経営者・起業家・リーダーのための仕事の秘訣
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2018.12.06 更新|2018.09.01 公開| 自己成長

嫌いな人との付き合い方|職場での対処法と嫌いのメカニズム

嫌いな人との付き合い方

あなたは、嫌いな人と付き合わなくてはならないのが、とても辛いかもしれません。

「その人と話したくない」「関わりたくない」

その嫌いな人を避けることができたら、どんなに楽なことか・・・。でも、職場や学校など、どうしても関わらなくてはならない場合も多くあります。

もしくは、

「人を嫌いになる自分は、なんてイヤな人間なんだろう」

など、自分を責めてしまうこともあります。

私自身も過去にたくさんの失敗をしてきたし、そのように悩む人を助けられずに悔しい思いをしたこともあります。嫌いな人とどうやって付き合ったら良いのか、なかなか分からないものです。

そこでこの記事では、嫌いな人との付き合い方についてお伝えします。

私がこれからお伝えすることは、1万人の人生の相談に乗ってきた経営コンサルタントの小田真嘉さんに教わった内容です。小田さんは、こうした質問にいつも以下のように答えているそうです。

「嫌いな人がいて、モヤモヤした気持ちなんですね。よかったじゃないですか」
「これで良い方向に進むじゃないですか!」
『嫌い』はあなたが成長するチャンスなのです。

チャンスと聞いて、ビックリされたかもしれません。

しかし、あなたはこれから先も、色々な人と出会うでしょう。その中で、嫌いな人に影響されず、前に進むことができたら、人生はもっと良くなるはずです。

そのためには、『嫌い』に対する定義を変える必要があります。この記事では、なぜ嫌いと感じるのか、嫌いな人とどのように付き合ったら良いのかをお伝えします。

この記事を読んだあなたが、もっともっと輝き、前に進めるように、一生懸命お伝えしたいと思っています。

『嫌い』をチャンスととらえ、成長しようと思うようでしたら、ぜひ、ここから先をお読みください。

『嫌いな人』には二種類のパターンがある

まず、最初に私がお伝えしたいことがあります。あなたがもし、嫌いと思う自分がダメなんじゃないか?と、モヤモヤする気持ちがあるなら、そんな自分を許してあげてください。

誰だって、ダメな自分に絶望します。でも、だからこそ前に進むのです。

そもそも『嫌い』という現象は何なのか、というと二つのパターンがあります。

その嫌いな人の性格・行動・振る舞いのパターンが

  • 自分の中にも『ある』場合
  • 自分の中には『ない』場合

の2つです。

といっても分からないと思うので、具体的にお伝えしますね。

仮に、嫌いな人のイヤに感じる部分が『すぐに感情的なって当たり散らすところ』や、『意見がコロコロ変わるところ』だったとします。

そして、そのイヤに感じている部分が自分の中に『ある』場合は、

  • 自分もイライラしやすいのがイヤ
  • 自分も意見がコロコロ変わりやすいのがイヤ

と、自分の中に短所・欠点・悩みとしてあって、その部分を自分も嫌っています。

例えば、意見がコロコロ変わる自分に

「なんて一貫性がないんだろう」
「なんで継続できないんだろう」
「だからそんな私自身がイヤ!」

と思っていて、そんな時に、優柔不断で意見がコロコロ変わり、一貫性のない人を見て「この人は嫌い!」となります。

自分の心の中で感じている、心の傷や嫉妬、コンプレックスや欠点などが、「自分で中で嫌い」となっていると、同じような性格・行動・振る舞いのパターンを持つ人に対しても「嫌い!」と思ってしまうのです。

そしてもう一つの、自分の中に『ない』場合というのは、

「なんでわざわざ、こんな事をするのか全く理解できない」
「ちょっと考えればできるのに、どうしてやらないんだろう」

と、自分の中に、そういうことをする可能性が全くなくて、理解できない状態です。そしてその人の意見がコロコロ変わったせいで、

「やらなきゃいけない仕事が増えた」
「お客様からの信用を失った」

など、余計な仕事が増えたり、自分が誤解されたり、実質的な被害を受けて「嫌い」になるパターンです。

このように、『嫌い』には自分の中に『ある』場合と『ない』場合の二つのパターンがあります。

ここまで大丈夫でしょうか。

そして、実はこれらの二つの『嫌い』のパターンごとに、異なった付き合い方があるのです。

嫌いな人との付き合い方

自分の中に『ある』嫌いとの付き合い方

自分の中にある嫌いとの付き合い方
嫌いな部分が自分の中にある場合は、自分の中の心の傷や嫉妬、コンプレックスや欠点などを『許して』あげることが大事です。なぜならそうすることで、嫌いな人を許せるようになるからです。

