部下育成力まとめ|できる上司・先輩になり、組織力も高める方法
「初めて管理職に昇進したが、どう部下を育てればいいかわからない」
「頑張って指導しても出来ない部下がいるんだけど、どうしたらいいものか…」
という悩みにお答えしていきます。
そもそも部下育成は難しくて当然です。
会社の部下育成マニュアル通りに部下を指導したとしても、うまくいかないことはたくさんあります。
なぜなら人は、ひとりひとり性格も考え方もスキルも違うからです。
特に年齢が10歳も20歳も下の後輩を指導することになると、世代間ギャップで知識も価値観も大きく異なり、普通のコミュニケーションを取ることすら難しく感じることもあるかもしれません。
だからといって部下育成ができないと、社内での評価は上がりません。
逆に、多くの人が部下育成苦しむ中で、あなたに育てられた部下はどんどんできる社員になっていったら、あなたの評価はどんどん上がります。
あなたの部下が仕事をできるようになれば、仕事がスムーズに回るようになり、成果もたくさん出るので、あなたも部下も会社から評価されるようになるのです。その上、部下からも慕われるはずです。
そこでこの記事では「部下育成力を高める方法」を網羅していきます。
あなたの部下育成力を高め、あなたも部下も評価されるような組織を作るために、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.部下育成の5つの最重要ポイント
部下育成でこれだけは絶対に抑えるべき重要なポイントは5つあります。
- 部下育成の計画を立てること
- 一人一人の部下に合わせた目標を設定すること
- 自分自身が部下育成に必要なスキルを身につけること
- 一人一人の部下とよくコミュニケーションを取ること
- 育成計画や自分の考えを部下に押し付けすぎないこと
これら5つのポイントがしっかり実践できていれば、部下育成で大きく失敗することはありません。
1つずつ詳しく解説していきます。
1-1.部下育成の計画を立てること
部下育成で最も重要なのは、部下の育成計画を立てておくことです。
育成計画もなしに、場当たり的にできそうな仕事を振り、とりあえずやりながら仕事を覚えてもらうというような育て方では、仕事のやり方は覚えてくれるかもしれません。しかし、その場しのぎのスキルや知識しか身に付きません。
「この人には3年後には責任のある仕事を一人で任せられるようになり、5年後には新人のOJTを担当できるようになり人を育てる感覚を覚えてもらい…」というように計画を立てることで、長期的に会社に役に立つ人材としてスキルや知識を身につけていってもらうことができます。
1-2.一人一人の部下に合わせた目標を設定すること
部下育成では、ひとりひとりの部下に合わせた目標を設定することも重要です。
ただ実際は、育成計画は「この部署に配属する新人はだいたいこういう流れで育てていこう」という感じで、会社都合で決まってしまう場合も少なくありません。
会社が繁栄・繁盛していくために「こういう人材が必要だ!」と求める人材が決まっていることもあるからです。
その通りに育てば会社に貢献できるので、会社都合で育成計画を決めることは悪いことではありません。
しかし、冒頭でも少し述べたように、部下はひとりひとり性格も考え方もスキルも違います。
これまでの経験や知識、仕事へのモチベーション、価値観も全然違うでしょう。
だからこそ、できる限り育成計画通りに進めていくためにも、部下ひとりひとりの状況に合わせて目標を設定し、ちゃんと育っていくようにサポートする必要があるのです。
1-3.自分自身が部下育成に必要なスキルを身につけること
部下を育てていくには、あなたも部下育成に必要なスキルを身につけていく必要があります。
自分自身がプレイヤーとして仕事をこなすスキルと、部下育成する気は全くの別物です。
部下は仕事をこなすスキルを身につけていき、あなたは部下を育てるスキルを身につけていく。
そうやって、一緒に成長していくことが大事です。
部下育成に必要なスキルについては、この記事の3章でお伝えします。
1-4.一人一人の部下とコミュニケーションをよく取ること
部下育成においては、仕事を振り、仕事を教えるだけでなく、部下のひとりひとりとコミュニケーションをよく取ることが重要です。
かといって、「若手とコミュニケーションをとるために飲み行くぞ!」というのでは、最近の若手はついてきません(リクルートの調査によると、30代以下の約4割が今後の飲み会に参加したくないそうです)。
