新しい事業を始めるための8つのステップ
「新しい事業の始め方がわからない…」
「新しい事業で失敗したくない」
そのような悩みにお答えしていきます。
新しい事業を始めるときには、正しい順番で事業を立ち上げていくことが成功確率を高めるためにも重要です。
新しい事業を始めるタイミングは、自分で起業したいとき、会社内で自分のやりたい仕事を作りたいとき、会社の収益性を高めたいとき、などがあります。
このようなタイミングでは、事業がうまくいくまで何度も失敗するのは難しいでしょう。お金や社内の立場の問題があるからです。
新しい事業の立ち上げで失敗すると、お金を失ったり、社内的な立場が悪くなったりする可能性があります。
あなたがいくらチャレンジ精神を失わなかったとしても、現実的に次のチャレンジまでに時間がかかってしまうこともあるでしょう。
そうならないためにも、新しい事業の始め方を知っておくべきです。
新しい事業の始め方を学び、手順をわかった上で事業を成功させることができれば、また次の事業を新しく立ち上げる時にも成功確率を高めることができます。
事業立ち上げのプロになれれば、長期的に会社を繁栄させることも可能です。
そこで今回の記事では、以下の9のことをお伝えします。
- 新しい事業を始める流れ
- 新しく始める事業を決める方法
- 新しく始める事業と経営理念にズレがないか確認する
- 市場の環境やニーズを分析する
- 顧客の悩みや問題を分析する
- 商品やサービスに独自の価値を付加する
- 顧客のフィードバックを得る
- 改善改良する
- 商品やサービスを提供する
まずは、第1章の「新しい事業を始める流れ」を読んで、事業の始め方の全体像を掴んでください。
それでは、第1章に入っていきます。
目次
1.新しい事業を始める流れ
まずは、新しい事業を始めるにあたり、全体像を把握しておきましょう。
新しい事業を始める流れがわかっていれば、事業を進めていくときに途中で迷うことが無くなります。
新しい事業を始める流れは、以下の8ステップです。
- ステップ1:新しく始める事業を決める
- ステップ2:新しく始める事業と経営理念にズレがないか確認する
- ステップ3:市場の環境やニーズを分析する
- ステップ4:顧客の悩みや問題を分析する
- ステップ5:商品やサービスに独自の価値を付加する
- ステップ6:顧客のフィードバックを得る
- ステップ7:改善改良する
- ステップ8:商品やサービスを提供する
この8つのステップを1つずつ進めていくことで、新しい事業をうまく立ち上げていくことができます。
次の章からは、この8つのステップを1つずつ詳しくお伝えしていきます。
まずは「ステップ1:新しく始める事業を決める」からです。
2.新しく始める事業を決める方法
新しい事業を始める最初のステップは、「始める事業を決めること」です。
どんな事業を始めるか決まっていなければ、事業を進めていけないからです。
そこで第2章では、以下の2つのことをお伝えします。
- 新しい事業3つのパターン
- 新しい事業のアイデアを出す方法
3つのパターンのどれを選ぶかで大まかな方向性を決め、その後に具体的なアイデアを出していくことで、始める事業を決めていくことができます。
まずは「新しい事業3つのパターン」からお伝えしていきます。
2-1.新しい事業3つのパターン
新しい事業のパターンとして、以下の3つのパターンがあります。
- 本事業の既存の経営資源を使った新規事業
- 本事業とは全く別の新規事業
- まだ市場ができていない新規事業
順番に詳しくお伝えしていきます。
2-1-1.本事業の既存の経営資源を使った新規事業
本事業の既存の経営資源を使った新規事業とは、会社にすでにあるヒト、モノ、技術を活用して、新しい事業を立ち上げることです。
本事業の既存の経営資源を使った新規事業で成功した事例として、富士フィルム株式会社があげられます。
富士フィルムは、もともと写真フィルムのメーカーです。
しかし、カメラの記憶媒体がフィルムからSDカードなどのメモリーカードに移行するにつれて、写真フィルムの市場が縮小していきます。
市場が縮小すれば、当然売上は下がります。この状況を打開するために、富士フィルムは新しい事業を始めることになります。
その新しい事業が化粧品開発です。
普通に考えれば、写真フィルム業界と化粧品業界には全くつながりがないように感じます。
ですが、写真フィルムで使用する感光剤の微粒子化の技術は、化粧品の成分を肌に浸透させるための成分の微粒子化にも応用可能だったのです。
