経営者・起業家・リーダーのための仕事の秘訣
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2020.02.17 更新|2020.02.17 公開| 仕事・ビジネス

新規事業を拡大させるための方法と失敗を最小限に抑えるポイント

新規事業を拡大させるための方法と失敗を最小限に抑えるポイント

「新規事業に取り組み、事業を拡大させたい」

「既存事業が停滞していて、新規事業で挽回したい」

そのような要望にお答えしていきます。

新規事業での業務拡大が成功した場合、既存事業とは別の市場で顧客を獲得することができるため、売上を大幅に伸ばすことができます。

会社の規模も大きくなり、雇用を増やし、より多くの顧客や従業員に喜ばれ、社会への貢献度も高まるはずです。

新規事業での業務拡大は、「既存の事業が安定した」「既存事業がジリ貧で、新しいことを始めなければいずれ倒産してしまう」という場合に、検討することが多いかと思います。

この場合、もし新規事業で大きな失敗をしてしまったら、その影響が既存事業にもおよび、会社の経営自体が傾いてしまうかもしれません。

新規事業による業務拡大には、必ず失敗のリスクがあります。100%成功する新規事業はありません。

だからこそ、新規事業での業務拡大を成功させるポイントを押さえ、失敗を最小限に抑えて進めていくことが、事業拡大成功の近道です。

そこでこの記事では、以下の5つのことをお伝えします。

  1. 新規事業3つの型
  2. 新規事業による事業拡大の8つのステップ
  3. 新規事業の失敗を最小限に抑える5つのポイント
  4. 新規事業による事業拡大の事例

第1章では、「新規事業の3つの型」からお伝えしていきます。

新規事業を始めるには、まずは「何をするか?」を決めていきます。

新規事業による業務拡大を成功させるには、何をしてもいいわけではなく、成功しやすい型があります。

その成功しやすい型を紹介していきます。

1.新規事業3つの型

第1章では、事業拡大が成功しやすい新規事業の型として、以下の3つを紹介します。

  1. 既存市場×新規商品やサービス(新しい商品やサービスの開発)
  2. 新規市場×既存商品やサービス(新しい市場の開拓)
  3. 新規市場×新規商品やサービス(多角化)

1つずつ詳しくお伝えしていきます。

1-1.既存市場×新規商品やサービス(新しい商品やサービスの開発)

新規事業の1つ目の型は、「既存市場×新規商品やサービス」です。

既存市場に新しい商品やサービスを投入することで、シェアを拡大し売上アップを狙っていきます。

「既存市場×新規商品やサービス」の型が多いのが飲料業界です。

ジュースや健康飲料、ビールなど、各メーカーが次々と新商品を作り市場に投入しています。

「既存市場×新規商品やサービス」の場合、注意しなければいけないのが、既存の商品のシェアを自社の新商品が奪い、売上が下がることです。

たとえば、スーツで有名な「AOKI」が展開したスーツのサブスクリプションサービス「スーツボックス」があります。

このサービスは、開始からわずか半年で撤退となりました。

撤退理由の一つに、サービス利用者の中心が40代で、スーツ購入者層と被ってしまい、スーツの購入者減につながってしまったことが考えられます。

「既存市場×新規商品やサービス」の型で新規事業を展開する場合は、既存商品のシェアを奪い、売上が下がらないように注意しましょう。

なお、新規商品が既存商品のシェアを奪っても、売上として伸びるのであれば問題ありません。

1-2.新規市場×既存商品やサービス(新しい市場の開拓)

新規事業の2つ目の型は、「新規市場×既存商品やサービス」です。

既存商品を新しい市場に投入することで、新たな顧客獲得を狙っていきます。

たとえば、小林製薬は、最初は国内のみの販売だった「熱さまシート」を海外で販売し、大成功を収めています。2017年度の時点では、海外売上比率が56%になるほどです。

他にも、以下のようなケースがあります。

  • 男性用の衣服をユニセックスの商品として女性にも販売
  • バレンタインチョコを「友チョコ」として友達に配る用に販売
  • 台風でも木から落ちなかったりんごを「落ちないりんご」として受験のゲン担ぎで販売

このように、既存商品を新しい市場に投入することでも、新規事業で成功することができます。

新たな商品開発が不要なので、大きな開発費や設備投資がかからないのは大きなメリットです。

「新規市場×既存商品やサービス」の型で新規事業を展開する場合、新たなターゲット層を見つけられるかが、大きなポイントになります。

1-3.新規市場×新規商品やサービス(多角化)

