ライフワークとは生きがいを感じる仕事|見つけ方と3つの実例
ライフワークとは『生きがい』を感じる仕事です。
そして『やりがい』を感じる仕事がライクワーク(Like Work)です。
と、いきなりお話ししてしまいましたが、あなたはもしかしたら今、『天職』とか『人生を捧げられるような仕事』や『趣味の追求』など、いわゆるライフワークと言われるものを探しているのかもしれません。
ただ世の中で言われる『ライフワーク』は、「好きなことを仕事にする」というアバウトな説明をされることが多いと感じています。
しかし好きなことを仕事にするだけでは、あなたの人生が充実することもありません。それはライクワークに過ぎず、人生を豊かにはしてくれないからです。
ということでこの記事では、改めてライフワークについて、そしてライフワークを見つけ方についてお伝えしていきます。
ライフワークとして仕事ができるようになると、働くのが楽しくなります。そして、もっともっと働きたくなります。
その結果、周囲の人から感謝されて、助けてもらえて、いい人を紹介してもらえるようになります。
まるで導かれているとしか思えないような出来事が次々に起こる。これがライフワークです。
もし、あなたがそんなライフワークをしたいと思うようであれば、ぜひ、この先をお読みください。
目次
ライフワークとは『生きがいを感じる仕事』
ライフワークとは、ウィキペディアでは以下のように定義されています。
ライフワーク(英: lifework)または天職(てんしょく)は、人が生涯の仕事として人生を捧げたテーマのことである。
広辞苑で調べてみると、以下のように記載されています。
ライフ‐ワーク【lifework】
一生をかけてする仕事や事業。畢生ひっせいの仕事。
また、Yahoo!知恵袋や教えて!gooでライフワークの悩みを検索してみると、好き(=趣味)を仕事にするだとか、適任だとか、そういった意味合いで解釈されている方がいました。
ただ冒頭でもお伝えしたように、私が考えるライフワークとは「生きがいを感じる仕事」のことを指します。
ライフワークとライクワークの違い
ここでライフワークを理解するために、ライクワークとの違いを比べながらお伝えします。
先にライククワーク(Like Work)からお伝えすると、基本的に自分がやりたい仕事で、やっていて楽しめる仕事です。
そしてライクワークで感じるものは『やりがい』です。
例えば趣味のゴルフでスコア100を切るとか、マラソンだったらタイムをこれぐらいに切るとか。それを達成したっていったら「やった甲斐があった」と言うわけですね。
仕事でも目標を決めて達成したり、新しいことに挑戦して成果が出たりしたら、満足してやりがいを感じることが出来ますよね。
それがライクワークです。
一方、ライフワーク(Life Work)は『生きがい』を感じるものです。
ライフワークは自分がやりたいことと、相手がやってほしいと思うことが一致している仕事のことだと、私は考えています。
自分でもやっていて楽しくて、相手も喜んでくれて、自分もうれしくなる。
「あ、私、本当にこれをやっていて良かったな!」
「この先もっともっとこれをやっていきたいなあ」
と感じて、さらにまたやってあげたくなる・・・そのような循環を通じて『生きている心地がする』と感じる仕事のことですね。
ライフワークと趣味の違い
世間では、ライフワークは趣味みたいなものと考えている人もいるようです。なので、その違いについてもお伝えしておきますね。
趣味は『自分がやっていて楽しいと思うこと』『自分が好きなこと』というイメージが強いです。
ただ先ほどもお伝えしたように、自分がやっていることと、相手がやってほしいことが一致していないのであれば、それはライクワークです。自己完結の趣味と言えるでしょう。
それに対して、ライフワークというのは関わる人たち、お客様、仲間たちと、共に喜べるものです。
そこが、ライフワークと趣味の違いですね。
ライフワークでは稼げない?という誤解
「ライフワークをやっていますが稼げません」
「ライフワークで収入が減って…どうしたらいいんですか?」
