採用のミスマッチが起こる原因7つと防ぐ方法8つを紹介
「採用のミスマッチを避けたい」
「採用のミスマッチが起こる原因が知りたい」
そのような要望にお答えします。
採用のミスマッチを防ぐことができれば、人材が会社に定着しやすくなります。すると、採用や教育に関するコストを下げることができます。
定着してくれた従業員が育てば、大きな活躍をして会社にさらなる利益をもたらしてくれるかもしれません。
しかし、採用のミスマッチを放置すると、「入社してみたら、思っていた仕事内容と違った」などという理由で、早期退職が増えてしまいます。
早期退職が増えれば、採用コストや教育コストが増え、経験や技術の継承が行われなくなり、会社が弱くなってしまいます。
人材が定着しなければ、経営理念も浸透せず、社内に一体感も生まれにくくなります。
なので、会社を繁栄させていくためにも、採用のミスマッチ対策をすることは大切です。
そこでこの記事では、以下の4つのことをお伝えします。
- 採用のミスマッチとは?
- 採用のミスマッチの4つのパターン
- 採用のミスマッチが起こる7つの原因
- 採用のミスマッチを防ぐ8つの方法
まずは、「採用のミスマッチとは何か?」をお伝えしていきます。
「そんなことわかってる!」と思ったかもしれませんが、改めて「採用のミスマッチとは何か?」を確認しておくことで、解決すべき問題が明確になります。
1.採用のミスマッチとは?
採用のミスマッチとは、採用した人が企業が求めている人物像ではないことが後に発覚することを指します。
採用のミスマッチは、採用段階において、企業と求職者の間で認識や価値観のズレが起こることが原因で発生します。
また採用のミスマッチは企業側だけが感じるものではなく、求職者側も感じる場合があります。
たとえば、企業側の視点から見た採用ミスマッチの事例としては、「面接でのイメージよりも、思ったよりスキルが低かった…」というスキルや能力のギャップがあります。
求職者からの視点の事例としては、「入社前と入社後で求められる業務が違った…」という任される業務のギャップなどがあります。
他にも、社風や職場環境、給料面の条件などにギャップを感じる要素はあるでしょう。
こうした入社前と入社後のギャップを埋めていくことが、採用のミスマッチの防止に繋がっていきます。
次の第2章では、よく発生する入社前と入社後のギャップとして、「採用ミスマッチの4つのパターン」をお伝えします。
この4つのパターンがわかっていると、採用のミスマッチ対策が圧倒的にやりやすくなります。
2.採用ミスマッチの4つのパターン
第2章では、「採用ミスマッチのパターン」として、以下の4つを紹介します。
- 仕事内容のミスマッチ
- 雇用条件のミスマッチ
- 能力のミスマッチ
- 労働環境のミスマッチ
あなたの会社の採用ミスマッチが、どのパターンで発生しているかを1つずつチェックしながら読み進めてみてください。
パターンがわかれば、対策しやすくなります。
それでは、1つずつ詳しくお伝えしていきます。
2-1.仕事内容のミスマッチ
採用ミスマッチのパターンの1つ目は、仕事内容に対する認識の違いです。
たとえば採用時に、魅力的なかっこいい仕事ばかりを前面に打ち出し、地味なコツコツした仕事やちょっとキツイ仕事を隠してしまっていると、採用された求職者が仕事内容に不満を抱えてしまいます。
2-2.雇用条件のミスマッチ
雇用条件のミスマッチも、採用ミスマッチのパターンの1つです。
雇用条件のミスマッチは、給料や待遇について、企業と求職者の認識が異なることで起こります。
たとえば、仕事に必要とされる能力に対して、給料が相場よりも低いために、従業員が不満を持つケースがあります。
2-3.能力のミスマッチ
採用ミスマッチのパターンとして、「能力のミスマッチ」も挙げられます。
能力のミスマッチは、採用した従業員の能力が、現場が求める能力よりも低いことで起こります。
また、能力がある人を採用したとしても、現場が求めている能力とはズレがあった場合も、能力のミスマッチになります。
2-4.労働環境のミスマッチ
労働環境のミスマッチも、採用ミスマッチのパターンの1つです。
たとえば、会社のパンフレットなどに良いことばかりを書き、実際に会社に入ってみたら、「社風や一緒に働く同僚が、思っていたのと違う」とギャップを感じるケースがあります。
以上が、「採用ミスマッチの4つのパターン」です。
あなたの会社の採用ミスマッチのパターンがわかったら、今起きている企業と求職者のギャップを埋めるための行動を起こしていきましょう。
次の第3章では、「採用のミスマッチが起こる7つの原因」をお伝えします。
