「悪銭身につかず」の意味や事例も紹介|富の増やし方についても解説
「悪銭身につかず」とは、悪いことや賭け事で得たお金は、どうでもいいことにどんどん使ってしまい手元に残らない、という意味です。
真面目に働いて稼いだお金はちゃんと貯まる、という教えも含まれています。
この記事を読んでいるということは、テレビや本などで「悪銭身につかず」という言葉を知り、その正しい意味を知りたくて検索したら、当サイトに辿り着いたのではないでしょうか。
この記事では、「悪銭身につかず」の意味や由来、具体例などをより詳しくお伝えしていきます。
また記事の後半では、富が増える正しいお金の稼ぎ方や使い方等もお伝えします。さらに「稼いだお金が無くなってしまう原因」についてもお伝えします。
この機会に、お金に対するリテラシーを今以上に高めていきましょう。
目次
1.「悪銭身につかず」の読み方
「悪銭身につかず」の読み方は「あくせんみにつかず」です。
2.「悪銭身につかず」の意味
広辞苑での「悪銭身につかず」の意味は、以下の通りです。
不正な所得は無駄に使ってしまいがちで、結局は残らないものである。
引用元:広辞苑無料検索
2-1.「悪銭」の意味
「悪銭」には2つの意味があります。
- 悪いことをして手に入れたお金
- 品質の悪い貨幣
1には、競馬やパチンコなどのギャンブルや宝くじで得たお金も「悪銭」に含まれる説があります。
2については、現代の日本においては品質の悪い貨幣はほとんどありません。品質の悪い貨幣を「悪銭」というのは過去の名残です。
室町時代から江戸時代にかけて、貨幣を私的に鋳造するものが現れました。
その貨幣は幕府が発行する貨幣と比べると、字が潰れて判別できないものや穴が開いていないものなど非常に粗悪なものが多かったため、「鐚銭(びたせん)=粗悪な貨幣」と呼ばれていました。
当時はこれを「悪銭」とも呼んでいました(参照:Wikipedia)。
2-2.「悪銭」の具体例
現代における「悪銭」とは、具体的には以下のお金のことを言います。
- 盗んで得たお金
- 不正をして得たお金
- 競馬やパチンコなどのギャンブルで得たお金
- 宝くじで得たお金
- ラクして簡単に得たお金
3.「悪銭身につかず」の例文
「悪銭身につかず」の例文は以下の通りです。
- あの人はお客を騙すような商売をしていたようだが、悪銭身につかずと言うように、自分も騙されてほとんどのお金を失ったらしい。
- 競馬で大穴を当てたけれど、悪銭身につかずで次の日に全額パチンコで負けてしまった。
- 母親から「悪銭身につかずだから、真面目に働くのよ」と教えられた。
- 宝くじで高額当選する人は9割以上がのちに破産する。悪銭身につかずということだ。
- 渋るお爺ちゃんにねだって貰ったお小遣いはすぐになくなってしまう。悪銭身につかずだね。
4.「悪銭身につかず」が本で使われていた事例と意味解説
まして非道をして拵へた貨かね、そんな貨が何の頼になるものですか、必ず悪銭身に附かずです。無理に仕上げた身上は一代持たずに滅びます(尾崎紅葉 『金色夜叉』)
ここでいう「非道」とは、人の道から外れたこと、という意味です。
つまり、正当ではない方法で手に入れたお金を手に入れた相手に対して、嘆き・怒りを伝えるために「悪銭身につかず」という言葉が使われています。
堅気の庶民が乱世の荒波にもみまくられて、体裁ととのわず、投機的になり、その日ぐらしのヤケな気持になっているとき、裏街道で悪銭のもうかる愚連隊の中のちょッと頭のきく連中が、悪銭身につかずという古来のモラルをくつがえして、せッせと貯金し、家屋敷をかまえ、身に礼服をまとい、ヤブレカブレの堅気連中に道義も仁義もないのを嘆いているかも知れないのである。ヨタモノもモラルをくつがえす。(坂口安吾 『街はふるさと』)
『街はふるさと』では、「ちょっと頭のきく人が、上手いことお金を稼ぎ、そのお金を貯金して家や洋服を揃えてしまう」ことを「悪銭身につかずという古来のモラルをくつがえして」と表現しています。
「普通なら悪銭なんだから身につかないはずなんだけど、上手くやって悪銭を身につける人もいるかもね」というニュアンスで使われています。
いつも、しこたま、まうけてゐる。けれども、悪銭身につかぬ例へのとほり、酒はそれこそ、浴びるほど飲み、愛人を十人ちかく養ってゐるという噂(太宰治『グッド・バイ』[1949])
「グッド・バイ」の中では悪銭身に付かずの例が書かれています。浴びるほどお酒を飲み、愛人を10人近く囲っていたらお金が無くなった、という話です。
ここでいう「いつも、しこたま、まうけてゐる(儲けている)」のは、闇商売の手伝いなのです。まさに「悪銭」です。
5.「悪銭身につかず」の対義語
悪銭身につかずの対義語は「正直の儲けは身につく」です。