新規事業の3つ目の型は、「新規市場×新規商品やサービス」です。

新規商品を新規市場に投入するため、完全に新しい分野に挑戦することになります。

会社として新しい事業の柱ができるので、経営が多角化します。

ただし、「新規市場×新規商品やサービス」だからと言って、全くの未知の分野に参入するのはおすすめしません。

全くの未知の分野に参入する場合、知識も経験も技術もゼロからとなり、失敗する確率が大幅に上がるからです。

「新規市場×新規商品やサービス」の型で新規事業を展開する場合でも、自社でこれまで行ってきた事業を模索し、使える経験や技術を洗い出すことが大切です。

「新規市場×新規商品やサービス」の型の成功事例としては、富士フィルムがあげられます。

富士フィルムは、写真フィルムで培った技術を活かして、新規商品として化粧品を作り、化粧品市場に投入し、成功を収めました。

このように、自社で培ってきた技術や経験を応用して新規商品を新規市場に展開することで、新規市場で自社の優位性を発揮することができます。

以上が、「新規事業3つの型」でした。

既存事業がある場合には、すでにある経営資源や培ってきた経験や技術を活かすことで、新規事業による事業拡大を成功させやすくなります。

「どんな新規事業をするか?」を考えるときには、この3つの型を参考に考えてみてください。

これから展開していく新規事業を決めたら、次は具体的な手順を考えていきます。

新規事業の良いアイデアが思いついたとしても、進め方を間違ってしまったら失敗してしまいます。

次の第2章では「新規事業拡大の手順」をお伝えします。

良いアイデアを形にし、しっかりと事業を拡大させていくためにも、新規事業の進め方も抑えておきましょう。

2.新規事業による事業拡大の8つのステップ

新規事業による事業拡大は、以下の8つのステップで進めていきます。

  • ステップ1:新しく始める事業を決める
  • ステップ2:新しく始める事業と経営理念にズレがないか確認する
  • ステップ3:市場の環境やニーズを分析する
  • ステップ4:顧客の悩みや問題を分析する
  • ステップ5:商品やサービスに独自の価値を付加する
  • ステップ6:顧客のフィードバックを得る
  • ステップ7:改善改良する
  • ステップ8:商品やサービスを提供する

この8つのステップを1つずつ確実に進めていくことで、失敗を最小限に抑えつつ、新規事業を成功に導いていくことができます。

これら8つのステップの詳細は、別記事『新しい事業を始めるための8のステップ』でお伝えしています。ぜひ、併せて読んでみてください。

ここまで新規事業による事業拡大の進め方をお伝えしてきました。

出来る限り新規事業が成功するやり方をお伝えしてきたつもりです。

しかし、冒頭にも書いた通り、100%成功する新規事業はありません。

新規事業で失敗し、大きな負債や固定費を抱えてしまうと、会社の経営自体が傾く可能性もあります。

だからこそ、失敗も見越して、失敗したときのダメージを最小限に抑えることも同時に考えておくべきです。

そこで、次の第3章では「新規事業の失敗を最小限に抑える5つのポイント」をお伝えしていきます。

失敗しても大丈夫だということがあらかじめわかっていれば、新規事業失敗の不安も和らぎます。

3.新規事業の失敗を最小限に抑える5つのポイント

第3章では「新規事業の失敗を最小限に抑えるポイント」として、以下の5つを紹介します。

  1. 従業員を一気に増やさない
  2. 市場分析をじっくり行う
  3. 売上の伸び率よりも利益率を重視する
  4. 効果が見込めるところに絞って投資する
  5. 自社の強みを活かせる分野で新規事業を行う