その微細化技術を化粧品に応用し、富士フィルムは化粧品事業でも成功を収めました。
このように、会社にすでにあるヒト、モノ、技術、を活用することが、新しい事業の1つのパターンです。
2-1-2.本事業とは全く別の新規事業
2つ目のパターンは、会社で今やっている事業とは全く別の事業を始めるパターンです。
今やっている事業とは関係なく、市場拡大の見込みがあり、利益が期待できる業界に参入するということです。
たとえば、「日清紡」という会社は、最初は高級綿糸の大量生産を担う紡績会社として設立されました。
しかし、戦後に自動車の需要拡大を見て、ブレーキ事業に進出します。
欧州のブレーキメーカーと技術提携をし、技術力を高め、現在では自動車用ブレーキ事業では最大手になっています。
現在の会社の売上比率を見ても、繊維が10%、ブレーキが32%と、ブレーキ事業の方が多くの売上をあげています。
このように、市場拡大が見込める業界に飛び込んで、新しい事業を始めるパターンもあります。
ただし、参入する業界の経験や技術がゼロな状態からのスタートになります。
なので、日清紡のように他社との協力も考えた方が、早く事業を軌道に乗せられる可能性が高まります。
2-1-3.まだ市場ができていない新規事業
3つ目のパターンは、まだ市場が出来ていない事業に取り組むパターンです。
まだ市場が出来ていないということは、新しく需要を生み出す、ということです。
たとえば、三井物産の社内ベンチャーで「株式会社ボイスタート」という会社があります。
この会社では、AIスピーカーを使い、シニア世代の孤独感を解決する事業を展開しています。
AIスピーカーを使ったアプリは、その大半が若者向けのため、発想を転換し、シニア世代の需要を生み出そうとしています。
このように新たな需要を生み出すことで、新しい事業を展開していくことができます。
まだ市場が出来ていないということは、すでに誰かが試して失敗したか、まだ誰もチャレンジしていないかのどちらかです。
なので、成功確率を高めるために、需要や過去にやっている人がいないかの調査は必ず行いましょう。
新しい事業を始めるパターンの中では一番難しいものですが、成功すれば新しく生み出した市場を独占できるため、リターンは大きくなります。
以上が「新しい事業3つのパターン」でした。
これら3つのパターンのどれで新しい事業を始めていくかは、今の状況次第で決めていくことになります。
自社の事業の市場の推移や、活かせそうな社内のヒト、モノ、技術の有無などから考えてみてください。
また、これから起業するという場合は、これまでの人生で身に付けてきたスキルや経験を活かす場合はパターン1にあたり、これまでの経験とは全くに異業種でやっていく場合はパターン2・3になります。
3つのパターンのうち、どのパターンで新しい事業を始めるか決めたら、次に事業の具体的なアイデアを出していきます。
2-2.新しい事業のアイデアを出す方法
新しい事業のアイデアを出す方法として、以下の3つを紹介します。
- 顧客の理想を邪魔している問題を分析する
- 業界研究をする
- 世の中の出来事を分析する
ここでアイデアをたくさん出せるかどうかで、新しい事業の成功が決まると言っても過言ではありません。
ちょっと考えれば出てくるアイデアであれば、多くの人が思いついていることが多いです。
それでは事業として、どこかの会社の二番煎じになってしまいます。
すると、価格競争や性能勝負になり、いずれ低収益、高コスト事業になる可能性が非常に高いです。
なので、事業のアイデアとして、ライバルとの違いを自然と打ち出せ、安売りせずとの顧客に求められるものを出していくことが大切です。
それでは、1つずつ詳しくお伝えしていきます。
2-2-1.顧客の理想を邪魔している問題を分析する
新しい事業のアイデアを出すために、顧客の理想を邪魔している問題を分析してみましょう。
事業の成功基準の1つは、「顧客にどれだけ喜んでもらえるか」です。
だからこそ、顧客が悩んでいることを知り、それを解決できる手段がないかと考えることが大切です。
特に、「本当は顧客の悩みを解決する方法があるんだけど、業界の構造上、その商品やサービスを提供できない」というものを見つけることができれば強力です。
業界に風穴を開け、一気にその業界をリードする存在になれる可能性があります。
そのためには、次の「業界研究する」ことも大切です。
2-2-2.業界研究をする
業界研究をすることも、新しい事業のアイデアを出す上で大切なことです。
たとえば、以下のような項目を調べると、新しい事業の大きなヒントになります。
