自分らしく輝いて活躍するための仕事の秘訣

2018.10.16 更新|2018.09.06 公開| リーダーシップ

人を動かす影響力を得る方法|カーネギーの三原則を踏まえて解説

牛窪俊浩です。もし、あなたが、人を動かす影響力を発揮できたら、上司や部下、お客様とも良い関係を築くことができます。しかし、例えば

「スケジュールはこれで決めました」
「はい、こういうタスクで行きましょう」

と、言っても、なかなか動かない、なかなかやらない、言ったはずなのに、ちゃんと伝えたのに動かない…

「じゃあ、どうすりゃいいの!?」

もしかしたら、あなたはそう思って、悩んでいるかもしれません。

多くのリーダーが影響を受け、座右の書としている、デール・カーネギーの『人を動かす』というビジネス書籍があります。

この本は、相手からの信頼を得るための方法を、具体例を交えて語った実用的な書籍です。この本の通りにやれば、うまくいくかもしれない。そう思って私は『人を動かす三原則』の部分をさっそく実践しようとしました。

しかし、実際に行おうとしたところ、次のような壁にぶち当たったのです。

「『相手をいっさい否定・反論しない』とあったけど、これは相手に迎合することになるのでは・・・?」

リーダーの仕事とは、言って終わり、決めて終わり、管理して終わり、では、もちろんありません。スケジュールを決めて皆がやりたくなる、動きたくなる、喜んで仕事をしたくなる。

「これいいね」「おもしろそう」と自発的に動くように影響を与えるのが、リーダーの仕事のはずです。

しかし、単に相手を否定しない・反論しない方法では、相手の言いなりになるだけな気がしました。なので決めたスケジュールを、担当者が自ら進んでやってくれるとは、とても思えなかったのです。

そこで、どうやったら組織がうまく機能するのか、リーダーとしてどのように影響力を与えたら良いのか、経営コンサルタントの小田真嘉さんに聞いてきました。

すると小田さんは、次のように話してくれたのです。

人が行動するには動機が必要です。そしてその動機には内的動機、外的動機の2種類があります。しかし、実は『人を動かす』では、この重要な動機がはっきりと分類されていません。人を動かすためには、本書を踏まえて、ここからさらに本質に迫る必要があります。」

