経営者・起業家・リーダーのための仕事の秘訣
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2020.02.17 更新|2020.02.17 公開| 仕事・ビジネス

事業計画の考え方6つのステップ|これで事業計画が作れます!

事業計画の考え方6つのステップ|これで事業計画が作れます!

「事業計画の考え方がわからない」

「なんで事業計画を考える必要があるの?」

そのような悩みや疑問にお答えしていきます。

新しい事業を始めるときに、事業計画を作っているかどうかで成功確率は大きく変わります。

事業が成功する計画を作れれば、あとは実際に計画に沿って事業を動かしていくことで、事業がうまくいきます。

もちろん、全てが計画通りに進むことは稀ですが、事業計画に沿った試行錯誤を行うことで、当初の予定から大幅にズレていくことはなくなるでしょう。

仮に事業が失敗してしまったとしても、取り返しのつかないダメージを負う前に撤退の判断をしやすいはずです。

しかし、事業計画を考えずに事業を始めてしまうと、そうはいきません。

場当たり的な試行錯誤で手間ばかりが増え、仕事が増えた従業員は不満を溜めてしまう可能性があります。

事業の撤退ラインも不明確なため、撤退の判断を誤り、他事業に影響を及ぼすような取り返しのつかないダメージを負ってしまうかもしれません。

そうならないためにも、新しい事業を始めるときには、事業計画を考えておくことが重要です。

そこでこの記事では、以下の3つのことをお伝えします。

  1. 事業計画を作る6つの目的
  2. 事業計画で考えるべき5つのこと
  3. 事業計画の考え方6つのステップ

最後まで読んでいただければ、事業計画の考え方がわかるようになっているはずです。

それではまずは、「事業計画を作る目的」からです。

事業計画を作るメリットは非常にたくさんあります。

1.事業計画を作る6つの目的

第1章では、「事業計画を作る目的」として、以下の6つを紹介します。

  1. 商品やサービスに関するアイデアをまとめるため
  2. 新しい事業の進め方を決めるため
  3. 市場分析を行うため
  4. 事業の進捗状況を常に確認するため
  5. 社員やスタッフに事業の方向性を示すため
  6. 資金調達をしやすくするため

1つずつ詳しくお伝えしていきます。

1-1.商品やサービスに関するアイデアをまとめるため

事業計画を作る目的の1つ目は、「商品やサービスに関するアイデアをまとめる」です。

新しい事業を始めるときには、「この商品なら売れる!」「このサービスなら顧客に喜んでもらえる!」といったアイデアを持っていることでしょう。

しかし、頭の中で作っただけのアイデアには、意外と見落とされている部分もあるものです。

たとえば、製造コストが高くなってしまったり、意外と使いにくい部分があったりなどです。

事業を始めて、あとから見落とした点に気づくと、修正するのが大変です。

事業計画で商品やサービスに関するアイデアをまとめておくことで、見落としを防ぎ、事業を進めていく中での修正を減らしていくことができます。

1-2.新しい事業の進め方を決めるため

事業計画を作る目的の2つ目は、「新しい事業の進め方を決める」です。

事業を始めるときに、無計画でなんとなく進めてうまくいくケースは非常に稀です。

事業を進めていくための戦略や戦術を決め、それに沿って進めていくことで事業の成功確率を高めることができます。

1-3.市場分析を行うため

事業計画を作る目的の3つ目は、「市場分析を行う」です。

市場分析をせずに事業を始めるのは、非常に危険です。

たとえば、事業を始めてから「意外と市場が小さくて数を売れない」とわかった場合、利益を出すのが難しくなります。

たくさん売るつもりで在庫を抱えてしまっていたら、在庫を置いておく場所も必要になり、倉庫に行くたびに山積みの在庫を見てため息をつく、なんてことにもなってしまうかもしれません。