- 同業者の主要な顧客、商品、価格、販売方法、強み、弱み
- 同業者がやっていなくて、自社ができそうなこと
- 業界では当たり前だけど、一般の人には知られていないこと
- 業界の人は知っていても、一般の人には言えないこと
- 顧客が業界にうんざりしている部分
このような項目を、一度一気に書き出してみるのがオススメです。
2-2-3.世の中の出来事を分析する
新しい事業のアイデアを出すには、世の中の出来事を分析しておくことも重要です。
世の中の出来事を分析し、市場の推移や事業の成功事例を掴んでおくことで、新しい事業の大きなヒントになるからです。
まずは、本や業界の専門誌、インターネットなどで情報収集し、それを自分なりにまとめていくことで、市場の推移や事業の成功パターンが見えてくるようになります。
以上が「新しい事業のアイデアを出す3つの方法」でした。
顧客や業界、社会をそれぞれ分析することによって、世の中にも求められる新しい事業のアイデアを生み出すことができます。
「新しい事業の成功は、アイデアで決まる」と言っても過言ではありません。
「新しい事業3つのパターン」「新しい事業のアイデアを出す3つの方法」を参考に、始める事業を決めていきましょう。
始める事業を決めたら、次のステップに進んでいきます。
次は「新しく始める事業と経営理念にズレがないか確認する」です。
3.新しく始める事業と経営理念にズレがないか確認する
新しい事業を始める2つ目のステップは、新しく始める事業と経営理念にズレがないか確認することです。
新しく始める事業でいくら利益を見込めたとしても、経営理念とズレたことをしてしまうと、会社の進む方向がブレてしまいます。
たとえば、「世の中の人が健康になるために」という経営理念を掲げているのに、儲かるからという理由で、健康効果の薄いサプリメントを販売するビジネスを始めてしまう、というようなケースです。
このようなケースでは、「儲けること」が第一の目的になっており、しばらくやってみても儲からないと嫌になり、成功する前に撤退することになる可能性もあります。
新しい事業は、すぐに成功するとは限りません。場合によっては、2年も3年も黒字化できないこともあります。
そんなときでも「この事業を成功させて顧客を喜ばせたい!」「この事業でより良い世の中にしたい!」という熱意を持つことができれば、辛い時期も乗り越えることができます。
だからこそ、新しい事業が経営理念とマッチしているかを必ず確認するようにしましょう。
もし、経営理念がない場合は、経営理念を作ってから新しい事業を始めると良いです。
経営理念の作り方は、別記事『経営理念の作り方|重要な3つの要素を事例と共に解説』でお伝えしていますので、ぜひ併せてお読みください。
個人事業主で新しい事業を始める場合も、考え方は同じです。
経営理念がなくても、「自分はその事業に情熱を持って取り組めるか?」を考えてみることで、同様の確認ができます。
始める事業が決まり、経営理念とのズレがないか確認出来たら、次のステップです。
4.市場の環境やニーズを分析する
新しい事業を始める3つ目のステップは、市場の環境やニーズを分析することです。
あなたがこれから始める事業に、どのようなニーズがあるのか、市場の環境はどうなっているのかを分析します。
これらを分析することで、具体的な事業内容が見えてくるでしょう。
また、市場の環境やニーズを理解しておくことで、融資を受ける際に行う事業説明にも説得力が増し、資金調達も成功しやすくなるはずです。
市場の環境やニーズを分析するには、以下のフレームワークが参考になります。
- SWOT分析
- PEST分析
- 5フォース分析
闇雲に分析するよりも、フレームワークに沿って分析した方が効率よく進められることが多いです。
こうした分析を行うことで、ニーズがない市場に入ってしまうという失敗を防ぐことができます。
なので、失敗確率を下げるためにも、市場の環境やニーズの分析は行うようにしましょう。
市場の環境やニーズを分析できたら、次のステップです。
5.顧客の悩みや問題を分析する
新しい事業を始める4つ目のステップは、顧客の悩みや問題を分析することです。
第2章で、事業の成功基準の1つは「顧客にどれだけ喜んでもらえるか」だとお伝えしました。
顧客に喜んでもらう方法の1つは、「顧客の悩みや問題を解決すること」です。
なので、あなたが新しい事業を始めるときには、この事業で顧客の悩みや問題を解決できるか?を考える必要があります。
そのためには、顧客がどんな悩みや問題を抱えているか、を知る必要があります。