私は小田さんから話を聞いて思ったのです。

「今の日本の、私を含めたリーダーに絶対に必要な話だ」と。

この記事では、私が小田さんに教わった『経営者やリーダーのための、人の動かす方法』をお伝えします。

働き方改革と言われる今、この小田さんの考え方は、組織づくりや交渉ごとにおいて、誰も語っていないけれど、絶対に必要なものです。

私が考える良い組織の理想形は、リーダーが指示をしなくても、皆が自分たちで考えて工夫し、どんどん進んで動く自立型組織。

自分で自分のモチベーションを高めて、起こった問題やトラブル、ピンチを乗り越える。

このように、まるで自動運転のように、自然に人が成長し、自然に組織が成長していく。そんな組織が理想だと私は考えます。

もし、あなたが人を動かす影響力を発揮し、良い組織を作りたい、もしくはお客様と良い関係を築きたいと思うのなら、ぜひこの先をお読みください。

1.人を動かす三原則「強い欲求」

カーネギーの人を動かす三原則の一つに『人の立場に身を置いて、強い欲求(動機)を起こさせる』とあります。どうやってこの動機を高めるのか、をお伝えします。

人を動かす内的・外的動機

人が動く動機は2つあります。それが『内的動機』と『外的動機』です。

この二つが何かというと

内的動機:「やりたい」など、自分の内側から生まれる、動く理由
外的動機:「締め切り」など、外から影響されて生まれる、動く理由

です。内的動機が高まったり、外的動機が高まったりして、人は動きます。リーダーや経営者が人を動かすためには、相手・周りの

・内的動機、外的動機を、刺激するような関わり方をする
・内的動機、外的動機が、自然と高まるような環境を作る

のが大事です。人が動く、本人の意思で動きたくなるような、仕事の振り方や励まし方、普段の関わり方や接し方が、とても、とても大事です。

人が動く動機は、気持ちによって生まれます。自分の心の中から生まれる気持ちは、「気」であり、空気、気体と考えることができます。

ここで人の気持ち、動機を理解するために、高校物理でおなじみ気体の状態方程式を変化させた、『気持ちの状態方程式』で説明します。

難しいと感じる場合は、読み飛ばして、動機と土鍋の関係の章をご覧ください。

1-1.気持ちの状態方程式

人が動くために必要な動機は、心の中から生まれる熱量(=内的動機)と、外から影響され生まれる圧力(=外的圧力)から生じます。

この熱量と圧力は以下の気持ちの状態方程式で表すことができます。

人を動かす気持ちの状態方程式

気体分子の持つ運動エネルギーは、「気」持ちのエネルギーで、これが動機(体積V)です。

この動機を高めるためには、熱量Tを高める必要があります。逆に高すぎる圧力Pは動機を下げることになります。しかし、ゼロになると無限大に発散していしまいます。すなわち、圧力Pは、適切に圧力をかける必要があります。

1-2.動機と土鍋の関係性

物理の公式が難しい場合は、土鍋で考えてみましょう。人が動く動機は土鍋でも説明することができます。

土鍋で美味しいごはんを炊く(動機を高める)には、火をかけて熱量を与えます。また、圧力が高まりすぎると土鍋が壊れてしまうため、多すぎる圧力は、フタの穴から逃がすようにします。

このように、美味しいごはんを炊く(動機を高める)ためには、高い熱量(=内的動機)と適切な圧力(=外的動機)が必要なのです。

それではこれから、内的動機とはいったい何なのか、外的動機とは何なのか、をお伝えします。

1-3.内的動機(熱)

内的動機とは「やりたい」など、その人の内面から動きたくなる気持ちや熱意のことです。

人は、何かしらのメリットがあるから動きます。そしてデメリットがあるから、それを避けたくて動きます。

そして人が、どんなところにメリット・デメリットを感じるのかは、深層心理学的にお伝えすると、以下の5つの価値観にもとづいています。

人が動く5つの価値観

1つ目は、善悪の価値観です。この価値観を持っている人は、「その選択が正しそうだな」と思って動きます。もしくは「間違っていて、それを正したい」と思って動くこともあります。また、「間違えたくない」「失敗したくない」という思いから動く場合もあります。

2つ目は、好き嫌いの価値観です。ただ純粋に「好きだから」「楽しいから」「良さそうだから」と、感情的に動きます。もしくは「理想の状態でないのがイヤ、嫌い、苦しい」「そうはなりたくない」という思いから避けるために動きます。

3つ目が、損得の価値観です。「得することがあるから」「プラスになると思うから」という理由で動きます。もしくは、「損したくない」「失いたくない」「手放したくない」という思いから動きます。

4つ目が、勝ち負けの価値観です。「勝ちたい」もしくは「負けたくない」という思いから動きます。

5つ目は、愛憎の価値観です。「周りから応援されたい」「愛されたい」「大切な人だと思われたい」という理由から動きます。もしくは「周りにイヤな思いをさせたくない」「恨まれたくない」と思って動きます。

人は最初に損すること、イヤなことなど、デメリットを避けたいと思って動こうとします。その上で「もっと、もっと良くしたい」「楽しそう」「嬉しい」という、メリットを感じて動くようになります。

そうやって「心からそれをやりたい」と、心の熱量が高まり、気持ちが高まって動く、というのが内的動機です。

1-4.外的動機(圧)

