社長のあるべき姿15項目|従業員がついてくる社長になるために
「社長のあるべき姿がわからない」
「最近、従業員がついてこない気がする」
そのような悩みにお答えします。
社長としてふさわしい人間になることができれば、従業員があなたについてくるようになり、仕事にも前向きに取り組んでくれるでしょう。
あなたを支える右腕のような人も出てくる可能性もあります。
しかし、多くの従業員から「あの人は社長にふさわしくない」と思われてしまえば、従業員はあなたの指示に従ったふりをするだけで、質の低い仕事しかしてくれなくなるかもしれません。
そうならないためにも、社長のあるべき姿を知り、1つでも多く実践していくことが大切です。
そこでこの記事では、社長のあるべき姿として、以下の15の項目を紹介します。
- 会社の資本を増やす活動をしている
- 経営理念を持っている
- リーダーシップを発揮している
- 従業員を幸せにしている
- 公平公正な評価をしている
- 自分よりも優れた人に働いてもらっている
- 会社の顔である意識を持っている
- 自分自身を磨いている
- 事業やお客様に対する本気の覚悟を持っている
- 決断力を持っている
- 人を育てている
- 謙虚に人の話を聞く姿勢を持っている
- 自分の関心を世間の関心に合わせている
- 周囲に感謝している
- 同業者の希望になっている
1つでも実践できれば、あなたの社長としての器が大きく広がります。
なので、最初から全部実践する必要はありません。
まずは、どの項目ならすぐに取り組めそうかを1つずつチェックしながら読み進めてみてください。
では、1つずつ詳しくお伝えしていきます。
目次
1.会社の資本を増やす活動をしている
社長のあるべき姿として、「会社の資本を増やす活動をしている」ことが挙げられます。
会社が存在する目的の1つに、「事業を営むことによって資本を増やし、増やした資本を給料として分配し、あなたや従業員が豊かに生活できるようにすること」があります。
給料を支払えず、自分自身や従業員を路頭に迷わすのは、会社のあるべき姿ではありません。
だからこそ社長は、まず第一に「会社の資本を増やす」存在であるべきです。
そして会社の資本を増やすには、事業を成功させることが一番です。
事業を成功させる方法は、以下の記事で詳しくお伝えしています。
ぜひ併せてお読みください。
2.経営理念を持っている
経営理念を持っていることも、社長のあるべき姿の1つです。
会社は、金儲けをするために在るのではありません。顧客や従業員の生活を豊かにしたり、世の中をいい方向に変えたりするために存在すべきものです。
なので、あくまでお金は、世の中をいい方向に変えるという目的のために稼ぎます(そのために稼ぐならいくらでも稼いでください)。
だからこそ社長は、「自社で行う事業を通して、人々に笑顔を届ける」というような経営理念を掲げ、経営理念を実現するために事業を進めていく姿勢を持つことが大切です。
誰かのために頑張っている人に、人は魅力を感じるものです。
経営理念の作り方は、別記事『経営理念の作り方|重要な3つの要素を事例と共に解説』で詳しくお伝えしています。ぜひこちらも併せてお読みください。
3.リーダーシップを発揮している
社長のあるべき姿として、「リーダーシップを発揮していること」も挙げられます。
現代経営学の発明者として有名なピーター・ドラッカーは、リーダーについて、以下のように述べています。
リーダーに関する唯一の定義は、つき従う者がいるということである(未来企業)
ここで言う「つき従う者」とは、「社長だから」「偉い人だから」という理由で指示に従う人ではありません。
あくまで、そのリーダーを信頼し自らの意思で従う人のことです。
より具体的に言うと、「社長という肩書を外し、従業員とお互いに一人の人間として向き合ったときに、相手が信頼してくれ、ついてきてくれるか」ということです。
この「つき従う者」がいる状態が、リーダーシップを発揮できている状態です。
リーダーシップを発揮するには、経営理念を掲げ、経営理念を実現するために必要な価値観や行動基準を自らが実行していくことが重要です。
たとえば、経営理念の実現のために必要な価値観として、「熱意を持って働くこと」を掲げたのであれば、自らが従業員のお手本となり、一番熱意を持って働く、という感じです。
すると、その姿勢に感化された従業員が、また一人、また一人と、「つき従う者」になってくれるはずです。
4.従業員を幸せにしている
社長のあるべき姿として、「従業員を幸せにする」ことは非常に重要です。