と悩む方たちがいます。
が正直にお伝えすると、そのような方たちは実はライクワーク(自分が好きな仕事)をしていて、相手に求められていない仕事をしている、というケースがあるんですね。
自分は好きな仕事なんだけれども、相手にとって「そんなことされても別に嬉しくないです」という状況です。
需要と供給が合ってないのでビジネスとして成り立たず、結果、生活ができないという状況です。
なので万が一「ライフワークをやっているのに稼げない…」という状況に陥った場合は、「相手がやってほしいこと」を改めてリサーチしてみることが大切です。
ライフワークとして仕事をするメリット
ライフワークとして仕事ができるようになると、働くのが楽しくなります。もっともっと働きたくなります。
そして同時に周りから、
- 感謝される
- 助けてもらえる
- 教えてもらえる
- いい人を紹介してもらえる
そのようなことが起こります。
そして「あなたにこんな人を、もっと紹介したい!」と、あなたにに合う人、あなたと相性が合う人、あなたのことを好きって言ってくれる人、あなたを求める人をどんどん紹介してくれる・・・そのように、人との出会いが増えることだってあります。
本当に自分がやってあげたいと思うことと、周りがやってほしいことが一致していくような、「喜び・幸せ・豊かさのサイクル」がどんどん、どんどん加速していきます。
それがライフワークのメリットですね。
ただしデメリットというか、ライフワークを目指さない方が良いケースもあります。
ライフワークを目指さない方が良い場合
もし「自分の言動に責任を持てない」場合は、ライフワークを目指さない方が良いと考えています。
なぜならライフワークは、100%楽しいことだらけではないからです。
自分が好きだから、やりたいからといって始めたのは良いけれども、例えば会社では、
- 周りに迷惑をかけたり
- 時にルールから外れたことが必要だったり
- 説得をしなきゃいけなかったり
- 誰かの許可を得なければいけなかったり
ということが必要な時もあります。
そうした場合に、「私さえ好きなことをすればいい」と、自分がそれらを全部無視する、というわけにはいかないですからね。
ライフワークをしていたって、何かしら問題やトラブルなどいろんなことが起きます。それが嫌なのであれば、ライフワークというのはやらない方が良い、と私は考えています。
ただ、問題やトラブルが起きたときに、ちゃんとそのしりぬぐいをする、後始末をする、責任を取る、という気持ちがあるのであれば、やった方が良いです。
じゃあライフワークって実際にどんなものなのか?
ということで次に、私が知っている「ライフワークで働き方を変えた方たち」の実例を3つ、お伝えします。
ライフワークで働き方を変えた3つの実例
ライフワーク実例1:事務職からお弁当屋さんになった59歳女性
一つ目のライフワークの実例では、事務で働いていた59歳の女性についてお伝えします。
その方はご飯を作るのが大好きで、お弁当を作るのも大好きでした。
ある時、職場の若い子達がお昼ごはんがなかなか食べられなかったり、コンビニ弁当を食べていたりするのを見て、次のように言ったそうです。
「それだったら、お弁当を作ってあげるわ」
そして、実際にお弁当を作って、みんなに配り始めました。
お弁当はとてもおいしくて、職場の子たちもすごく喜んだそうです。そしたら次第にお弁当の噂が広がっていって、
「私も作ってほしい」「俺も」「俺も!」
と、お弁当を食べたい人たちが増えていきました。
彼女は好きでやっていたのでお金はもらうなんて考えていなかったのですが、毎日お弁当を作っているうちに周りから、
「いや、申し訳ないからお金払うよ」
と言ってくれるようになっていったんですね。
彼女は、最初はお金を受け取らなかったのですが「みんなが喜んでもらえるなら」と言って、お金を受け取るようになりました。
なかなかこういう方は身近にいないかもしれませんが、もちろん実話です。
また、彼女は毎日のメニューを考えるのが大好きでした。近所づきあいもすごく上手で、周りにいる農家さんからも
「これ取れたから使って!」「処分するだけだから」