もう一つは、外的動機についてです。これは「必要に迫られる」「理想の未来に近くために必要だから」という圧力によって『動く必要性を感じるから』人は動きます。

ここでいう必要性とは、ピンチとチャンスのことです。先にチャンスについて説明すると、チャンスとは重要性のことです。

人が動くチャンスとピンチ

例えば、リーダーや、部長などの管理者、重要な役割を任された時、もしくは現時点で重要な立場の時。

そうした役割が「重要だからその役割を果たすために動く」ということです。

他には自分の立ち位置、立場があり「それを果たそう、もっと生かそう」と思って動く。そこにはもちろん責任感もあって「やらなくちゃいけない」と思って動く。

このようにチャンスで動くのは、外側からくる状況や環境を判断して『重要だと思うから動く』のです。

これに対してピンチは時間・お金・人の3種類に『緊急性を感じて動く』ということです。

時間的ピンチなら、「見積もりの締め切りが今日中!」
お金的ピンチなら、「支払いの期日までにお金を用意しなきゃ」「すぐにでも稼がないといけない」
人のピンチなら、「クレーム対応を緊急で対処!」「トラブルはすぐ解決が必要!」

といった具合です。

このように、ピンチ(=緊急性)とチャンス(=重要性)の二つの圧(=必要性)によって人は動くのです。

さてここまで、動機には内的動機と外的動機の二つがあって、熱と圧の関係性だとお伝えしました。

わかりやすくまとめた図を示しておきます。

人が動く内的・外的動機まとめ

このように、人が動きたいと思う動機を知ることで『人を動かす影響力』を持つことができます。

組織をうまく回すために、上司、部下、お客様と良い関係を築くために、内的動機と外的動機を、どうやって高めたら良いのか、これからお伝えします。

2.人が動く3つの影響力(内的動機)

相手の内的動機の熱を、どうやったら高められるのか。それはこれからお伝えする3つの影響力が必要です。

2-1.高い理想(自分の熱をアップ)

人を動かす熱意

一つ目は、まず自分が高い理想や高い目標、夢を持つことです。

自分自身の熱量が高いからこそ、相手を感化することができます。なので最初は自分が燃えて、自分自身の熱量、温度を上げることが大事です。

そのためには、今やっている仕事はもちろん、自分自身の人生を含めて

「何を目指す?」
「どう生きたいのか?」
「どんな仕事をして、どんな人たちに、どれくらい喜んでもらう?」
「どういう貢献をしたい?」
「最終的に、自分が達成したいのは何?」

と、『何があったとしても、燃え続ける情熱を持つこと』が必要です。

自分自身に熱量がなかったら、人には熱量を与えられません。例えば自分の心の温度が36.5度の平熱なら、他の人は変わらず、いつもと同じような関わり方になります。

もし、自分の心の温度が低体温でマイナス5度、マイナス10度、マイナス30度だったら、今度は、平熱の人の温度を奪ってしまいます。

逆に自分の心の温度が100度だったなら、36.5度の人を80度とか高めることができます。人の温度は自分の温度以上に上げることはできません。なのでまずは自分の熱量を上げることが大事です。

仕事はもちろん、自分の心への向き合い方、姿勢など、普段の温度(=平熱)を高めることが大切です。もし、自分の心の温度が、例えば1000度だったなら、周りの人を800度や、900度近くまでも高めることができます。そのためには、

「なぜ自分はその仕事をやっているのか?」
「その仕事を通じて何を達成したいのか?」

どれくらい貢献して、お客様や周りの人、地域や業界、世の中にどんな影響を与えたいのか

・高い目標
・高い理想
・高いゴール
・大きな夢
・達成したいもの

を持つようにしましょう。高い理想が、影響力をもつための1つ目の要素です。

いきなり自分の目標や理想、夢を考えることは難しいと思うかもしれません。これらはすぐに思いつくことではありませんが、日々意識して問いを持ち続ける事で見えてくるものです。

でも、何かしらヒントがあった方が見つけやすいと思うので、ポイントを絞って3つだけお伝えします。

1.世の中の嘆きを感じる
会社、業界、地域、日本・・・と考えた時に、悪しき風習や文化に対する嘆きはないか?

2.自分の守備範囲を広げる
自分の子どもを守る対象と定めて、地域の子ども、日本の子ども、100年先の子ども達・・・と守る範囲を広げる

3.情熱の源泉を見つける
自分が情熱を持って取り組めること、人生をかけてやりたいことは何なのか?