例えば、自分は理解に時間がかかることが欠点だったとします。

仕事を教わってもなかなか覚えられなくて、何度もなんども聞き直してしまう。そんな自分が嫌だ、と思うと、同じように何度も聞き直す人が嫌だ、と思います。

でも自分で「自分にはこういう弱点があるな、だから仕方ない」と自分を許せると、人に対しても許せるようになります。

つまり、これまで「この人の、この部分が嫌い」と思っていた所が、嫌いではなくなるということです。

もし、自分のコンプレックスやトラウマと向き合いたくない、と思う場合は、そんな欠点のある自分を本当の意味で許していない可能性があります。

欠点のない人はいません。欠点があるから人間らしいし、その欠点こそが魅力なのです。

例えばのび太の方が、出木杉くんより魅力的に映るのは、のび太のだらしなさという欠点に親しみを覚えるからです。

別の表現をすれば、人は能力が高いから魅力的なのではありません。弱点・欠点を受け入れて、周りから愛されている人が魅力的なのです。

あなたがもし、自分の欠点をコンプレックスに思っているのなら、自分を許してあげてください。

自分の中に『ない』嫌いとの付き合い方

自分の中にない嫌いとの付き合い方
相手の嫌いな部分が自分の中には『なく』、理解不能な場合は、相手を「認めて」あげるようにして下さい。

ここでいう「認める」とは、「こういう人なんだな」と受け入れる、ということです。

認めるを別の言葉でいうと『諦める』が近い表現です。諦めるというと、一見、ネガティブに感じるかもしれません。が、諦めるの意味は『明らかにして、認める』です。

相手が理解不能で「自分とは違う人!」と避けるようにしたり、無視をしたり、関わらないようにしたりするのではなくて、「ああ、そういう人なんだな」と諦めて、認めて、受け入れる。

先ほどと同じくドラえもんの話をするならば、理不尽な暴力を振るうジャイアンを諦めて認めて、受け入れる、ということです。

だから映画などでは、ジャイアンと協力して活躍しています(笑)

そうは言っても、実際に認めにくい理不尽な人は存在します。

そんな時にどうやって乗り越えたら良いのか、実例をお伝えします。

職場にいる嫌いな人の対処法の実例

ある飲食店で働く女性の話です。

そこでの上司に当たる店長が理不尽すぎる人で、まさにジャイアンと呼ぶにふさわしい人だったそうです(ジャイアン店長と呼ぶことにします)。

本当にその場の感情で言うことがコロコロ変わり、スタッフ全員が困っていました。そこで彼女が作ったのが『店長攻略マニュアル』です。

「月曜日は機嫌が悪いので、相談するなら火曜日がオススメ」
「店長が怒るパターンその1は◯◯、このパターンは聞き流す」
「言うことがコロコロ変わるので、気にしすぎない」

など、攻略マニュアルを、同じく働いていたスタッフと一緒に作りあげ、全員で共有しました(もちろん、ジャイアン店長には見つからないように)。

こうして店長の言葉を受け止め過ぎず、スルーできる様になり、スタッフも定着して働けるようになりました。

店長自身が変わることはありませんでしたが、攻略マニュアルによって店長のイライラが激減しました。

それだけでなく、店長と以前よりも良好な関係を築けるようになった彼女は、店長からとても信頼される様になったそうです。

このように、嫌いな相手を変えようとするのではなく「そういう人なんだ。仕方ない」と、まずは諦めて認めて受け入れます。

その上で自分たちにできる対処を考えることで、良いアイディアが生まれることがあります。

以上のように、嫌いな人との付き合い方は『自分を許す』か、『相手を認める』か、です。そして、この嫌いな人との付き合い方を実践することで、新たな能力が発揮されるのです。