顧客の悩みや問題を知る方法ためには、以下の3つのステップで分析するのがオススメです。
- 顧客を決める
- 決めた顧客の悩みや問題を分析する
- 顕在化している需要に目を向ける
1つずつ詳しくお伝えしていきます。
5-1.顧客を決める
まず一番最初に、あなたが始める事業で「どんな人を顧客にするか」を決めます。
どんな人を顧客にするかハッキリしていないと、顧客の具体的な悩みや問題が見えてきません。
顧客の悩みや問題が見えていなければ、具体的に商品やサービスを決めていくときにブレてしまいます。
なので、顧客を決めるのは非常に大切です。
あなたが誰かに「あなたの顧客はどんな人ですか?」と聞かれ、即答できるレベルで、自分の顧客をキチンと定めておきましょう。
5-2.決めた顧客の悩みや問題を分析する
顧客を決めたら、その顧客が持つ悩みや問題を分析していきます。
以下の質問に答えていくと、顧客の悩みや問題を分析することができます。
- 顧客はどんな悩みを持っているか?
- 顧客はどんな不満や怒りを抱えているか?
- 顧客は将来に対してどんな不安を抱えているか?
- 顧客はどんな欲求、希望、夢を持っているか?
- 顧客はどんな風に変化していきたいと思っているか?
- 顧客はこれまで問題解決のために何をしてきたか?
- 問題解決のためにお金と時間をどのくらい使ってきたか?
- 顧客はなぜそれでも問題解決できないのか?
同時に、この質問に答えられるくらい、顧客の生活や気持ちを知ることも大切です。
顧客の生活や気持ちは、ネットでリサーチしてみたり、直接話を聞いてみたりすることでわかります。
5-3.顕在化している需要に目を向ける
顧客の悩みや問題を分析したら、その中から顕在化している需要に目を向けてみることが大切です。
顧客が気づいている悩みや問題であれば、顧客は「それを解決したい」と思っているので、あなたの商品やサービスを手に取ってくれる可能性が高まります。
逆に顧客が気づいていない悩みや問題は、いくら「あなたの悩みや問題はコレですよね?」と問いかけたところで、無視されてしまう可能性があります。
なので、まずは顧客の顕在化している悩みや問題に目を向けてみることが大切です。
お客様の声を集めてみたり、既存のサービスをそもそもの狙いとは違う使い方をされていないか調べてみたりすると、すでに顕在化している悩みや問題が見えてきやすいです。
顧客の悩みや問題が分析出来たら、次のステップ「商品やサービスに独自の価値を付加する」に移っていきます。
6.商品やサービスに独自の価値を付加する
新しい事業を始める5つ目のステップでは、商品やサービスに独自の価値を付加することを考えていきます。
ここまで、新しく始める事業を決め、経営理念にズレがないか確認し、市場の環境やニーズを分析し、顧客の悩みや問題を分析するところまでやってきました。
だんだんと事業で扱う商品やサービスの形が見えてきているかもしれません。
その商品やサービスに、あなた独自の価値を付加できると、事業の成功確率は大幅に上がります。
そこで第6章では、商品やサービスにあなた独自の価値を付加するための3つのポイントを紹介していきます。
商品やサービスにあなた独自の価値を付加するためのポイントは、以下の3つです。
- 自分(自社)の強みと弱みを知る
- 他社にはない独自の強みを打ち出す
- 独自の強みが伝わるコンセプトを作る
1つずつ詳しくお伝えしていきます。
6-1.自分(自社)の強みと弱みを知る
商品やサービスにあなた独自の価値を付加するためには、自分の強みと弱みを知ることが大切です。
たとえば、サプリメントの販売を行うとしましょう。
あなたが健康に関する知識が豊富であれば、その知識を活かし、健康効果のあるサプリメントを作れることが大きな強みになります。
または、人脈を生かして、独自のルートで安く原料を仕入れることができるのであれば、市場に出ている商品と同じ効果のあるものをより安く販売できることが強みになります。
このように、自分の強みを活かして商品やサービスを展開していくことで、事業を有利に進めていくことができます。
反対に、自分の弱みを知っておくことも大切です。
たとえば、知識があるがゆえに原料にこだわり、商品価格が高くなってしまう、ということがあります。
弱みをきちんと認識しておくことで、強みを目立たせ、弱みが目立たないように打ち出すことが可能になります。
自分の強みや弱みを知るには、以下のような質問に答えてみることです。
- なぜ他の事業アイデアがあるにもかかわらず、この事業を選んだのか?