これらはあなたの人生を一気に加速させる『問い』になります。本当はもっと詳しく伝えたいのですが・・・長くなるので割愛します。でも、とてもとても、本当に大事なことです。

なのでぜひ、日々問いを持ち続けて欲しいと思います。

2-2.理想の共有(相手に熱をうつす)

人を動かす感化力

二つ目は、理想を共有し、相手に熱をうつすことです。これには3つのステップがあります。

一つ目のステップは、理念を共有することです。

最初に相手に

・夢を語る
・ゴールを語る
・理想の未来を語る

など、自分が働く理由や理念を語り、共有します。共有することによって、熱量を与えて相手を感化していきます。

そして2つ目のステップは、相手を登場させることです。

「私はこんな事をやっていきたいし、こういう仕事なんだ、そしてこんな未来がある」
「そんな時に、あなたはこういう事をしていて、こんなことをやっている」
「そこであなたは、こういう風な立場になっていて、ものすごく活躍をしているんだ」

という自分が語る理想の中に相手を登場させて一緒に話し、一緒に熱量を上げていきます。

最後のステップは、メリットとデメリットを語ることです。

「私とあなたがどんどん良くなって、もっともっと楽しくなって」
「あなたはどんどん成長していく」
「さらに立場や活躍の場がもっと広がって勝てるようになっていく」
「もっともっと周りから愛されて、応援されていく」

その後、そうした未来に対するメリットを話します。もしくは

「これからやることは、やって損することはない」
「今の状況からから失われていくものはなくなるし」
「これからの人生、後悔しないようになっていく」

と、デメリットからも抜けられるよ、とメリット・デメリットを交えながら未来を語ります。そうやって熱量を与えていくのが大事です。

ステップ1:理念を共有する
ステップ2:相手を登場させる
ステップ3:メリット、デメリットを提示する

理想の共有はとにかく何度も伝え続けることが大切です。自分の表現力が磨かれるし、色々な人に伝え続けることで、その理想に共感してくれる人が必ず現れます。

そうした理想は、口に出したり、ノートに書いたり、オーダーするからリアリティを感じて現実になっていきます。だからこそ、繰り返しいろんな人に泥臭く伝え続けることが大切です。

2-3.環境づくり(人を動かす三原則 その2)

高めた熱量が失われないように、そしてもっと高まっていくような環境(器)づくりが大切です。

良い環境があれば、たとえ誰かの気持ちが落ちていても、熱量を戻すことができます。

カーネギーの人を動かす三原則に『相手を批判しない』とあります。まずは批判せずに熱量を落とさないようにすることが一つ。その上で理想が実現する環境づくりが大事です。

そのために目指すゴールや理想、未来に向けての具体的な計画と行動など、具体的なステップや

「じゃあ、今からこれをやりますね!」

と、すぐに動ける、動きたくなるような『今すぐにやること』まで、膝を付き合わせて、一緒に考えます。

そうして、高まった熱量が失われないように、チームを作り、一緒にゴールを目指し、気持ちを高め合うような環境を作ること。

これによって、自分の熱量が相手に伝わりやすくなるだけでなく、その環境が循環を起こして、自らが熱量を高めるチームとなっていきます。

しかし、最初からお伝えしている通り、すぐに熱を高めることは難しいです。なので、圧力への対処も必要です。

圧への対処法・対策についてこれからお伝えします。

3.圧力で人を動かす(外的動機)

3-1.熱と圧のバランス

現代社会の精神病とされるストレスは、熱と圧の、バランスの乱れから生じます。自分の熱量や熱意が、プレッシャーや圧に負けた時に、人は負担に感じ

「イヤだけど、やらなきゃならない」

となってしまいます。 先ほどお伝えしたストレスのように、熱量よりも圧力の方が高まってしまった場合は、

・心が折れる
・やる気がなくなる
・燃え尽きる
・瞬間的なテンションは上がっても後が続かない

これをどうしたら良いのか、というと、熱と圧の関係を常に熱の方が高まっている状態にすることです。

つまり(熱 ≧ 圧)となるように、熱と圧のバランス調整を行うことが重要です。

熱と圧をどうバランス取ったら良いのか?