そうならないためにも、事業計画を作ります。

事業計画を作る中で市場分析を行い、市場規模や自社の優位性を明確にすることで、より的確に事業を進めていくことができます。

1-4.事業の進捗状況を常に確認するため

事業計画を作る4つの目の目的は、「事業の進捗状況を常に確認するため」です。

事業のスタートからゴールまでの計画が策定できていれば、事業を進めながら進捗を確認することができます。

もちろん、事業が100%計画通りに進むなんてことはありませんが、計画通りに進まなかったとしても、事業計画が指針となり、より最適な軌道修正をしていけます。

事業計画を作っていなければ、指針がない状態で進捗確認や軌道修正をすることになり、判断が非常に難しくなります。

1-5.社員やスタッフに事業の方向性を示すため

事業計画を作る5つ目の目的は、「社員やスタッフに事業の方向性を示す」です。

事業は一人で進めていくことはできません。

自社の社員やスタッフだけでなく、協力会社やビジネスパートナーの協力が不可欠です。

そういった方々に協力してもらうために、事業の方向性を示すことが大切です。

「この事業は何のためにやるのか。実現したらどうなるのか。そのためにやるべきことは何なのか」

こういった事業の方向性を示すことで、協力者が自分の役目や役割を考えることができ、前向きに協力してくださる可能性が上がります。

1-6.資金調達のため

事業計画を作る6つ目の目的は、「資金調達のため」です。

あなたの事業アイデアがとても素晴らしいものだったとしても、予備知識ゼロの相手に口頭だけで事業の良さを分かってもらうのは非常に難しいことです。

銀行や出資者は、あなたの事業内容を吟味し、融資する価値があるかどうかを判断します。

なので、銀行や出資者にあなたの事業の良さを分かってもらうことは非常に重要です。

事業計画が練られていて、予備知識ゼロの相手にもわかるような資料があれば、あなたの事業の良さは伝わりやすくなります。

事業の良さが伝われば、融資してもらえる可能性が高まるので、資金調達しやすくなります。

資金調達できるかどうかで、事業が成功するか決まることもあるので、資金調達のために事業計画を作ることも大切です。

以上が、「事業計画を作る6つの目的」でした。

事業計画を作るメリットは非常に大きいです。

少し手間に感じるかもしれませんが、事業計画を作ることで事業が有利に進んでいくので、ぜひ事業計画を作ることを前向きに考えてみてください。

では、具体的にどうやって事業計画を考えていけばいいのか。

第2章では、「事業計画で考えるべき5つのこと」をお伝えします。

この5つの要素を事業計画に盛り込めば、事業計画で求められていることを網羅することができます。

2.事業計画で伝えるべき5つのこと

事業計画とは、その字の通り「自社が行っていく事業の計画」のことです。

その事業計画で求められるのは、事業計画を聞いた人が「今までどのように事業を行い、これから始める事業をどのように実行していくのかがわかる」ことです。

たとえば、事業計画を聞いた社員やスタッフ、ビジネスパートナーが「その事業が成功したら最高!私もぜひ協力したい!」と思ってくれたら、事業が非常に進めやすくなります。

1つ1つの仕事のクオリティも高まるでしょう。

事業計画を聞いた銀行の人が「この事業なら成功する可能性が高い。社会性もあるし、ぜひ融資したい。」と思ってくれたら、資金も集まりやすくなります。

なので、伝わる事業計画を作れると、事業がどんどん進められます。

わかりやすい事業計画を作るために必要なのが、次に紹介する「事業計画で伝えるべき5つのこと」です。

事業計画にこの5つの要素を盛り込むことで、伝わる事業計画を作ることができます。

  1. 会社の概要や経営者の考え方
  2. これまで行ってきた会社の事業
  3. 新しい事業を進めていく計画
  4. 新しい事業が儲かるのかどうか
  5. 新しい事業の実現性はあるのか

この5つの要素は、あなたの事業に関わる人があなたに聞きたいことです。

たとえば、一緒に事業をしていく協力会社の社長さんやビジネスパートナーなら、あなたがどんな想いで会社をやっているのか気になるでしょう。

どんな想いで会社をやっているかによって、協力するかどうか決める人もいます。

また、融資を検討する銀行の人であれば、その事業が儲かるかどうかが一番気になることでしょう。

そういった疑問に事業計画書で答えることで、あなたの事業計画は聞いただけで分かるものに仕上がっていきます。

では、どのように事業計画を考えていけば、この5つの要素を盛り込むことができるのか。

次の第3章では、「事業計画の考え方6つのステップ」として、具体的に事業計画を作っていく方法をお伝えします。

このステップで事業計画を考えていけば、漏れなく伝わりやすい事業計画を作ることができます。

3.事業計画の考え方6つのステップ

第3章では、「事業計画の考え方」として、以下のステップを紹介します。

  1. 新規事業のアイデアの明文化
  2. 起業メンバーの紹介
  3. 事業環境の分析
  4. 事業戦略
  5. 経営資源の把握
  6. 独自の事業コンセプトの作成