- 仕事をしていて、どんなときが一番うれしいか?
- 仕事へのこだわりやポリシーは何か?
- 「これだけは絶対にやめない!」ということは何か?
- どんな顧客のときが一番本気になれるか?
- 得意なこと、好きなこと、趣味は何か?
- 苦手なこと、嫌いなこと、やりたくないことは何か?
- これまでどんな実績を出してきたか?
- これまでどんな失敗をして、どう克服してきたか?
「もうこれ以上は出てこない!」と思うまで、ひたすら紙に書きだしてみると、意外とたくさん書き出せるはずです。
6-2.他社にはない独自の強みを打ち出す
商品やサービスに独自の価値を付加するには、他社にはない強みを打ち出すことが重要です。
あなたの強みを打ち出したとしても、それが他社も打ち出している強みであれば、あなた独自の価値にはならないからです。
他社にはない独自の強みを打ち出すには、他社の強みを知ることが大切です。
他社の強みを知るには、他社について以下のことを分析します。
- 他社の主要な顧客
- 他社の商品やサービス
- 他社の販売価格
- 他社の販売方法
- 他社の特徴
- 他社の強み
- 他社の弱み
これらを書き出してみることで、他社の強みや弱みがハッキリするでしょう。
すると、他社にはない自分の強みが見えてくるはずです。
6-3.独自の強みが伝わるコンセプトを作る
あなたの強みと弱み、他社の強みと弱みを分析したら、最後にあなたの独自の強みが伝わるコンセプトを作ります。
コンセプトの良し悪しで、商品やサービスの売上は大きく変わります。
なので、コンセプト作りは非常に重要です。
コンセプトは短く一言で設定することが大切です。多くの顧客は長い文章をじっくりと読んでくれません。
だから、顧客がパッと見ただけでメリットがわかるように、短くシンプルなコンセプトを作りましょう。
魅力的なコンセプトは、以下の5つの要素を入れることで作りやすくなります。
- ベネフィット(効果、簡単、早い、安い、役立つ)
- 具体性(数字、人物、イメージできる表現)
- 興味性(ギャップ、面白さ、新しさ、限定性)
- 信頼性(実績、証拠、権威、こだわり)
- スパイス言葉(五感をくすぐる、感情的、本能的)
コンセプトはシンプルにまとめるため、これら5つの要素をすべて盛り込む必要はありません。
あなたの強みに合った要素を盛り込んで、強みがより際立つコンセプトを作ってみてください。
以上が「商品やサービスに独自の価値を付加する方法」でした。
ここまで来たら、少しずつ商品やサービスを顧客に届けていきます。
しかし、ここでいきなり大きく展開してはいけません。
事業の成功をより確実なものにするためにも、小さくテストしてから本格的な販売をスタートさせる必要があります。
そこで、次のステップでは「顧客のフィードバックを得る」ことを行っていきます。
7.顧客のフィードバックを得る
新しい事業を始める6つの目ステップは、顧客のフィードバックを得ることです。
ここでは、ここまで作り上げてきた商品やサービスを顧客にテスト販売をして、顧客からのフィードバックをもらいます。
ここまでどれだけ入念な準備をしてきたとしても、必ずしも顧客が期待した通りに喜んでくれるとは限りません。
なのに、いきなり大規模に販売開始をしてしまったら、顧客からの反応が悪かった時に取り返しがつかなくなります。
しかし、逆に言えば、小さくテストすれば失敗できる、とも言えます。
だからこそ、少数の顧客に商品やサービスを試してもらい、顧客から厳しい意見をもらいながら、改善点を発見していきます。
顧客からのフィードバックを得るには、以下の方法があります。
- テスト販売を行い、顧客にアンケート回答してもらう
