることができ、身の回りに良い事が起こるようになります。

それも合わせてお伝えするので、このまま続きを読み進めてみてください。

滅私奉公の意味

Weblio辞書での、滅私奉公の意味は以下の通りです。

私心を捨てて公(おおやけ)のために尽くすこと。

引用元:Weblio辞書

滅私奉公は「滅私」と「奉公」に分ける事ができます。

  • 滅私」とは、自分の私利私欲を一度消すこと、考えないようにすること
  • 奉公」とは、会社や国の為に自分の身を捧げて尽くすこと

この2つを合わせて、滅私奉公は「私心を捨てて公(おおやけ)のために尽くすこと」という意味になります。

冒頭でもお伝えしたように、公(おおやけ)は、雇用主や会社、国などを指しています。ただし、時代によって公の意味が変わります。

江戸時代は「雇い主である主人」を公という意味で使ったり、明治以降は、会社や国を公という意味で使ったりしていました。

つまり滅私奉公とは「会社や国の為に、自分の私利私欲を消して、自分の身を捧げて尽くす」と捉えることができます。

滅私奉公は自己犠牲ではない

先ほどの章で、滅私奉公は「会社や国の為に、自分の私利私欲を消して、自分の身を捧げて尽くす」と捉える事ができるとお伝えしました。

この意味だけ聞くと「なんだか自己犠牲みたいで嫌だな」と思うかもしれません。

ですが、冒頭でもお伝えしたように、滅私奉公と自己犠牲は違います。

このサイトの監修者である小田真嘉さんは、自身が主催する講座で以下のように話しています。

昔ながらの言葉に滅私奉公というものがあります。

滅私というと、私は何も望んじゃいけないの?自分を消さなければいけないの?など、辛いイメージが浮かぶかもしれません。

でも全然違います。

滅私奉公とは、自分の私利私欲は一旦横に置いて、まずは自分が今いる環境や職場で与えられた役割を受け入れること。

そして、その役割を通じて周りに喜んでもらえたり、周りを楽にしたり、貢献出来たりすることです。

仕事なら仕事に関わる人、そして会社がある地域や国へと(意識の範囲を)広げて、世の中が喜ぶ事や繁栄する事をイメージしながら行動してみましょうよ、というのが滅私奉公というものです。

会社を例にすると、「会社の業績が上がるように、自分のプライベートも睡眠時間も、家族との時間も削って仕事に全てをささげること」が自己犠牲です。

反対に、滅私奉公は「自分の私利私欲は一旦横において、仕事や今いる環境で与えられた役割を受け入れること。そして、そこに関わる人が楽になること、喜ぶこと、成長する事を考えて、行動してみること」です。

苦しくて辛くなる自己犠牲と滅私奉公は、違うことが感じられるはずです。

滅私奉公に似た言葉の「丁稚奉公」とは?

滅私奉公の類義語に、「丁稚奉公(でっちぼうこう)」という言葉があります。

丁稚奉公の意味は、以下の通りです。

丁稚として商家などに奉公すること。

引用元:Weblio辞書

丁稚(でっち)の意味は、以下の通りです。

職人・商人などの家に奉公する少年。

引用元:Weblio辞書

つまり丁稚奉公とは、職人や商人の元に一定期間預けられた幼い子供が見習いとして働き、仕事や世間の常識を教えてもらいながら身に付けることを言います。

丁稚奉公に出た子供は、衣食住は与えられていたものの、給料は殆ど支払われなったそうです(払われても極わずかだったといいます)。

給料の代わりに世間の常識を教えられたり、商人とは何か仕事とは何かを教えられたりします。

そして、丁稚奉公を続けた子供は「お客さんやご主人に喜んでもらえる事は素晴らしいことなんだ。それは、自分だけが良い思いをしたり、楽をしたりするものとは比べ物にならないほど、深い喜びを感じられる事なんだ」という所まで学ばせてもらっていたそうです。

現代では、労働基準法で丁稚奉公は違法とされています。しかし、昔の日本では、幼少期から仕事を通じて、大人が学ぶような教育がされていたという事です。

滅私奉公と丁稚奉公の違い

「滅私奉公」と「丁稚奉公」は、言葉は似ていますが意味が全く違います。

丁稚奉公が「雇用主や主人」につかえて尽くす事ですが、滅私奉公は「会社や国」の為に尽くす事です。

滅私奉公は、より多くの人や環境に役立つことをするイメージです。

ここまでを復習すると、滅私奉公は「自分の私利私欲は一旦横において、仕事や今いる環境で与えられた役割を受け入れること。そして、そこに関わる人が楽になること、喜ぶこと、成長する事を考えて行動してみること」とお伝えしました。

そして、滅私奉公をしていくと「徳(とく)」を貯める事ができます。

「徳とは何?」と思うかもしれないので、次の章で詳しくお伝えします。

滅私奉公の精神で良い事を続けると徳が貯まる

徳とは、人や世の中の為にする善い思いや行いのことです。

ここでいう善い思いや行いというのは、例えば以下のような事を指します。

  • 人が喜ぶ事をする
  • 困っている人を助ける
  • 道に落ちてるゴミを拾う
  • 悲しんでいる人を励ます
  • 人の幸せを祈る
  • 寄附をする

そして、このような行いを続ける事を「徳を貯める(徳を積む)」と言います。

徳を積むことで、たとえば良いパートナーとのご縁に恵まれたり、収入が増えたり、幸せに感じることが増えるなったりと、良いことが周りに起きるようになっていきます。

貯金のように、徳を積むことで目には見えない世界に“良いことが起こるためのエネルギー”が貯まっていくイメージです。

例えば、あなたの周りに以下のような人はいませんか?

  • なぜかあの人だけ、いつも良い事が起こる
  • なぜかいつも、あの人だけ良い人に恵まれている

このような人は普段から、徳を積む生き方をしているのかもしれません。

徳については、別記事『徳を積む7つの方法|仕事や人生を豊かにする徳とは良い想いや行いのこと』で詳しくお伝えしているので、よければ合わせてお読み下さい。

滅私奉公の気持ちで、普段から関わる人や会社、世の中の為に良い行いをしている人は徳を貯める事ができます。

徳を貯めると身の回りに良い事がどんどん起こるようになるので、あなたも周りの人も豊かになっていくはずです。

まとめ

滅私奉公とは、私心を捨てて公(おおやけ)のために尽くす事という意味です。

「自分の私利私欲は一旦横において、仕事や今いる環境で与えられた役割を受け入れること。そして、そこに関わる人が楽になること、喜ぶこと、成長する事を考えて、行動してみること」が滅私奉公なので、自己犠牲とは違います。

関わる人や世の中が喜ぶ事や楽になるを意識して、実際に行動に移してみて下さい。

周りの役に経つ事を続けると徳を貯める事ができ、身の回りに良い事がどんどん起こるようになるはずです。

小田真嘉(おだ まさよし)

監修・小田真嘉(おだまさよし)

経営者とリーダーの相談役(歴18年目)。創業450年の老舗企業から革新的ベンチャーまで4000社以上をコンサル。人生のどん底を何度も経験し、あらゆる成功の闇に直面したことから、生きる意味と働く目的を探究。1万人との対話と師の教えから仕事・会社・家庭の「成長4段階説(4つのステージ)」を体系化。複数の企業顧問も務めながら、仕事と人生のステージを上げるための経営コンサルティングとビジネス講座を行う。働き方と生き方の次元を一気にあげる会員制ビジネスコミュニティ「NEXT DIMENSION」を主催。