そのために必要なのは以下の3点です。

1)熱量を100度、1000度と高めて伝える(火をかけて熱量UP)
2)圧がかかり過ぎないように調整してあげる(圧を逃す、ガス抜き)
3)圧力に耐えられるように耐圧性を高める(硬くて割れない鍋)

熱と圧のバランス調整

熱量を上げる方法は、これまでお伝えしました。これからは、圧の調整と、耐圧性を高める方法をお伝えします。

本人が求められていることや、やろうとしていることに対して、

「その人の気持ちが高まり、ついて行っているのかな?」
「仕事量は多くない?」
「荷が重すぎないかな?」

もし、バランスが悪いのだったら、減らしてあげる。周りを巻き込んで仕事を分担するなど、圧力を調整することが大事です。

仕事を進めながらしっかり見てあげて、調整してあげてください。あまりに負荷がかかりすぎると、その人は動かないどころか、チームの雰囲気を乱してしまう場合もあります。

圧を減らすこととは逆に、期日が決まっている仕事に対して、たとえ徹夜でもやりきる必要がある場合もあります。

なかなかチームが動かないで進まない時は、あえて締め切りを設けてピンチを作るようにします。「とにかく何としてもやりきる!」というフルコミットが大事です。

もしくは、チャンスを与えるというのも有効な方法です。

「◯◯さん、あなたの出番ですよ」
「これを任せたいと思っている」
「あなたにしか任せられないことなんだ」

と、責任感、役割意識、立場など、「あなたはとても重要」と、その人の重要性を伝えて「だからこれを、やる必要があるんだ」と何度もなんども、繰り返し、くりかえし伝えます。

そして、こうしたピンチやチャンスを乗り越えることによって、その人が成長したり、チームが一致団結して、成長したりします。

そのほかの注意点は、ピンチという圧がかかり続けると、熱量は下がっていきます。なので一つ山を越え、ピンチを越えたなら、労(ねぎら)い、声をかけて感謝することが大事です。

こうした声かけによって、内的動機がさらに上がっていきます。このように内的な熱量と外的な圧力のバランス、循環が人を動かせる、人を動かしていくことになります。

3-2.耐圧性をつける(人を動かす三原則その3)

外的動機を高める2つ目の方法は、耐圧性をつけることです。圧力に耐えられるのなら、より難しい目標に対しても、進んでチャレンジすることができます。

この耐圧性を上げるために、あなたが相手をどのように見るのか、がとても大事です。

これは、人を動かす三原則の『自己重要感を満たす』ことです。

「この人はとても優秀な人なんだ」と信じることで、その人は未来にそういう風に成長し、変化する可能性がものすごく高くなります(これをピグマリオン効果と言います)。

逆に
「この人はダメだな」
「動かない人なんだ」
「成長しない人」
「活躍しない人」

と欠点や、今できていないところばかりを見ると、その人はどんどん動かなくなっていきます(これをゴーレム効果と言います)。

もしかしたらあなたは、自分の見方が相手に影響を及ぼすとは、思えないかもしれません。理屈で言ったら話が合わないと思うかもしれません。

しかし、現在、量子力学の世界においては、「光は粒、粒子だ」と見ると光は粒子の働きをする。逆に「光は波なんだ」と見ると光は波動性を示すことがわかっています。

このように見る側の意識によって、現象が変わるのを観測者効果といいます。

同じように見ている人の意識や気持ち、感覚によって相手の反応が変わってくるのです。

なので「この人に動いてもらわなきゃ困る」とかそういう風な感じではなくて

・その人の未来
・その人の成長
・その人の幸せ、喜び

などをイメージしながら

「この人は絶対に素晴らしい人なんだ」
「活躍する人なんだ」
「みんなから必要とされる人なんだ」
「この人の活躍によって多くの人が喜ぶんだ」

というのを心底信じてみてあげてください。この「心底信じてみる」度合いによって人が動く範囲と人が動く量が変わってきます。

そうやって信じて、期待はしないけど、信頼するようにしてみてください。期待とは、

「これぐらい教えたから、これぐらいしてくれなきゃ」
「こうやったんだから、これくらいじゃなきゃ」

という見返りを求めるのが期待です。それよりも、その人の未来を信じて信頼してあげる。

「過去にこんな経験があって、難しいのかもしれない」
「でも本人は言葉ではイヤと言っているけど、本心は活躍したいと思っている」
「その気持ちを持ち続けているのなら、きっとこの先良くなっていく」
「だから5年後、10年後、それ以降のことも信じて、この言葉をかけてみよう。」