なので、部下とコミュニケーションを取るには、社内でちゃんとコミュニケーションを取ることが重要です。
また、どのようなコミュニケーションを心がければ良いかも、この記事の3章でお伝えしているので、のちほど確認してみて下さい。
1-5.育成計画や自分の考えを部下に押し付けすぎないこと
部下の育成をしていると、計画通りに部下がスキルを身につけてくれなかったり、自分の考えとは違うやり方で仕事を進めたりすることもあります。
そのときに重要なのは、育成計画や自分の考えを押し付けすぎないことです。なぜなら、無理な押しつけは相手にストレスを与えてしまいますし、関係もぎくしゃくしてしまう原因にもなってしまうからです。
部下に対して「早く仕事ができるようになって活躍してほしい」という気持ちがあるからこそ、いろいろ言いたくなってしまう気持ちもわかります。
しかし部下も、頭ごなしにいろいろ言われても素直になることはできません。
部下も「こうしたほうがいいんじゃないか」と、仕事のことや上司であるあなたのことを考えて自分なりに工夫したりしているからです。その気持ちを汲み取りつつ、自分の考えや計画を伝えていくことが大切です。
以上が「部下育成の最重要ポイント5つ」でした。
ここから先は、上で紹介した5つのポイントを、さらに具体的にかつ今すぐ使えるように方法論をお伝えしていきます。
2.部下育成の計画の立て方&目標設定方法
部下の育成計画の立て方やひとりひとりの目標設定は、正しい手順で行えば難しいものではありません。
ここでは、育成計画を立てるところから、部下ひとりひとりの目標設定をするところまで必要なことを、5つの章に分けてお伝えします。
2-1.部下育成の計画は「人材戦略→現状把握→目標設定」の順番
部下の育成計画を作る順番は「人材戦略→現状把握→目標設定」です。
人材戦略は、これから会社に必要になる人材を考えます。
たとえば、将来的に「顧客と信頼関係を作り、契約を結べるようになる人材」などです。
育てたい人材像が決まったら、まずはそれを元に育成計画を作ります。
- 1年後:社内ルールを覚える。会社員としてのマナー、心得を身につける
- 2年後:上司のサポートがあれば業務を遂行できる
- 3年後:ほぼ一人で業務を回していくことができる
- 5年後:顧客と信頼関係を作り、契約を結べるようになる
次に育成する部下の現状把握を行います。
今の部下が持っている知識やスキル・経験、また本人が伸ばしていきたい能力などもちゃんと聞いておきます。
その上で、部下と一緒に「まずこの半年はこの目標にしよう」という感じで目標設定をしていくと、会社の人材戦略にも合致し、なおかつ部下も納得できる育成計画を作ることができます。
2-2.会社都合だけの目標設定では部下は動かないことを心得る
会社都合だけの目標設定では部下は動かない、というのは覚えておいた方がいいです。
たとえば、部下の1年目の育成計画は「社内ルールとマナーを覚える」だとしましょう。
しかし部下が「1日でも早く自分がリーダーとなって仕事を進めていきたい!」と思っていたら、実践的な仕事をどんどんこなしていきたいはずです。にもかかわらず、雑用ばかりしか任されなかったら不満に感じるものです。
結果、部下のモチベーションや成長機会を奪ってしまうことにもつながります。
なので、ちゃんと部下の要望も聞きつつ、目標を設定していくのが部下を動かす秘訣です。
2-3.部下の成長段階に合わせた目標を設定する
部下の目標設定は、育成計画に合わせるのではなく、部下の成長段階に合わせて、都度設定していくことが重要です。
なぜなら部下の成長はひとそれぞれ違うため、目標によっては部下の実力が足りずにパンクしてしまうことがあるからです。
たとえば、育成計画では「3年目はほぼ一人で業務を回していくことができるようにする」だったとしましょう。しかし、2年目を終えた段階でも、業務をスムーズに回すのに上司のサポートがまだ必要だというケースもあります。
そんなときには、部下の成長段階に合わせて、3年目も「上司のサポートがあれば業務を遂行できる」ことを目標に設定しましょう。
もちろん、目標を下げてばかりだといつまでたっても会社に貢献できないので、「頑張れば越えられる」という目標にすることが重要です。
2-4.目標設定の例文
目標設定の例文を紹介します。
目標設定で重要なことは、できる限り数値化し、後に目標の達成具合などをきちんと定量化できるようにしておくことです。
2-4-1.営業職の場合
営業職の場合は、売上金額や新規顧客獲得数などを目標にします。
- 例:2019年前期は新規顧客を30社獲得する