- 商品の体験会を開き、直接顧客に話を聞く
改善点を数多く得られるほど、商品やサービスを世の中に出したときに顧客に喜ばれる可能性が高まります。
8.改善改良する
顧客のフィードバックを得えたら、次に商品やサービスの改善改良を行います。
顧客から得られたフィードバックによって、商品やサービスを直接改善したり、アフターサポートなどのサポート環境を整えたり、改善方法はさまざまです。
場合によっては、価格の変更や生産設備の改善も必要になることもあるかもしれません。
自社で持つ人材や技術で解決できない場合には、業務提携やコンサルティングの活用も検討してみると良いでしょう。
この改善改良をサボらず丁寧にやることで、より多くの顧客から喜ばれる商品やサービスが完成するはずです。
ここまで進められたら、商品やサービスを本格的にリリースしていきます。
9.商品やサービスを提供する
新しい事業を始める最後のステップは、商品やサービスを提供することです。
長い時間をかけて作り上げてきた商品やサービスを、本格的にリリースしていきます。
しかし、ここまで入念に準備してきたとしても、100%事業で成功するわけではありません。
失敗して大きな傷を背負わないためにも、最後まで油断せず、慎重に進めていくことが大切です。
商品やサービスをリリースする際には、以下の2つのことが大切です。
- 小さく始める
- 撤退するラインを決めておく
1つずつ詳しくお伝えしていきます。
9-1.小さく始める
大きな失敗をしないためにも、「小さく始める」ことが非常に重要です。
いきなり大規模に始めてしまうと、失敗したときに修正すらできなくなり、大きな赤字になってしまいます。
なので、小さく始めて、うまくいったら少しずつ事業規模を拡大していくことが大切です。
9-2.撤退するラインを決めておく
大きな失敗をしないためには、「撤退するラインを決めておくこと」も大切です。
これまで入念に準備をしてきたからこそ、事業がうまくいかなかったとしても「いずれ上手くいくはずだ…」と考えてしまうことがあります。
すると、損失を出しながら事業を続けていくことになり、気づくと会社自体が傾くような取り返しのつかない失敗になる可能性もあります。
だからこそ、撤退ラインを決めておくべきです。
具体的には、以下の2つを決めておきます。
- いくら損失を出したら撤退するか?
- どのくらいの期間で収益化できなければ撤退するか?
これらの撤退ラインを決めておくことで、損失を出したとしても、許容できる範囲で納めることができるでしょう。
以上が、商品を提供するステップでした。
小さく展開していき、顧客から良い反応が得られれば、あなたの事業はほぼ成功するでしょう。
事業の成功を手にできるのは、ここまでの準備をコツコツ重ねているからです。
新しい事業を始める場合は、ここまでお伝えした8つのステップをぜひ参考にしてみてください。
まとめ
新しい事業を始める流れは、以下の8つのステップです。
- ステップ1:新しく始める事業を決める
- ステップ2:新しく始める事業と経営理念にズレがないか確認する
- ステップ3:市場の環境やニーズを分析する
- ステップ4:顧客の悩みや問題を分析する
- ステップ5:商品やサービスに独自の価値を付加する
- ステップ6:顧客のフィードバックを得る
- ステップ7:改善改良する
- ステップ8:商品やサービスを提供する
この8つのステップに従って新しい事業を始めていけば、大きな失敗をせずに事業を立ち上げていくことができます。
事業を立ち上げて確実な成功を手に入れるためにも、この記事を参考に、新しい事業を始めてみてください。