今の身近な変化やリターンを期待するのではなく、近未来やもっともっと先の、その人の未来を見てあげるということが大事です。

3-3.重力場で影響力を高める

外的動機を高める方法の3つ目は、そもそもの『自分の影響力を高める』ということです。自分自身の影響力が高ければ、それだけ相手に外的動機を与え、相手が動きます。

「動く」という漢字は重力と書きます。人は、一人ひとり生きているだけで重力場、影響力の範囲、場を持っていて、影響し合っています。

これが小さい人と大きい人がいて、本当に影響力のある、人を動かす人は、この重力場がまるで天体のように、いるだけで大きな影響を与えるのです。

「やっぱりこの人のために動きたいな」
「この人についていきたいな」
「この人と一緒にいるだけで、もっと何かしたくなるな」
「喜んでお手伝いさせてもらいたい」

誰もがそういう気持ちになりたいと思っているし、思わせて欲しいと思っています。

では、どういう人が『いるだけで協力したい』と思われるのか。その人の存在感が何で作られるのか。それは、『積分と微分』で作られます。

積分とは、今まで生きてきた中で、積み重ねてきた経験の重みや雰囲気、空気感です。
微分とは、今の意志・気持ちの傾き、その瞬間の姿勢や意識の高さです。

人を動かしてきた人、もしくは人を動かす人というのは、何より『過去に自分が誰よりも動いてきた人』です。

・誰かのために
・何かのために
・みんなの喜びのために
・成長のために
・幸せのために

と言って、まずは自分が動いてきた、という歴史・積み重ねがあります。

人を動かす積分の影響力

なので仮に、自分が動かずして人を動かそうと言っている人がいたとします。そうした人は、相手を動かそうという空気感・存在感となり、残念な重力場が作られます。

だから

「どうして周りがなかなか動かないの?」
「なんでこんなにも動いてくれないんだろう・・・」

と感じるのは、もしかしたら、自分がそんなに動いていなくて、自分が動かずして人を動かそうとしてきたのかもしれません。

まずは自分が、周りの人に熱量を与えるために動く、ということです。熱量を与えて、圧力・壁を乗り越えようと動く。

こうした過去の蓄積、今後の積み重ねが、あなたの存在感になり、影響力になり、重力場を作ります。

そうやって、あなたから出る空気感が、周りの人を感化し、「応援したい」「あなたのために動きたい」と思ってもらえるのです。これが積分です。

そして二つ目が、微分です。今の自分の心・意識はどの傾きなのか、どういう姿勢なのか、何を目指し、見ているのか、というのがその人の影響力となり、重力場になります。

人を動かす微分の影響力

「働く」とは「傍(はた)を楽(らく)にすること」。すなわち周りを楽にすることです。

なので、その相手だけを動かそうとするのではなくて、その周りだったり、その先だったり、多くの人の喜びや幸せ

もしくは、

「周りがどうやったらもっと楽になるんだろう」
「もっと喜びの場になるんだろう」
「仕事の働きができるんだろう」

という『自分のこととして意識する範囲』を広げていって「よし!これをやるぞ!」と自分自身もそこに向かいながら燃えることです。

自分が燃えるほどにいろいろな圧が外側から来ます。そこで自分も耐圧性を高めます。

「乗り越えていくぞ!」
「やっていくぞ!」

という気持ちが心の傾きになります。そうなると、あなたがいるだけで、存在しているだけで人が動きたくなる。

もしくはあなたの姿を見て、考えて、思いだして、あなたが働くだけで、周りが

「よし!頑張ろう」

と思えるようなそういった影響力のある人になれる、重力場を発する人になれるのです。

4.自分に合った「動かし方」を知る

人の動かし方、リーダーシップの発揮の仕方は、人によって全く違います。なので、自分に合った発揮の仕方を知ることが大事です。