2-4-2.事務職の場合
事務職の場合は、業務にかかる時間などを目標にします。
- 例:2019年前期は経費処理にかかる時間を10%削減する
2-4-3.エンジニアの場合
エンジニアの場合は、開発や改善などを目標にします。
- 例:2019年前期は装置の処理速度を10%向上させる
2-5.部下育成の最優先事項は「部下をよく見ること」
育成計画を立て、目標を設定していくときに最も重要なことは「部下をよく見ること」です。
部下のことを見ずに育成計画や目標設定を作ってしまうと、「あぁ、どうせ私のことをちゃんと見ようとしてくれないんだな」と部下に思われてしまいます。
すると、部下のやる気が下がり、計画通りに部下が育たなくなってしまいます。
なので、どんなに忙しくとも、部下のことを普段から気を配り、何ができていて何ができていないかそれとなく見た上で、新たな目標を部下と一緒に設定しておくことが、結果として一番部下を成長させていくことになります。
以上が、「部下育成の計画の立て方&目標設定方法」でした。
続いて、「部下育成に必要なスキル」をお伝えします。
3.部下育成に必要な2つのスキル
あなたが部下育成をうまく進めるために必要なスキルは以下の2つです。
- 話を聞きだすコミュニケーションスキル
- やる気を引き出すスキル
部下育成を任されるということは、プレイヤーとしてある程度の結果を残している人が多いと思います。
ですが、プレイヤーとしてのスキルと、管理職として部下を育てるスキルというのは全く異なります。
部下を育てるにはこの2つのスキルがないとうまくいかない、と言い切れるほど重要なスキルなので、ぜひ身につけて出来る部下をどんどん輩出してもらいたいなと思います。
では、1つずつ解説していきます。
3-1.話を聞きだすコミュニケーションスキル
部下から話を聞きだすコミュニケーションスキルは特に重要です。
なぜなら、「部下が今何に困っているのか?」ということがわかっていないと、いくら部下を指導したとしても的外れな指導になってしまうからです。
部下から話を聞きだすのに一番カンタンなのは「どう?最近困っていることある?」と軽い感じで聞くことです。
雰囲気として「忙しそうとか遠慮せずに、いつでも相談していいよ」という感じで居ることで、部下も自然と仕事で困っていることを相談しやすくなります。
3-2.やる気を引き出すスキル
部下のやる気を引き出すスキルも重要です。
仕事でミスをしたときには誰だってやる気が下がるものです。
特に1・2年目くらいの若手だと、「周りの先輩がバリバリ仕事をこなしているのに、自分はちょっとした雑用くらいでミスって周りに迷惑かけて…」と落ち込むこともあります。
そんなときに部下のやる気を引き出すには、「部下のできているところ」を見つけて褒めてあげるのが一番です。
「たしかに書類の内容は間違っていたけど、書類を仕上げるところまではとりあえずできるようになったじゃん。あともうちょっと頑張れば大丈夫!」という感じでミスを責めずに、励まして背中を押してあげれば、部下のやる気はどんどん引き出されるはずです。
4.具体的な仕事の振り方・部下が育つ環境づくり
実際に部下を育てていくには、具体的にどうやって仕事を振るかも重要な要素です。
部下に仕事を振るときには以下の3つが重要だと考えます。
- 部下のレベルに合わせた「ちょっと困難な」仕事を振る
- 仕事の全体像を見せる
- 「教える・フィードバックする・考えさせる」をセットにする
1つずつ詳しくお伝えしていきます。
4-1.部下のレベルに合わせた「ちょっと困難な」仕事を振る
部下を育てるには、その人にとって「ちょっと困難な」仕事を振ることが重要です。
人は自分ができることだけを繰り返していてもスキルアップしません。
部下はちょっと困難な仕事を任されることで、「どうやったらできるか?」を考える癖がつき、自分ができない事や未知の案件を乗り越える感覚を身につけていくことができます。
4-2.仕事の全体像を見せる
仕事を振るときには、その仕事の全体像を部下に見せることも重要です。
たとえば、自社商品の取扱説明書の作成を部下に任せるとしたら、取扱説明書の作り方だけを説明するのではなく、取扱説明書を作る仕事が全体の中のどういう部分を担っていてどれだけ重要かということも伝えるのです。
そうすることで部下は責任をもって仕事を進めやすくなります。
また、部下が仕事の全体像を意識することで、「自分は重要な仕事をしている」という自己重要感を高めることにもなり、やる気にも繋がります。