事業計画書を作るときにも、この流れで考えていけば、伝わりやすいものができるはずです。

それでは、1つずつ詳しくお伝えしていきます。

3-1.新規事業のアイデアの明文化

事業計画の考え方として、まずは新規事業のアイデアを明文化します。

明文化することで、事業の方向性を定めることができます。

事業のアイデアを明文化するには、以下の2つの項目を考えます。

  1. 事業の目的、ビジョンや理念、背景
  2. 事業の概要

1つずつ詳しくみていきます。

3-1-1.事業のビジョンや目的、背景

まずは「なぜその事業に取り組むのか?」を明確にします。

たとえば、「会社として”人々が活き活き生きる社会の実現”を理念としており、人が活き活き生きるためには健康であることが大切であると考え、フィットネス事業に取り組むこととした」というような感じです。

社会的な背景も考えるのであれば、「シニア層が増え、介護者が足りなくなる社会で、シニアもできるだけ介護に頼らず生きていく必要性が出てきている。そのためには健康寿命を延ばすことが大切であり、フィットネス事業に取り組むこととした」というのもアリです。

このように事業のビジョンや目的、背景を明確にすることで、あなたがなぜその事業に取り組むのかを、相手に伝えることができます。

また、どのような事業を行うにしろ、その事業が会社の経営理念と合っているかは非常に重要です。

経営理念と事業の目的にズレがないかも、最初に確認しておきましょう。経営理念がまだないという場合は、事業を始める前に策定すべきです。

経営理念の作り方は、別記事『経営理念の作り方|重要な3つの要素を事例と共に解説』で書いていますので、ぜひ併せてお読みください。

3-1-2.事業の概要

これから始める事業の全体像を簡潔にまとめます。

まずは全体像として概要を伝えることで、後に伝える詳しい内容を理解してもらいやすくなります。

事業のアイデアを明文化できたら、次のステップです。

3-2.事業メンバーの紹介

事業計画の考え方の2つ目のステップとして、どんなメンバーで事業を進めていくのかを紹介していきます。

事業の内容が重要なのはもちろんのことですが、どんな内容であれ「誰が事業に取り組むか?」によって、事業が成功するかどうかは大きく変わります。

極端な例ですが、大学卒業したばかりで起業経験が一度もない人と、会社を5社作り事業の経験が多数ある人では、全く信頼度が異なります。

もちろん、事業をした経験がないからダメということではありません。

重要なのは「このメンバーでやるなら、事業がうまくいきそうだ」と思ってもらえることです。

なので、事業を始めた経験がなければ、事業を成功させるための経歴や知識があることをアピールしていきましょう。

事業メンバーの紹介ができたら、次のステップです。

3-3.事業環境の分析

事業計画の考え方の3つ目は、事業環境の分析です。

事業が成功し、成長していくことを示すには、事業環境を分析し、市場が伸びていくことや自社の強みを活かせることをデータとともに示していく必要があります。

逆に、規模が縮小していく市場や自社の強みが活かせない市場に参入するのは、成功する可能性が低いと判断され、協力者や融資も集まりにくくなります。

事業計画として「自社の事業に有利なデータを集める」という考え方は非常に重要です。

事業環境の分析をするには、以下の項目について考えてみましょう。

  • 参入する市場の規模
  • その市場での自社の優位性
  • 事業の実現性
  • 競合他社の強みや弱み
  • 顧客分析

この5つの項目について、データで示したり、具体的な説明を行うことができたりすれば、事業計画を説明する相手が非常に納得してくれやすくなります。

事業環境の分析ができたら、次のステップです。

ここまで来たらあと半分です!

3-4.事業戦略

事業計画の考え方の4つ目のステップは、事業戦略です。

どのような流れで事業を進めていくかを明確にしていきます。

具体的には、以下の項目を考えていきます。

  • 目標
  • マーケティングや販売戦略
  • 開発スケジュールや生産方法
  • 売上や利益の予測
  • 将来性
  • 開業資金
  • 課題

事業戦略はあくまで現段階での計画なので、戦略通りに進められることはほとんどありません。

しかし、目標数値やスケジュールを作っておくことで、銀行や出資者があなたの事業の収益性や将来性を判断しやすくなります。

またあなた自身にとっても、目標通りに事業を進められなかったときに、軌道修正をするための大きな手助けになってくれます。

事業が計画通りに進まなかったとしても、「もしサービスをリリースしたときに目標数値に届かなかった場合は、別途プロモーションを展開する」などと、課題の解決まで考えておくとさらに良いです。