人を動かすカリスマ型リーダーシップ

カリスマ型みたいに「こっちに行くぞ!ついてこい!」と言って先陣を切って前で旗を振る人の動かし方もあります。他には、

人を動かすサーバントリーダーシップ

組織を見守りながら、そして支えながら組織の一番後ろに行って、サーブ(下から支える)するサーバントリーダーシップ。

人を動かすキャプテンリーダーシップ

キャプテンシップという、チームのキャプテンのように一緒にみんなの輪の中心に入って、リーダーシップを発揮して、人を動かす人もいます。

このように、自分に合った「人の動かし方」があります。

じゃあどうやって「自分に合ってるのかな」「見つかるのかな」

と、見つけるためにすることは、これはとにかく、やり続けるしかありません。

例えば

「どういう熱の与え方が自分の個性・長所・本質に合っているのか」や、やってみたら、圧の調整が自分が不得意だ、と気づくかもしれません。

その場合は、周りに手伝ってもらった方が良いでしょう。

また、自分がどんな種類の観測者効果を与えられるのか、やってみて気づくことは多いです。

あなたは、その人の能力面(スペック・性能の部分)を引き出し、才能が開花するような観測者効果をもたらすのが得意かもしれません。

もしくはその人が本当に笑顔でいられる、幸せと感謝と喜びで働けるようになる、観測者効果かもしれません。

「自分がいるだけで、どんな影響を周りに与えているのか?」

というと、あなたの個性・個の発揮の仕方によって異なります。なので、それは、人と関わりながら働きながら見つかっていくものなのです。

もしかしたら

・時としたら辛いかもしれないし
・時としたら嫌なこともある

とは思うのです。ですが、嫌な目に会っても、そこに負けずに、折れずに、諦めずにやり続けるに事により自分自身が磨かれていきます。

人を動かす影響力の発揮は、こうした自分を磨くことによって、だんだんと見つかり、引き出されていきます。

そうして自分らしい、あなたの本質に合った、周りの人の動き方、チームの作り方、組織の作り方になっていくのです。

「情熱のある人に触れて、自分も情熱的に人生を燃やしたい」

人は誰しもがそう思っているし、そう思わせて欲しいと思っています。

相手が「この人のために人生を燃やしたい」と100%思うことができたら、『人は動く』のです。

そのために、まずは自分の内的動機と外的動機を高めて、何があったとしても、燃え続ける情熱を持つようにしましょう。

電子書籍「THE SHIFT」プレゼント
小田真嘉(おだ まさよし)

監修・小田真嘉(おだまさよし)

経営コンサルタント。これまで1,000社以上の経営者と、1万人以上の現場スタッフ、マネージャー、リーダーたちとの深い対話から、働き方と生き方には4段階のステージがあることを解明し「進化の4段階説」を体系化。現在は、上場企業、リーディングカンパニー、老舗企業、個性的な小さな会社、業界のリーダー的経営者、第一線で活躍するプロフェッショナル、作家、講師、コンサルタント、コミュニティ主催者などの「リーダーの相談役」として活動。

牛窪俊浩(うしくぼとしひろ)

著者・牛窪俊浩(うしくぼとしひろ)

自身の経験をベースとした、月間30万PVのブログを運営。累計2000人以上の相談に乗るも、本質的にクライアントを本当の幸せに導けているのかという疑問が拭い去れず、心に迷いが生じ始める。そんな時に、小田さんが講師をされているNEXT DIMENSIONという講座に出会い、古神道をベースとした、日本神話、仕事の原理原則、ステージ理論など仕事における帝王学を学ぶ。その後、真髄を自身のビジネスに生かした結果、自分自身もさらに良くなり、今では、多くの人の相談に乗りながらも、小田さんの講座THE SHIFTのナビゲーターや、NEXT DIMENSIONの運営を任されるようになる。