4-3. 「教える・フィードバックする・考えさせる」をセットにする
部下に仕事を振るときは「教える・フィードバックする・考えさせる」をセットにします。
まず、部下に仕事のやり方を教えます。あなたが部下に仕事を教えると、部下は仕事をこなしてあなたに報告してくるはずです。
そしたらあなたは部下の仕事内容をチェックし、必ずフィードバックするようにしましょう。
すると部下には「今回の仕事でちゃんとできていた部分はどこか?」「逆にできていなかった部分はどこか?」がちゃんと伝わります。
その上で部下に「次の仕事でもっとうまく仕事ができるようにするにはどうすればいいか?」を考えてもらうのです。
この「教える・フィードバックする・考えさせる」の3ステップを、仕事毎に繰り返していくと、部下はどんどん仕事ができるようになっていきます。
5.実際の場面でのコミュニケーションの取り方
部下の現状把握をするにも、一緒に目標設定するにも、仕事を教えてフィードバックするにも、部下とちゃんとコミュニケーションをとれることが重要です。
コミュニケーションが取れなければ、あなたから部下への一方通行の指示だけになってしまい、部下は「言われたことだけをやるマシーン」になりかねません。
主体的な部下を育てるためにも、部下とのコミュニケーション方法は確実に押さえておきましょう。
5-1.部下とのコミュニケーションの取り方
部下とのコミュニケーションで一番重要なことは『傾聴』です。
傾聴とは、相手をよく聞き受け止めることを言います。
上司と部下の関係だと、ついつい部下のできていない部分ばかりが目に付いてしまうことがあります。そして、ちょっとでも部下が間違ったことを言うと、部下の言葉を遮り「それは違う、正しくはこうだ」ということを言ってしまいがちです。
そうなると部下は「この人には話を聞いてもらえない」と思うようになり、考えていることを伝えてくれなくなってしまいます。
部下が考えていることを伝えてくれなくなると、部下が何をわからないか、何に悩んでいるかがわからなくなり、身につけて欲しいスキルが身に付いているかもわからなくなってしまいます。
すると、部下育成がうまくいかなくなってしまいます。
上司であるあなたは会議に追われ時間がないこともあると思うので、ずっと部下の話を聞きましょう、とは言いません。
ですが、時間がなくても面倒臭くても、「少しでも話を聞くようにしよう!」と意識しているだけでも雰囲気が変わり部下も話をしやすくなるはずです。
『傾聴』する意識を強く持ちながら部下とコミュニケーションを取りましょう。
5-2.OJTでの関わり方
入社3年目~5年目になると後輩のOJTを任されて、先輩として初めての後輩指導に当たることもあるでしょう。
そんなときに先輩として後輩とどうコミュニケーションを取ればいいかというと、次の4ステップで関わっていくのがオススメです。
- やっている仕事の全体像を説明する
- 仕事を目の前でやって見せる
- 仕事のやり方を説明する
- 仕事をやらせてみる
- フィードバックする
OJTの場合、後輩と年齢が近いことが多いので距離感も近くなることが多いはずです。
距離感の近さを活かして、仕事をしながら世間話(趣味とか恋愛とか)をしたりをすると、後輩からも「相談しやすい先輩」だと頼られて、良い関係を作っていくことができます。
5-3.管理職の立場での関わり方
管理職の立場から部下育成に関わる場合、部下の年齢は10歳も20歳も下のことがあります。
正直、普通に世間話をしようと思っても、価値観も経験も違い、話が合わないことが多いでしょう。
なので、無理に距離を詰めたり仲良くなろうとする必要はありません。
それよりも、「仕事で失敗しても全責任は全部私が背負うから思いっきりやれ!」と器の大きい上司で居ようとすることで、部下に安心感を持ってもらうようにすることが重要です。
信頼できる上司に対してなら、友達のような仲良しさがなくたって、ちゃんと仕事の相談をしてくれるようになるからです。
いい意味で距離を取りながら見守るようなポジションで関わるようにしましょう。
5-4.部下から見る理想の上司像
エン転職の「上司と部下」意識調査によると、尊敬する上司の特徴は以下の3つです。
- いざというとき部下を守る
- 指示、指導が的確
- 知識や経験が豊富
この3つの内容は、この記事でここまで伝えてきた内容でした。
この記事の内容を実践していけば、自然と部下が尊敬する上司になれるはずです。
続いて、部下の育成に失敗してしまうパターンも抑えておきましょう。
6.部下育成の失敗パターン
部下育成には失敗パターンもあります。