そもそも、採用時に企業と求職者の間に認識の違いが起きなければ、採用ミスマッチは圧倒的に少なくなります。
そのためにはまず、「認識のギャップを作ってしまう原因を潰す」ことが大切です。
なので、第3章を読んで、自社で企業と求職者の間に認識のギャップができるようなことをしていないか確認してみてください。
3.採用のミスマッチが起こる7つの原因
第3章では、「採用のミスマッチが起こる原因」について、以下の7つを紹介します。
- 自社の良いところしか伝えていない
- 自社が求めるスキルや人物像を定義できていない
- 経歴や実績のみを評価して採用している
- 求める人材を採用するための採用プロセスが出来ていない
- 採用時のコミュニケーション不足
- 求職者に対する情報提供不足
- 入社後のフォロー不足
第3章も、自社でやってしまっていることがないか、1つずつチェックしながら読み進めてみてください。
1つでも、ギャップの原因となる行為を減らすことができれば、採用のミスマッチを減らすことができるはずです。
では、1つずつ詳しくお伝えしていきます。
3-1.自社の良いところしか伝えていない
採用のミスマッチが起こる原因の1つに、「採用時に自社の良いところしか伝えていない」ということが挙げられます。
求職者に対して自社の良いところだけを伝えれば、求職者はあなたの会社に対して魅力を感じてくれるでしょう。
しかし、現実的には、トラブルにより長時間の残業が必要になることや体育会系の雰囲気があるなど、ネガティブな要素もいくつもあるはずです。
にもかかわらず、会社の良い面しか伝えていなければ、求職者は会社に入った後に悪い面を見せられて、「こんな会社だとは思わなかった」とギャップを感じることになります。
「採用活動で応募数を増やしたい」という思いもあるかもしれません。
でも、採用のミスマッチを起こしてしまっていたら、結局のところ人が会社に定着せず、何度も同じような採用活動を続けなくてはいけなくなります。
3-2.自社が求めるスキルや人物像を定義できていない
自社が求めるスキルや人物像を定義できていないことも、採用のミスマッチの原因になります。
同じ一人の人を採用するなら、出来るだけ優秀で会社に利益をもたらしてくれる人を採用したいものです。
しかし、自社が求めるスキルや人物像を定義できていなければ、いくら優秀な人を採用しても、あなたの会社でその力が発揮できない可能性があります。
たとえば、営業部門の管理者が必要なのに、トップ営業マンを採用してしまうケースです。
営業で売上を上げるスキルと、部門の管理をしていくスキルは異なります。
なのでこの場合、営業であれば成果をあげられたのかもしれませんが、部門の管理だと能力が活かせず成果をあげられなかったという結果になってしまうかもしれません。
自社が求めるスキルや人物像を定義できていないと、こうした採用のミスマッチが起こる可能性があります。
3-3.経歴や実績のみを評価して採用している
経歴や実績のみを評価して採用している場合も、採用のミスマッチが起きる原因になります。
どれほど素晴らしい実績があったとしても、その経験を自社で活かせるかどうかは別問題です。
求職者の経歴や実績、スキルなどを「自社で効果的に発揮してもらえるか?」という視点での見極めが大切です。
また、求職者の人柄とあなたの会社の社風が合うかどうかも、重要なポイントです。
社風に合わず、組織になじむことができなければ、どれだけの実績があったとしても十分に力を発揮出来ない可能性が高くなります。
3-4.求める人材を採用するための採用プロセスが確立されていない
採用のミスマッチが起こる原因として、求める人材を採用するための採用プロセスが確立されていないことも挙げられます。
自社が求めるスキルや人物像を定義できていたとしても、求める人物を採用できるプロセスが確立されていなければ、期待する人物を採用することができません。
例えば、求職者のスキルを測るための課題を用意していなかったり、人柄などを判断するための質問を用意していなかったりなどです。
そのような場合、求職者が自社にマッチしているかどうかを判断することが難しくなるため、採用のミスマッチが起こりやすくなります。
3-5.採用時のコミュニケーション不足
採用時のコミュニケーション不足も、採用のミスマッチが起こる原因になります。
社風や人間関係といった要素は、数回の面接だけでは伝えきるのが難しいものです。
なので、面接で能力や給料面などの条件の確認ばかりに時間をかけて、自社の社風や人間関係などを伝えないまま採用してしまうと、入社した人が社風や同僚との関係にギャップを感じてしまう可能性があります。
3-6.求職者に対する情報提供不足