事業が計画通り進まなくても焦らずに済むし、銀行や出資者からは「キチンと考えられている」と思ってもらえます。

事業戦略を考えることができたら、次のステップです。

次のステップが意外に重要です。

3-5.経営資源の把握

ここまで事業のアイデアを明文化し、市場分析を行い、事業戦略を作ってきました。

事業の流れとしては、ほぼ見えてきているかと思います。

次は、その事業計画を具体的に動かしていけるのかどうかを考えていきます。

どんなにすばらしい事業を計画しても、その計画を実行する人・物・時間がなければ、絵に描いた餅で終わってしまいます。

そうならないためにも、事業計画では、計画を動かすための経営資源も考えていきます。

経営資源として考えるのは、以下の3つです。

  • 投入できる人員、人材、時間
  • 活かせる技術や経験
  • 活かせる設備

事業を進めていくにあたり、これらの資源が十分にあるかをしっかりと吟味しましょう。

事業計画の段階で資源の過不足を十分に考えられていれば、事前に調達したり調整したりできます。

事業を進めていく中で、「資源で足りない!」と困ることも少なくなるはずです。

3-6.独自の事業コンセプトの作成

事業計画の考え方の最後のステップでは、事業コンセプトを考えます。

事業コンセプトは、「自社の強みが活かせていて、他社がやっていない独自なもの」を作ることが理想的です。

ここまで、以下の5つのステップで事業計画を考えてきました。

  1. 新規事業のアイデアの明文化
  2. 起業メンバーの紹介
  3. 事業環境の分析
  4. 事業戦略
  5. 経営資源の把握

この5つのステップにより、自社の強みや弱み、出来ること出来ないこと、市場の将来性、同業他社の強みや弱み、などが明確になっているはずです。

その中に、自社だけの強みはないでしょうか。

もしくは、「この組み合わせは他社がやっていない!」という組み合わせはないでしょうか。

独自の事業コンセプトを作ることができれば、初の商品やサービスとして世の中にリリースできます。

また、他社と比較されにくくなるので、価格競争を防ぐことができ、長期的に安定した事業を確立しやすくなります。

会社を長く繁栄させていくためにも、独自の事業コンセプトをしっかり作ってみてください。

以上が、「事業計画の考え方6つのステップ」でした。

この6つのステップの順番に考えていけば、事業計画を作ることができます。

これから始める事業を成功に導く計画を、ぜひ作ってみてください。

まとめ

事業計画を作る目的は以下の6つです。

  1. 商品やサービスに関するアイデアをまとめるため
  2. 新しい事業の進め方を決めるため
  3. 市場分析を行うため
  4. 事業の進捗状況を常に確認するため
  5. 社員やスタッフに事業の方向性を示すため
  6. 資金調達をしやすくするため

また、事業計画で考えるべきことは以下の5つです。

  1. 会社の概要や経営者の考え方
  2. これまで行ってきた会社の事業
  3. 新しい事業を進めていく計画
  4. 新しい事業が儲かるのかどうか
  5. 新しい事業の実現性はあるのか

それらを具体的に事業計画で考えていくには、以下の6つのステップで考えていきます。

  1. 新規事業のアイデアの明文化
  2. 起業メンバーの紹介
  3. 事業環境の分析
  4. 事業戦略
  5. 経営資源の把握
  6. 独自の事業コンセプトの作成

これらのポイントを押さえて事業計画を考えていけば、協力者集めや資金調達がうまくいきやすくなります。

より確実に新しい事業を成功させるためにも、この記事を参考に、事業計画を考えてみてください。

小田真嘉(おだ まさよし)

監修・小田真嘉(おだまさよし)

経営者とリーダーの相談役(歴18年目)。創業450年の老舗企業から革新的ベンチャーまで4000社以上をコンサル。人生のどん底を何度も経験し、あらゆる成功の闇に直面したことから、生きる意味と働く目的を探究。1万人との対話と師の教えから仕事・会社・家庭の「成長4段階説(4つのステージ)」を体系化。複数の企業顧問も務めながら、仕事と人生のステージを上げるための経営コンサルティングとビジネス講座を行う。働き方と生き方の次元を一気にあげる会員制ビジネスコミュニティ「NEXT DIMENSION」を主催。