従業員を取り換え可能な歯車だと思って、「限界まで使ってダメなら捨てる」というような考え方では、従業員は当然ついてきません。
そんな態度で従業員に接していたら、従業員からは「取り換え可能な給料を払ってくれる人(使えなくなったら転職すればいい)」と思われてしまう可能性もあります。
すると、従業員との関係が険悪になり、会社がうまく回らなくなります。
そうならないためにも、従業員から「この人についていけば、幸せになれる!」と思ってもらうことが非常に大切です。
そのためにも、「従業員を幸せにする」という姿勢で、事業を展開したり、待遇を考えたり、従業員とのコミュニケーションをとったりしていきましょう。
時間はかかるかもしれませんが、「従業員を幸せにする」という姿勢を持ち続けていけば、その気持ちはいずれ従業員に伝わるはずです。
5.公平公正な評価をしている
従業員を公平に評価することも、社長のあるべき姿の1つです。
「身内だから」「付き合いが長いから」「気が合うから」などという理由で特定の人を特別に評価してしまうと、別の従業員からは「頑張ったところで、どうせ評価されるのは社長のお気に入りの人だけだし」と思われる可能性があります。
すると、従業員のやる気は下がり、仕事の質もどんどん低下してしまうでしょう。
そうならないためにも、従業員の結果やプロセスを公平に評価していくことが大切です。
従業員に「公平に評価してもらえている」と感じてもらうことができれば、「頑張った分だけ評価されるんだから、もっと頑張ろう!」とより前向きに働いてくれる従業員が増えるはずです。
6.自分よりも優れた人に働いてもらっている
自分より優れた人に働いてもらっている状態も、社長のあるべき姿の1つです。
ドラッカーは、著書『経営者の条件』の中で、次のように書いています。
鉄鋼王アンドリュー・カーネギーが自らの墓碑名に刻ませた、"おのれよりも優れた者に働いてもらう方法を知る男、ここに眠る"との言葉ほど大きな自慢はない。これほど成果をあげるための優れた処方はない。
自社で自分よりも優れた人に働いてもらった方が、会社を大きく成長させていくことができます。
自分には思いつけなかったアイデアが出て、新しい事業を立ち上げることもできるかもしれません。
そうなるためにも、社長には「自分よりも優れた人を雇い入れる器」が必要です。
自分よりも優れた人に働いてもらうには、相手の長所を生かせる環境つくりが大切です。
7.会社の顔である意識を持っている
社長のあるべき姿として、「自分が会社の顔である意識を持っている」ことも挙げられます。
社長の評判は、会社のイメージアップにもダウンにもつながります。
なので社長は、自分が会社の顔であるという意識を持ち、業界の発展に力を入れたり、社会貢献したりしていくことが大切です。
社長が世の中から評価されれば、従業員もその会社に勤めていることを誇りに感じることができます。
8.自分自身を磨いている
常に自分自身を磨いていることも、社長のあるべき姿の1つです。
第3項の「リーダーシップを発揮する」でも述べましたが、社長は従業員のお手本になることが重要です。
従業員に成長してもらい、幅広いスキルを身に付けて仕事で活躍してもらうには、まずは社長が自分自身を磨き、成長することが大切だからです。
なので自分自身を磨いて、従業員にも良い影響を与えていきましょう。
9.事業やお客様に対する本気の覚悟を持っている
社長のあるべき姿として、「事業やお客様に対する本気の覚悟を持っている」ことも大切です。
「絶対にこの事業を成功させる!」「絶対にお客様を幸せにする!」といった気持ちを持って仕事に取り組み、意地でも課題を乗り越えていくことで、事業を成功させることができます。
諦めずに最後までやり切る覚悟を持つこと。その姿を従業員に見せていけば、「こんなに本気になっている人は、何とかして助けてあげたい」と思ってくれる人が出てくるはずです。
10.決断力を持っている
最終的な決断を下せることも、社長のあるべき姿の1つです。
会社の命運を握っているのは社長であるあなたです。
そんなあなたが、もし決断することから逃げ、周りに決断を任せてしまうようなら、従業員から「頼りない」と思われてしまうでしょう。
すると、事業に関する重要なことも相談されなくなってしまうかもしれません。
そうならないためにも、重要な決断を自らが下して、決断の結果は何が起ころうとも自分が責任をとる覚悟を持つことが大切です。
覚悟を持てば、決断を下せるようになります。
11.人を育てている
人を育てていることも、社長のあるべき姿の1つです。