「ここにあるものは、も~~、全部もらっていって!」
と、食材をいっぱいもらっていたんですね。
そんな食材を組み合わせて、お弁当のメニューを毎日変えながら作るのが、彼女は楽しくて、やりたくて仕方がないことだったのです。
そして「自分がやりたいこと」をするだけではなくて、職場の人たちの栄養や身体のことを考えて、これがいいかな、あれがいいかな、って考えてお弁当を作っていました。
結果、お弁当を食べる人たちに「本当に美味しいし、これで元気になってきた!」と喜ばれて、周りに広がっていって、彼女はお弁当屋さんとして独立することになります。
ライフワーク実例2:絵本好きからセミナー講師に
次は、絵本が大好きな男性のライフワークについてお伝えします。
彼は昔から絵本を集めていて、集めた絵本を人に紹介してあげるのも大好きでした。
「こんな絵本あったの!?」
と、絵本を紹介した相手に喜ばれると、すごく嬉しかったそうです。
そしていつからか、ただ自分が好きな絵本を紹介するのではなくて、相手の役に立つ絵本を選んで紹介するようになっていきました。
たとえば誰かに「今仕事がうまくいってなくて…」と相談されたら、
「この絵本がいいよ」
「あなただったらこんな絵本が絶対おすすめだよ」
と、今の相手の状況だったり、悩みだったりを聞いて、「この絵本がおすすめじゃないかな?」と相手の役に立つことを考えて、絵本を紹介するようになったんですね。
そうやって人に喜んでもらっているうちに、周りから次のような質問をされるようになっていきました。
「私がその絵本を読んで、悩みが解決するのはどの部分ですか?」
そう質問されたときは「〇ページの〇〇という部分だよ」と答えていたのですが、いつからかその部分を朗読するようになっていったんですね。
当然最初からうまい朗読は出来ませんが、試行錯誤して「どうしたらもっと伝わるかな」と考えて、改善して朗読の腕を磨いていったんです。
そこから縁あって絵本の朗読家として独立をして、絵本の朗読を全国でするようになりました。
もちろんその絵本をただ朗読するだけではなくて「こういうふうに考えてほしいな」「こういうところを学んで欲しい」という話もするようになったんです。
この方、元々は建築士でした。でも今はイベントや催事に呼ばれて朗読する絵本の朗読家、また企業に呼ばれて、研修を行うセミナー講師として全国で活躍されています。
ライフワーク実例3:スキー選手がオンリーワンの養蜂家に
3つ目のライフワークの実例は、とあるスキー選手の話です。
その方はもともとスキーの日本代表選手ぐらいの実力を持っていたのですが、残念ながら怪我で選手生命を絶たれてしまいました。
身体を調整する大切さを知った彼は、その後、スキーのトレーナー側に転身して選手を支える側になります。
「どうやったら選手たちを支えられるか?」
というのを考えて、考えて、考えて、色々な整体の技術を学んだ末に、整体よりも鍼(はり)がいいんじゃないか?と鍼治療(はりちりょう)の道に進んだんですね。
鍼治療の中でも、もっと良い治療法はないかと突き詰めていった時に、ミツバチの針を使って治療・回復させる、という方法に行き着いたんです。
鍼治療するには良い針、つまり良いミツバチを育てなくてはいけません。普通だったらそこまでやらないと思いますが、彼はミツバチの育成にも挑戦しました。
そして良い針を手に入れるために、健康で元気な良いミツバチを育てていったのですが、思わぬ副産物が手に入ったんです。
それが、ハチミツでした。
このハチミツがとても、とても美味しかったんですね。身体を治す整体師をやりながら、養蜂家として、美味しいハチミツを作る技術を確立したんです。
その技術はこれまでになかった新しいもので、非加熱の生ハチミツを作るものでした。
今は彼のところに日本全国から養蜂家としての技術を教わりに、多くの人が集まってきています。そこでハチミツの作り方を教えているんですね。
彼が作るハチミツは、本当に美味しいと言われています。通常の2倍3倍の値段がするのですが、それでもずっと何年も何年も愛用する人たちが増えている・・・そんな養蜂家として、仕事をされています。