何度もお伝えしていますが、『嫌い』は自己成長のチャンスです。

さて次に『嫌いという感情を通じて自己成長をすること』についてお伝えしていきます。

『嫌い』と付き合うことで能力が発揮される

嫌いを『許す』こと、また嫌いを『認める』ことで自己成長を遂げることが出来ます。

まずは『許す』からお伝えします。

許すがもたらす3つの成長

『嫌い』を許すことで、以下の3つの成長を遂げることが出来ます。

  • 才能が開花する
    心が安定し、人の温かみを感じられる
    人の失敗が許せる心の広さが手に入る

一つずつ見ていきましょう。

『嫌い』を許すと才能が開花する

自分の嫌なところやコンプレックス、心の傷を許していくと、自己肯定感が上がり、結果として才能が開花します。

自己肯定感は何かというと「自分は大切な存在だ」「自分はかけがえのない存在だ」と心が安定した状態のことです。

例えば、事務処理を今まで以上に速く確実に行うことだったり、難しいお客様との打ち合わせの調整役だったり、自分の能力以上の仕事が求められる場合があったとします。

自己肯定感が低いと、自分にはできないと思ってネガティブに考えてしまいます。でも自己肯定感が高いと、

「自分はできる!」
「やっても大丈夫だ!」
「ダメでもやり直せばOK」

と自分にGOサインやOKを出せます。だから難しいことでも勇気をもってチャレンジしようと思います。

例えうまくいかなくても、やり直したり、改善したりできるし、情熱を持って「よし!やるぞ!」と一生懸命に取り組むことができます。

このように自分を許すと自分にOKを出してチャレンジできるので、能力がアップしたり、才能が開花したりするのです。

『嫌い』を許すと心が安定し、人の温かみを感じられる

2つ目です。自分を許そうとする行為は、心を安定させるトレーニングになります。

自分の嫌な部分を許すことで、自己肯定感が向上し、人を許せるようになります。なので、他人にイライラすることが減っていきます。

嫌いな人が近くにいるだけで心が乱れる状態がなくなっていきます。結果、心が安定し、落ち着いてきて満たされます。

心が満たされると、人の温かみをもっともっと感じ取れるようになります。

「この人は、思いやりにあふれているな」
「自分のために、こんなに怒ってくれてありがたいな」
「自分はこんなにも、目を掛けてもらっているんだな」

目の前の人の何気ない声かけや視線に、温もりを感じて、人のつながりにもっと敏感になり、もっと感謝できるようになります。

自分を許すことで、このように心が安定し、人の温かみを感じれるようになります。なのでぜひ、自分を許してあげて下さい。

『嫌い』を許すと人の失敗を許せる

3つ目の成長とは、人の失敗を許せる心の広さが手に入るということです。自分の欠点・失敗を許せる人は、人の失敗も許せるようになります。

人間関係は色々なことが起こります。何も問題が起きずに相手との仲が深まるかというと、決してそんなことはありません。

仕事においても、起きた問題にみんなで協力して真剣に取り組むからこそ、解決につながって、そして信頼関係が結ばれます。

表面的な付き合いや、割り切りなど、自分に嘘をつくと心にゴミが溜まります。心のゴミを溜めたままでは、良い組織にはならないし、良い仕事はできません。

日本人が持っている良さの一つが、水に流すという習慣です。

「まぁ、色々あったけれども、一旦、水に流して仕切り直しましょう」

というものですね。

しかし、水に流そうと思っても、

「だってあのとき、こうだったでしょう!」
「だってあのとき、これやったじゃない!」

と、過去を引きずって前に進めない場合があります。これは、自分のことを許せないからです。

  • 自分を許せるようになると、相手の失敗を許し、水に流せるようになります。
  • 自分を許そうとする行為が、心の安らぎ・落ち着きをもたらします。
  • 自分の能力を前向きに肯定するので、チャレンジできるし能力もアップします。