以下の3つの失敗パターンを避けるようにするだけで、部下育成の成功確率は大幅に上がります。
- できる部下を放置し、できない部下の指導ばかりに集中する
- 過保護に育てようとしすぎる
- 上から目線・機嫌で指示が変わるなど上司としての心構えができていない
1つずつお伝えしていきます。
6-1.できる部下を放置し、できない部下の指導ばかりに集中する
部下育成をしていると「みんなができる人になって欲しい」という想いで出来ない部下の指導に時間を割く人がいますが、これは失敗パターンです。
ひとりひとり丁寧に指導していたとしても、どうしてもできる部下とできない部下に分かれてくることがあります。
そういうときに重要なのは「できる部下の指導時間を削らない」ことです。せっかくできる部下がいるのに、できない部下にばかりに時間を使い、できない部下を伸ばさないのは本当にもったいないです。
だからといってできない部下を放置しろということではありません。ただ、できない部下ばかりに時間を割いてしまうと会社の売上に貢献出来ません。
ここでお伝えしたいのは、できる部下を放置しすぎないように気を付けましょう、ということです。
6-2.過保護に育てようとしすぎる
部下育成をすると言っても、失敗しないように守りながら大事に育てるというのは逆に部下の成長を妨げます。
人は失敗から学び成長していきます。
過保護に育てようとし失敗の機会を奪うのは、部下のレベルアップの機会を奪ってしまうのと同じです。
失敗しないように部下を守るのではなく、失敗した部下を体を張って守るようにする方が部下は成長していきます。
6-3.上から目線・機嫌で指示が変わるなど上司としての心構えができていない
上から目線で部下に指導し、仕事の指示は気分によって変わる、というのは最悪です。
仕事は本来、お客様のためや会社の利益のために行うものですが、上司が気分によってコロコロ指示を変えていたら、部下は「上司の機嫌を損なわないように仕事をしようと考えるようになります。
これではいつまでたっても本当の意味で仕事ができるようになりません。
部下を奴隷のように扱うのではなく、ちゃんとひとりの人間として向き合うようにするのが大切です。
7.出来ない部下、厄介な部下への対策
部下育成をしていると、どうしても仕事ができない部下や性格的に難ありの厄介な部下を抱えることもあります。
そういった部下への対策は「相手のできる部分・良い部分を見つけ、それを活かすこと」です。
全く何もできない人は世の中にはいませんし、パッと見性格に難ありの人も会社以外では普通に友人がいることが多いです。
つまり、仕事ができない部下も厄介な部下も、会社の中でうまくやれていないという可能性が高いのです。
なので、部下の良いところを探し、会社の中で良い部分を活かせるように仕事のやり方を一緒に考えていけば、今は仕事ができなくても今後自分の強みを生かし仕事をこなしていけるようになっていきます。
そのために、指導する側は「この人の良いところはなんだろう?」と、常に良いところ探しをするのが重要です。
出来ない部下や厄介な部下にはついつい「この面倒なヤツはいったいどうしたらいいか」と考えてしまいがちですが、そう考えると相手の良いところは見えなくなってしまいます。
すると、部下は会社で自分の強みを生かすことがずっとできなくなり、できない部下のままになってしまうのです。
あなたは、「指導する部下には仕事ができるようになってほしい」と思っているからこそこの記事を読んでいるのだと思います。
なので、できない部下にイラっとすることもあるとは思うのですがそれはいったん飲み込んで、部下の良い部分探しをしてみましょう。
8.部下育成に関する本
最後に、部下育成に関するオススメの本を3冊ご紹介します。
1冊でもいいので読んでみると、部下育成のための知識やスキルがさらに身に付くはずです。
9.まとめ
部下育成を成功させ、自分の評価も組織力も高める方法をお伝えしました。
ここまでお伝えした要点を3つにまとめると以下です。
- 部下と密にコミュニケーションを取ること
- 部下の考えも尊重しながら仕事を進めていくこと
- 部下の成長度合いに合わせた育成計画・目標を都度作っていくこと
会社の育成計画や上司の都合を押し付けず、きちんと部下と対話しながら進めていけば、部下の育成は順調に進められるはずです。
部下が順調に育てば、組織力が高まり、多くの仕事をこなせるようになり、あなたの評価もどんどん上がるでしょう。
1つでもいいから部下育成がうまくいく方法を実践して、できる部下を育てていってください。