求職者に対する情報提供不足も、採用ミスマッチの原因になります。
昇給やボーナス、研修制度や社風などの情報を伝えられていなければ、求職者は自分の都合の良いように理解してしまう可能性があります。
たとえば、「きっと、1年で月5,000円の昇給はあるだろう」と勝手に考えてしまうことがあります。
すると、入社後に期待通りの昇給がないと、「思ったのと違う!」とギャップを感じてしまいます。
なので、何も伝えないことでもギャップが生じる可能性がある、ということを注意しておく必要があります。
3-7.入社後のフォロー不足
採用のミスマッチは、入社後のフォロー不足が原因になることもあります。
入社前に、どれだけ詳細に情報を提供し、フォローしたとしても、入社してみないとわからないことはたくさんあります。
なので、求職者は多かれ少なかれ入社後にはギャップを感じるものです。
そこでもし、ギャップを感じている求職者をフォローしなければ、会社に対して違和感を持つ回数が増え、次第に転職を考え始める可能性があります。
以上が、「採用のミスマッチが起こる7つの原因」でした。
これらの認識のギャップが起こる行為を1つずつ改善していけば、採用のミスマッチの原因となる認識のギャップが発生しにくくなります。
もし、あなたの会社でやってしまっている行為があったら、出来るだけ早くやめるようにしていきましょう。
次の第4章では、「採用のミスマッチを防ぐ8つの方法」をお伝えしていきます。
1つずつチェックしていき、あなたの会社で取り入れやすいものから取り入れてみてください。
4.採用のミスマッチを防ぐ8つの方法
第4章では、「採用のミスマッチを防ぐ方法」として、以下の8つを紹介します。
- 自社のメリットもデメリットも隠さず伝える
- 自社が求めるスキルや人物像を定義する
- 自社の求める人に合った採用プロセスを検討する
- 採用プロセスに現場担当者を参加させる
- 求職者が求める情報はできる限り細かく提供する
- 採用過程や入社後のフォローを丁寧に行う
- 試用期間を作る
- 採用プロセスのPDCAを回す
1つずつ詳しくお伝えしていきます。
4-1.自社のメリットもデメリットも隠さず伝える
採用のミスマッチを防ぐためには、求職者に自社のメリットもデメリットも隠さず伝えることが大切です。
たとえば、「やりがいのある仕事ができる」というメリットを伝える場合には、「残業が多くなる」「仕事に対する責任が重くなる」といったデメリットが同時に存在することを伝えます。
面接などの場面であれば、以下のように伝えるとよいでしょう。
「弊社ではやりがいのある仕事ができますが、その反面、残業が多くなることもあります。それでも大丈夫でしょうか?」
こう伝えることで、求職者はデメリットも受け入れて入社してくれます。
すると、入社後にギャップを感じる可能性が下がり、採用のミスマッチが起こりにくなります。
4-2.自社が求めるスキルや人物像を定義する
自社が求めるスキルや人物像を定義することでも、採用のミスマッチを防ぐことができます。
採用前に自社が求めるスキルや人物像を定義することで、採用で自社に合った人物だけを採用できるようになるからです。
採用した人を実際に配置する現場に行って、必要としている人物像を確認すると、自社が求めている人物像がハッキリしてくるはずです。
4-3.自社の求める人に合った採用プロセスを検討する
自社が求めるスキルや人物像を定義できたら、求める人に合った採用プロセスを検討することで、さらに採用のミスマッチを減らすことができます。
採用活動の際に、応募の時点で自社が求める人が多ければ、採用者を選ぶ際に、自社が求めている人を選べる可能性が高まります。
すると、採用のミスマッチも自然と発生しにくくなります。
また、自社に合わない人をなるべく応募させないような仕組みを作ることで、採用コストを抑えることが出来ます。
なので先ほどもお伝えしたように、応募時に課題を提出してもらったり、特定の質問に答えてもらったりなどして、自社にあった人を絞り込めるような採用プロセスを作っていきましょう。
4-4.採用プロセスに現場担当者を参加させる
採用のミスマッチを防ぐには、採用プロセスに現場担当者を参加させることも有効です。
人事の採用担当者だけでは、どうしても現場が望んでいる細かい部分までは把握しきれないことがあります。
そのため、採用プロセスのどこかの段階で現場担当者に参加してもらい、意見をもらうことが大切です。
すると、現場に必要な人材をより採用しやすくなるはずです。
4-5.求職者が求める情報はできる限り細かく提供する
求職者が求める情報を出来る限り細かく提供することでも、採用のミスマッチを防ぐことができます。