「正直の儲けは身につく」の意味は、「まじめに働いて稼いだお金は、むだに使うことがないので、儲けが自分のものになる」ということです(参考:ことわざ学習室)。
6.「悪銭身につかず」英訳・英訳パターン
「悪銭身につかず」は英訳で多いのは以下です。
- Ill got, ill spent.(不当な手段で得たものは不当に使われる)
- Easy come, easy go.(簡単に手に入るものは、簡単に失う)
- lightly comes, lightly goes.(軽く来たものは、軽く出ていく)
- soon gotten soon spent.(早く儲けた金は早く無くなる)
この中で「悪銭身につかず」の意味に一番近いのは「Ill got, ill spent.(不当な手段で得たものは不当に使われる)」です。
「Easy come, easy go.(簡単に手に入るものは、簡単に失う)」など他の3つも間違いではないのですが、これらには「不当な」というニュアンスが含まれていません。
「悪銭身につかず」は英訳では「Easy come, easy go.」が多く使われます。ですが、欧米の人にニュアンスまで伝えるには「Ill got, ill spent.」を使ったほうが伝わります。
以上、悪銭身につかずの一般的な意味をお伝えしました。
続いて、そもそも正しいお金の稼ぎ方や使い方とは何かについてお伝えします。
7.富が増える正しいお金の稼ぎ方
富が増える正しいお金の稼ぎ方は、周りの人に価値を提供し、お金を受け取るようにすることです。
ここで言う「周りの人」とは、自分でビジネスをされている場合はお客様や従業員、会社にお勤めされている場合はお客様や会社です。
価値を提供するときには、圧倒的な価値を提供するようにします。
当サイトの監修者である小田真嘉さんは以前、「私は、受け取るお金の10倍の価値を提供するようにしています」と言っていました。
月20万円の給料をもらうなら200万円以上の利益を生むような働きをして、お客様に10万円の商品やサービスを提供するなら100万円以上の価値を感じてもらえるように誠心誠意フォローする、という意味です。
結果、周りから感謝され、新たな仕事が回ってきて、さらに人に圧倒的な価値を提供することでまた新たな仕事が回ってきて…という、富が増える循環が起こっていきます。
まずは「周りに10倍の価値を提供するぞ!」という意識を持つことが重要です。
8.富が増える正しいお金の使い方
富が増える正しいお金の使い方は、惜しまず、もったいぶらず、人に喜ばれるお金の使い方をすることです。
あるセミナーで小田さんは「お金には”出入口の法則”があります」と言っていました。
出入り口の法則とは、お金は出ていくのが先、入ってくるのが後という法則です。
まずは、惜しまず、もったいぶらず、人に喜ばれるようにお金を使う。結果、人に感謝されて、新たな出会いが生まれたり、新しい仕事の話が回ってきたりなど、お金が入ってくるようになります。
もしかするとここで「お金を先に出せばいいなら自分の好き放題使っちゃえ」と思うかもしれませんが、自分の楽しいことだけにお金を使っても富は増えません。
7章でお話した通り、お金を増やすには「周りへの価値提供」が必要だからです。
周りに価値を提供するようなお金の使い方をすることで、お金は増えていくようになります。
9.稼いだお金が無くなってしまう原因
稼いだお金が無くなってしまう原因はいくつか考えられますが、ここでは「ストレス」についてお伝えします。
小田さんは、「稼いだお金がすぐに無くなってしまう人には【お金の法則】が働いている」と言います。
お金の法則とは、ストレスを感じて手にしたお金はストレス発散に使われるというものです。
たとえば、1日8時間働いたとして、そのうち3時間ストレスまみれだったとします。このとき月収が30万円だとしたら、3/8×30万円=11万2,500円をストレス発散に使ってしまいます。
収入を上げようとしてもストレスも一緒に増えてしまったら、ストレス発散に使う金額も増えてしまい、稼いでも稼いでもなかなかお金は増えません。
小田さんは、「ストレスを減らして働くポイントは、人間関係にある」と言います。いい人と働けば、心が豊かになり、ストレスもなくなっていきます。
なので、富を増やすためにも良い人と働くことが重要です。
以上、これを機に富を増やすお金の稼ぎ方と、お金の使い方についても意識してみて下さい。
まとめ
「悪銭身につかず(あくせんみにつかず)」の意味は「不正な所得は無駄に使ってしまいがちで、結局は残らないものである」です。
不正などせず、真っ当に、お客様に圧倒的な価値を提供して稼ぎ、かつ周りが喜ぶことにお金を使い、富を増やしていきましょう。