これが許すによって得られる3つの成長です。

さて次は「認める」がもたらす3つの成長についてです。

それぞれが人生が激変する考え方で、本来なら何時間もかけてお伝えする内容になります。ですが、今回はポイントだけ凝縮してお伝えします。

『認める』がもたらす3つの成長

嫌いを『認める』ことで、以下の3つの成長を遂げることが出来ます。

  • 器が拡大する
    見ている世界が広がる
    アイディアがひらめく

これも一つずつお伝えします。

認めると器が拡大する

人間的魅力がある、と言われる人たちがもつ器とは、言い換えると人を認められる範囲が広いということです。

自分にとっての対局となる意見や感性・感覚を理解しようとすると人間理解が向上し、器が拡大します。

「機嫌が悪いのは、家庭の事情があるのかも」
「約束を守らないのは、もっと重要な約束を守ったからかも」
「これまで言いたくても言えなかったことがあったのかも」

もしくは、相手が伝えたいことが言葉足らずで、あなたが誤解している場合もあります。

こうした、やむを得ない事情や背景が「もしかしたら、あるかも知れない」と思って理解し、認めようとすることが大切です。

その人を認め理解しようとすると

「だったら、このようにしたらいいんじゃないかな」
「こういう風に対処しよう」

相手の気持ちがわかるようになり、人間理解が向上します。そうすると器が大きくなり、人間的魅力が増していきます。

見ている世界が広がる

2つ目の成長は、認めると見ている世界(=可能性)が変わり、広がるということです。

「あの上司はイライラする」
「あの同僚はなんなの!?」

と敵として見ているだけだと状況は良くならないし、良い仕事はできません。そこでその人を認め・受け入れることで、その人を含めた組織全体の範囲で考えるようになります。

「じゃあ自分が嫌いな上司に、こうしてあげたら組織はもっと良くなるのでは?」
「あの嫌いな同僚と、みんなもっとうまく関わるにはどうしたら良い?」

と、組織のために考えることで、一段も二段も高い視点となります。こうした高い視点は『視座が高い』と言います。

視座が高いとは、視野が広いことです。なので、もっと良いアイディアが生まれたりします。

つまり、

  • もっと自分が動ける可能性
  • もっと考える可能性
  • もっとひらめく可能性

が広がり、見ている世界が変わり、自分の可能性が広がるのです。

認めるとアイディアがひらめく

3つ目です。自分が理解できない反対の意見とぶつかり合うことで、今までにないアイディアがひらめくようになります。

伝えることが難しいので、例え話でお伝えします。

ある職場で、いつも愚痴をこぼしたり、ネガティブな発言をする女性がいて、上司が困っていました。

目の前の人の意見を、とにかく潰しにかかるような嫌な人で「いなくなって欲しい」と、みんなが思っていたのです。

上司は「もう仕方ない」と彼女の性格を認めて、受け入れました。その時、ネガティブな視点の活用法を思いついたのです。

それは、客先に出す重要な資料の最終チェックを行うことでした。

すると、誰もが問題ないと判断していた資料が、彼女が見ると、ダメな部分が見えてきたのです。

彼女は、普段から否定的に物事をみる癖がついているので、資料の至らない点を発見することが得意だったのです。

彼女に最終チェックを依頼し、改善点を見つけることで、その資料は非常に高評価となりました。

このように、ネガティブな人を認めて受け入れて、反対側の意見を取り入れることも考えてみて下さい。今までの基準では思いもしなかったアイディアがひらめく場合があります。

敵も見方を変えれば、味方になるのです。

このように認めることで得られる3つの成長は人生を激変する大きな要素なので、普段から意識してみてください。

「嫌いな人と付き合う」のは成長できるチャンス

私が伝えたいのは、その人を嫌いと思った時は、チャンスだ!と考えて欲しい、ということです。

「あの人が嫌い」と感じるところは、実は、そう感じた分だけ自己成長できる可能性があるからです。

自分の「嫌い」を許すことで、嫌いな人を許せるようになるだけでなく、自分の才能が開花し、幸福度が増します。

そして、人間関係が豊かになります。人間関係の基礎は「認める」と「許す」です。

  • どれだけ、その人を認めることができた?
  • どれだけ、その人を許すことができた?
  • どれだけ、その人から認められている?
  • どれだけ、その人から許されている?

こうしたお互いのやりとりの量が絆となります。嫌いという感情は、人間関係を豊かにするためのスタートラインなのです。

そうして「認める」「許す」をたくさん行うことで、良い組織・チーム・家族に成長します。このようなチームだからこそ、助け合って良い仕事ができます。

もし、あなたに嫌いな人がいるのなら、その先に大きな世界が広がっています。『嫌い』の向こう側に進む勇気を持って進んで行きましょう。

それが良い未来を作って行くのですから。

小田真嘉(おだ まさよし)

監修・小田真嘉(おだまさよし)

経営者とリーダーの相談役(歴18年目)。創業450年の老舗企業から革新的ベンチャーまで4000社以上をコンサル。人生のどん底を何度も経験し、あらゆる成功の闇に直面したことから、生きる意味と働く目的を探究。1万人との対話と師の教えから仕事・会社・家庭の「成長4段階説(4つのステージ)」を体系化。複数の企業顧問も務めながら、仕事と人生のステージを上げるための経営コンサルティングとビジネス講座を行う。働き方と生き方の次元を一気にあげる会員制ビジネスコミュニティ「NEXT DIMENSION」を主催。