1つずつ詳しくお伝えしていきます。

3-1.従業員を一気に増やさない

新規事業の失敗を最小限に抑えるポイントとして、「従業員を一気に増やさないこと」が挙げられます。

既存事業に加えて新規事業に取り組んでいくわけですから、当然仕事は増えます。

しかし、仕事が増えるからといって従業員を一気に増やしてしまうと、人件費が大幅に上がってしまいます。

新規事業が失敗したとしても、その従業員を全員辞めさせるのは難しいでしょう。

そうなると、新規事業が失敗に終わったときに、増えた人件費を既存事業の売上から賄うことになり、会社の経営を圧迫してしまいます。

なので、従業員を増やす場合は、慎重に判断することが大切です。

また、人を雇ったとしても、すぐにバリバリ働けるわけではありません。

社内の環境に慣れたり、適切な教育を受けたりすることで、活躍できる人材に変わっていきます。

従業員が活躍できる状況を作った上で、人を雇っていくことも新規事業の成功の1つのポイントです。

3-2.市場分析をじっくり行う

市場分析をじっくり行うことも、新規事業の失敗を最低限に抑えることに繋がります。

たとえば、市場分析をせずに右肩下がりの市場に参入してしまった場合、失敗のリスクが高まります。

こういった失敗は、市場分析をしっかりと行うことで防ぐことができます。

他にも、以下のようなポイントで市場分析を行うことで、失敗のリスクを下げることができます。

  • 顧客はどのような状況で商品を購入することが多いのか?
  • ユーザーのニーズがどこにあるのか?
  • 他社が効果を出している宣伝方法は?

このような視点で分析することで、顧客が求めているものや有効な販売戦略が見えてきます。

的確な事業戦略を作ることができ、事業拡大の成功も近づきます。

3-3.売上の伸び率よりも利益率を重視する

売上の伸び率よりも利益率を重視することも、新規事業の失敗を最低限に抑えることに繋がります。

事業拡大を目的とした新規事業を行う場合、売上の伸び率に目が行ってしまうことがあります。

会社の売上が伸びていれば、順調に規模が拡大しているように見えるからです。

しかし、会社として重要なのは、売上よりも利益です。

いくら売上があろうとも、事業として赤字であれば、会社の経営は悪くなってしまいます。

たとえば、「結果にコミット」で有名なライザップは、事業拡大のために業績不振の会社を安く買収し、全体の売上を伸ばしましたが、買収した会社の立て直しに失敗し、赤字に転落しました。

目先の売上だけを考えてしまうと、売上は大きいのに倒産ということにもなりかねません。

なので、売上の伸び率よりも利益率を重視して、新規事業が成功する可能性を高めましょう。

3-4.効果が見込めるところに絞って投資する

新規事業の失敗を最小限に抑えるには、効果が見込めるところに絞って投資することも大切です。

新規事業の成功を見込んでむやみやたらに投資してしまうと、失敗したときに投資金の回収ができず、大ダメージを受けてしまいます。

新規事業を成功させるために投資は必要不可欠ですが、まずは効果が見込める投資効率の高いところから投資していきましょう。

その上で、事業が軌道に乗ってきたら、少しずつ投資を増やしていくと良いです。

3-5.自社の強みを活かせる分野で新規事業を行う

新規事業の失敗を最低限に抑えるには、自社の強みを活かせる分野で事業を展開していくことも大切です。

今まで積み重ねてきた経験や技術が使えない分野に参入する場合、完全にゼロからのスタートになってしまいます。

経験や技術をゼロから積み上げていくのは時間がかかります。

そうなると、新規事業が軌道に乗るまでも時間がかかりやすくなります。

事業が軌道に乗るまでに時間がかかれば、それだけの運営資金も必要になり、リスクが大きくなるでしょう。

逆に、今まで積み重ねてきた経験や技術が使える分野であれば、スタートから自社の強みを活かして新規事業で勝負できます。

経験や技術を積み重ねる時間も短くて済み、軌道に乗せるまでの時間が短くなるので、失敗のリスクは大幅に下がります。

以上が、「新規事業の失敗を最小限に抑える5つのポイント」でした。

この5つのポイントを守ることで、新規事業の失敗を最小限に抑えることができます。

既存事業へ悪影響が出ないように、失敗のリスクを最小限に抑えつつ、新規事業を進めていくようにしましょう。

最後に、新規事業による事業拡大の事例をお伝えします。

成功事例はあなたの新規事業の参考に、失敗事例は反面教師にしてみてください。

4.新規事業による事業拡大の事例

第4章では、新規事業による事業拡大の成功事例と失敗事例を紹介します。

4-1.成功事例「ユニ・チャーム株式会社」

ユニ・チャーム株式会社は、1963年に生理用品メーカーとして生理用ナプキンの製造・販売をスタートさせました。

取り扱っている商品名だと、CMで流れている「ソフィ」が有名です。

その後ユニ・チャーム株式会社は、生理用品分野で培った不織布・吸収体の加工・成形技術を活かし、ベビーケア用品、ヘルスケア用品、ハウスホールド用品など事業分野を拡大し、成功を収めています。