どの方々も、自分自身を輝かせ、相手を喜ばせ、生きがいを感じて情熱的に仕事をされています。
どうでしょう、ライフワークのイメージが出来たでしょうか。
さて、ここまでライフワークとは何かについて、またメリットやデメリット、実例についてもお伝えしました。
それでもあなたが「ライフワークを目指したい」「今の生き方を変えてみたい」という気持ちがあるのなら、次にお話しする「ライフワークの見つけ方」を試してみて欲しいです。
あなたに合ったライフワークの見つけ方
ライフワークを見つけるのは以下の2つのパターンがあります。
- 開拓・導かれパターン
- 過去・一貫性のパターン
です。
といっても、これもよく分からないですよね。
なので、まずは「開拓・導かれパターン」におけるライフワークの見つけ方をお伝えしていきます。
ライフワークの見つけ方:開拓・導かれパターン
開拓・導かれパターンは、今やっている仕事を一生懸命にやって開かれていく、もしくは導かれてライフワークを見つけるパターンです。
先ほどの養蜂家はこのパターンですね。今の仕事を一生懸命追求して、その結果ライフワークになっていくパターンです。
開拓・導かれパターンで大事なことは2つあります。
それは、
- 今の仕事を工夫して楽しむこと
- 人の役に立つように改善していくこと
です。
例えば、先ほどの絵本朗読家は、人の役に立つように、もしくは伝わるように朗読の仕方を改善していきました。
結果、腕前が上がって仕事が増えていったんですね。それだけでなく、絵本の朗読の仕方や読み方を、人に教えるようにもなっていきました。
「上手くいかないからやめた」
「上手くいかないから楽しくない」
といって諦めるのではなくて、『工夫して楽しむこと』が重要です。
楽しむ努力が必要、ということですね。楽しみ方を自分で見つける、ということです。
工夫して楽しむこと、楽しむ工夫、人の役に立つように改善していく努力をしていった結果、ライフワークが見つかっていく。
それが、開拓・導かれパターンです。
ライフワークの見つけ方:過去・一貫性のパターン
もう一つの過去・一貫性のパターンというのは、
- 今まで時間・お金・エネルギーを注いできたこと
- 今まで意識せずともずーーーーっと生まれてからやり続けてきたもの
それがライフワークになるというものです。
過去・一貫性パターンでライフワークを見つけるためには、今まで時間・お金・エネルギーを注いできたことをさらに研究して、これからもずっと追求し続ける、ということが大事です。
そしてひたすらクオリティを上げることです。みんなが喜ぶまで、ですね。
それくらい情熱をもってやれば、それがあなたのライフワークになるはずです。きっと、相手から「やってほしい」と求められて、喜ばれる仕事ができるでしょう。
以上、ライフワークの見つけ方についてお伝えしました。
具体的な方法ではなかったかもしれません。が、ライフワークは一瞬で見つかるものではありません。
あなたのペースで構わないので、ライフワークを見つけていってください。
ライフワークのまとめ
ライフワークとは、生きがいを感じる仕事です。
あなたが『やってあげたい』と思うことと、相手が『やって欲しい』と思うことが一致していて、お互い喜びやうれしさを感じている状態です。
そして、ライフワークの見つけ方は2つです。
養蜂家のように、今やっている仕事を懸命にやって、工夫して楽しんで、導かれて見つけていく『開拓・導かれパターン』。
もう一つが、これまで時間やお金、エネルギーを注いできたものを追求し続け、クオリティを高めることで見つかっていく『過去・一貫性のパターン』。
もちろん、ライフワークをするのか、しないのかはあなたが自由に選択できます。ただ、ライフワークは働くのが楽しくなって、もっともっと働きたくなります。
そして同時に周りからものすごく感謝されます。さらに大事なことを教えてもらえて、助けてもらえます。
あなたと周囲の喜び・幸せ・豊かさのサイクルが加速していきます。
もしライフワークを見つけたいと思うのならば、この記事でお伝えしたことを参考にしてみて下さい。