ボーナスや昇給などの待遇面や入社後のリアルな働き方、研修制度、社風、どんな同僚がいるかなど、伝えられることはできるだけ細かく伝えるようにしましょう。
すると、企業側も求職者もお互いにたくさんの情報を共有できるので、認識のギャップが発生しにくくなります。
また、求職者からの質問には、誤魔化さず誠実に答えることも大切です。
ひとりの求職者が知りたいことは、他の求職者も知りたいことの可能性があります。
なので、都度伝える情報を追加していき、採用のたびにより細かく情報提供できるようにしていけると、より採用のミスマッチを防ぐことができます。
4-6.入社後のフォローを丁寧に行う
採用のミスマッチを防ぐためには、入社後のフォローを丁寧に行うことも大切です。
第3章でもお伝えしましたが、入社前に求職者にすべてを伝えることは無理です。なので、求職者が入社後に認識のギャップを感じる部分はどうしても出てきてしまいます。
なので、入社して少ししたら、面談の機会を設けるなどして、「入社してみて、どう?」などと、ヒアリングしたりフォローしたりしてみると良いでしょう。
採用された従業員にとっては、入社直後は面接してくれた人が唯一の社内での知り合い、というケースも少なくありません。
そのため、顔見知りの人事の人から声をかけてもらうだけでも、不安が和らいだりします。
4-7.試用期間を作る
試用期間を作ることでも、採用のミスマッチを防ぐことができます。
採用した人が期待通りに能力を発揮してくれるかどうかは、実際に働いてもらってからではないとわからない部分もあります。
なので、試用期間を設けて実際に働いてみてもらうことで、自社の力になってくれる人材かどうかを見極めることができます。
また、求職者にとっても実際の仕事や社風、一緒に働く人がどんな人なのかが分かるというメリットもあります
4-8.採用プロセスのPDCAを回す
採用のミスマッチを防ぐには、採用プロセスのPDCAを回すことも大切です。
採用した結果は、すぐにわかるものではありません。半年後か1年後、場合によっては3年後に結果が出ることがあります。
それでも、採用した結果とキチンと向き合い、採用のプロセスや伝える情報、入社後のフォローなどに問題がなかったかをチェックすることが、次につながります。
より採用のミスマッチを防ぐ方法はないか?
そう考え続けることにより、採用ミスマッチを防ぐための、あなたの会社に合った、あなたの会社独自の採用プロセスを生み出すこともできるはずです。
以上が、「採用のミスマッチを防ぐ8つの方法」でした。
あなたの会社で取り入れやすい方法からで構いませんので、まずはどれか1つから実施してみてください。
1つ実施するだけでも、採用のミスマッチの数を減らすことができるはずです。
1つ実践したらもう1つ、もう1つ実践出来たらさらにもう1つ、という感じで、1つずつ確実に実践し、採用のミスマッチをどんどん減らしていきましょう。
まとめ
採用のミスマッチとは、採用段階における、企業と求職者の間で起こる「認識や価値観のズレ」のことです。
採用のミスマッチには、以下の4つのパターンがあります。
- 仕事内容のミスマッチ
- 雇用条件のミスマッチ
- 能力のミスマッチ
- 労働環境のミスマッチ
これらの採用のミスマッチは、以下の7つが原因で起こります。
- 自社の良いところしか伝えていない
- 自社が求めるスキルや人物像を定義できていない
- 経歴や実績のみを評価して採用している
- 求める人材を採用するための採用プロセスが確立されていない
- 採用時のコミュニケーション不足
- 求職者に対する情報提供不足
- 入社後のフォロー不足
この7つの原因となる行為を改善していけば、採用のミスマッチを減らしていくことができます。
さらに採用のミスマッチを減らすためには、以下の8つの対策が有効です。
- 自社のメリットもデメリットも隠さず伝える
- 自社が求めるスキルや人物像を定義する
- 自社の求める人に合った採用プロセスを検討する
- 採用プロセスに現場担当者を参加させる
- 求職者が求める情報はできる限り細かく提供する
- 採用過程や入社後のフォローを丁寧に行う
- 試用期間を作る
- 採用プロセスのPDCAを回す
これらの対策を1つずつ行っていくことで、採用のミスマッチを着実に減らしていくことができるはずです。
採用のミスマッチを減らすことができれば、採用時のコストが減るため、会社の残せる利益が増えます。人材が定着するようになれば、育成した従業員の活躍や技術・経験の継承で会社としても強くなっていくはずです。
より会社を繁栄させるためにも、この記事を参考に、採用のミスマッチを減らしていきましょう。