まさに、培ってきた技術を活かして、新規事業で事業拡大を成功させています。

また、海外市場にも事業を展開して、新しい市場の開拓にも成功しています。

4-2.失敗事例「遠藤商事」

遠藤商事は、熟練の職人がいなくても本格ピザを提供できるシステムを開発しました。

「ナポリス」という名前で、ワンコイン(500円)で本格的なピザが食べれるレストランを出店し、一躍有名になりました。

人気になったことで、事業を拡大するために新規店舗の出店を一気に進めましたが、スタッフの教育が追い付かず、サービスの質が低下し、人気が低迷してしまいます。

売上回復のために、不採算店をラーメンや餃子、カレー屋さんに転換するも、ノウハウもなく大失敗に終わります。

最終的に遠藤商事は倒産しました。

従業員を一気に増やしてしまったことや、経験も技術もない分野で事業拡大を試みたことが失敗の大きな原因でした。

このように一度大きな失敗をすると、一瞬で会社が傾いてしまい、立て直しが困難になります。

以上が、新規事業による事業拡大の成功事例と失敗事例でした。

成功事例からも失敗事例からも学び、これから事業拡大をしていく参考にしてみてください。

まとめ

事業拡大が成功しやすい新規事業の型は、以下の3つです。

  1. 既存市場×新規商品やサービス(新しい商品やサービスの開発)
  2. 新規市場×既存商品やサービス(新しい市場の開拓)
  3. 新規市場×新規商品やサービス(多角化)

新規事業による事業拡大は、以下の8つのステップで進めていくことで成功確率を高めることができます。

  • ステップ1:新しく始める事業を決める
  • ステップ2:新しく始める事業と経営理念にズレがないか確認する
  • ステップ3:市場の環境やニーズを分析する
  • ステップ4:顧客の悩みや問題を分析する
  • ステップ5:商品やサービスに独自の価値を付加する
  • ステップ6:顧客のフィードバックを得る
  • ステップ7:改善改良する
  • ステップ8:商品やサービスを提供する

また、新規事業が失敗して会社経営を圧迫しないためにも、リスクを抑えて事業拡大を進めていくことも大切です。

新規事業の失敗を最小限に抑えるポイントは、以下の5つです。

  1. 従業員を一気に増やさない
  2. 市場分析をじっくり行う
  3. 売上の伸び率よりも利益率を重視する
  4. 効果が見込めるところに絞って投資する
  5. 自社の強みを活かせる分野で新規事業を行う

新規事業による事業拡大は、会社規模を拡大し、売上を伸ばすだけでなく、社会への貢献度も高めることができる大きなチャンスです。

そのチャンスをものにするためにも、この記事を参考に、新規事業を展開してみてください。

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小田真嘉(おだ まさよし)

監修・小田真嘉(おだまさよし)

経営コンサルタント。これまで1,000社以上の経営者と、1万人以上の現場スタッフ、マネージャー、リーダーたちとの深い対話から、働き方と生き方には4段階のステージがあることを解明し「進化の4段階説」を体系化。現在は、上場企業、リーディングカンパニー、老舗企業、個性的な小さな会社、業界のリーダー的経営者、第一線で活躍するプロフェッショナル、作家、講師、コンサルタント、コミュニティ主催者などの「リーダーの相談役」として活動。

牛窪俊浩(うしくぼとしひろ)

著者・牛窪俊浩(うしくぼとしひろ)

自身の経験をベースとした、月間30万PVのブログを運営。累計2000人以上の相談に乗るも、本質的にクライアントを本当の幸せに導けているのかという疑問が拭い去れず、心に迷いが生じ始める。そんな時に、小田さんが講師をされているNEXT DIMENSIONという講座に出会い、古神道をベースとした、日本神話、仕事の原理原則、ステージ理論など仕事における帝王学を学ぶ。その後、真髄を自身のビジネスに生かした結果、自分自身もさらに良くなり、今では、多くの人の相談に乗りながらも、小田さんの講座THE SHIFTのナビゲーターや、NEXT DIMENSIONの運営を任されるようになる。