人を育てなければ、事業を拡大したり、新しい事業を始めたりすることができません。新たな責任あるポストを任せられる人がいないからです。
また、社長であるあなたが引退するときに後継者がいなければ、後継者がいないせいで会社を潰すことになってしまいます。
そうならないためにも、人材育成には目を向けるべきです。
人を育て、活躍する場を与えていけば、従業員も仕事にやりがいを感じ、長く会社に定着してくれるはずです。
12.謙虚に人の話を聞く姿勢を持っている
社長のあるべき姿として、「謙虚に人の話を聞く姿勢を持っている」というのも挙げられます。
もし社長が、横暴な態度をとり、周りの人の話を聞かなければ、ミスがあっても指摘してくれる人がいなくなってしまうかもしれません。
すると、事業の計画段階で見落としがあっても誰も指摘せず、大きな失敗になってからしか気づけないような会社になってしまう可能性もあります。
そうならないためにも、常に謙虚に人の話を聞く姿勢を持っていることが大切です。
もし謙虚に人の話を聞くことが自分に欠けていると感じる場合は、まずは相手の話をうなずきながら聞くことから始めてみて下さい。事実、東京大学の研究で、相手の話をうなずきながら聞くだけで、相手からの好感度が上がることもわかっています。
頭ごなしに相手の意見を否定せずに、いったん相手の話をちゃんと聞くようにするだけでも、従業員との関係性が変わるはずです。
13.自分の関心を世間の関心に合わせている
自分の関心を世間の関心に合わせていることも、社長のあるべき姿の1つです。
経営面で最適な決断を下すには、世の中の動きを知り、環境の変化を読み取る必要があります。
自分の関心と世間の関心が大きくずれていると、世の中の動きと違った方向に事業を進めてしまう可能性があります。
そうならないためにも、世の中のニュースに目を向け、市場の動向を常に追うにしておきましょう。
14.周囲に感謝している
社長のあるべき姿として、「周囲に感謝している」ことも非常に重要です。
従業員がいて、顧客がいてくれるおかげで、会社は成り立っています。
それを忘れて、従業員に対して「働きが足りない!」と言ってしまったり、顧客に対して「ウチの商品を活かせないあんたたちが悪い!」と言ってしまったりしたら、従業員や顧客はあなたの元から離れてしまいます。
そうならないためにも、常に周囲に感謝の気持ちを持つことが大切です。
もちろん、従業員の働きが足りなければ、社長としてキチンと指摘しなければいけない場面もあるでしょう。
そういう場面でも、感謝の気持ちを持っていたら伝え方が変わります。
たとえば、「いつも一生懸命働いてくれてありがとう。君のおかげで事業がうまく進んでいるよ。もっとうまく進めるために、ここをこう改善してくれたら助かるな」という伝え方であれば、従業員も指摘を受け入れやすくなるはずです。
15.同業者の希望になっている
同業者の希望になっていることも、社長のあるべき姿の1つです。
普通に考えれば、同業者はライバルであり、もしかすると蹴落としたい存在であるかもしれません。
ですが、捉え方を変えれば、「互いに業界を盛り上げあう仲間」と考えることもできます。
たとえば、自社の売り上げが伸びたら、普通なら同業者の売り上げは落ちるので嫌がられます。
しかし、業界が縮小傾向にある中で自社が新サービスを開発し、新たな需要を生み出すことで、業界が盛り上がったらどうでしょう?
自社の売上だけでなく、同業者の売上も伸びる可能性があります。すると、同業者からは喜ばれます。もしかすると、業界を救ったヒーローになれるかもしれません。
そうやって同業者の希望の星になれば、同業者からも従業員からも一目置かれる存在になることができます。
まとめ
社長のあるべき姿は、以下の15の項目です。
- 会社の資本を増やす活動をしている
- 経営理念を持っている
- リーダーシップを発揮している
- 従業員を幸せにしている
- 公平公正な評価をしている
- 自分よりも優れた人に働いてもらっている
- 会社の顔である意識を持っている
- 自分自身を磨いている
- 事業やお客様に対する本気の覚悟を持っている
- 決断力を持っている
- 人を育てている
- 謙虚に人の話を聞く姿勢を持っている
- 自分の関心を世間の関心に合わせている
- 周囲に感謝している
これらの項目を1つずつ実践していくことで、より社長としてふさわしい人間になっていくことができます。
従業員もあなたを尊敬し、ついてきてくれるようにもなるでしょう。
そうなるためにも、この記事を参考に、まずはあなたがやりやすいものから1つずつ実践してみてください。