経営者になるには何をすればいいか?やるべき6つのことを紹介
「経営者になるには何をすればいいの?」
「どんな経験をすれば将来経営者になれるの?」
そのような疑問にお答えしていきます。
経営者とは、文字通り会社の経営に責任を持つ者です。経営者の力量次第で、会社が繁栄できるか、衰退してしまうかが決まると言っても過言ではありません。
責任がとても大きな立場ですが、会社を繁栄させていくことで、自分だけでなく従業員やその家族、取引先など、多くの人を幸せにしていけるやりがいのある立場でもあります。
逆に、会社を繁栄させることができなければ、自分だけでなく従業員やその家族も不幸にしてしまうかもしれません。
もちろん、最初から「経営者になって、自分も周りも不幸したい」と思う人はいないはずです。
では、会社を繁栄させていける経営者になるには、何をすればいいのか?
今回の記事では、以下の3つのことをお伝えします。
- 経営者になるには?
- 経営者になるために必要な6つのこと
- 経営者になる具体的な3つの方法
まず第1章では、これから経営者を目指していく人からよく聞かれる4つの質問に答えていきます。
ぜひ、1つずつチェックしてみてください。
目次
1.経営者になるには?
第1章では、経営者になりたい人からよく聞かれる以下の4つの質問に答えていきます。
- 資格は必要か?
- 大学は関係ある?高卒でもなれる?
- 一度は就職したほうが良い?就職するとしたらどんな会社が良い?
- どんな勉強が必要?
1つずつ詳しくお伝えしていきます。
1-1.資格は必要か?
経営者になるためには、業種によって資格が必要な場合と不要な場合があります。
資格が必要な業種は、例えば以下です。
- 弁護士や税理士などの士業
- 医者や看護師などの医療関係
ほかの業種でも資格が必要な場合があります。
立ち上げたい事業において必要な資格があるかどうかを都度調べることによって、「資格がなくて事業が進められなくなった!」ということを防ぐことができます。
ただし、上記のような資格が必要な業種以外は、資格が不要で会社を経営していけることがほとんどです。
なので、基本的には経営者になるために資格は不要です。
もし、どうしても資格を取得して知識をつけた状態で経営者になりたいのであれば、以下のような資格が役立ちます。
- MBA
- 中小企業診断士
- 経営士
- 社会保険労務士
- IPO実務検定
- 中小企業組合士
- 経営者検定試験
- 与信管理士認定試験
- 医療経営コンサルタント資格
- 経営労務コンサルタント
ただし、資格の勉強ばかりになって、経営者になるために本当に必要な勉強がおろそかにならないようにだけは注意しましょう。
1-2.大学は関係ある?高卒でもなれる?
経営者になるには、必ずしも学歴が必要というわけではありません。
2016年の東京商工リサーチの全国の社長130万人を対象にした調査によると、社長の最終学歴は以下の通りです。
- 大卒:52.47%
- 高卒:37.58%
- 中卒:6.74%
3人に1人以上が高卒なので、高卒で経営者になっている方もたくさんいます。
中卒の経営者の割合が6.74%は少ないように見えるかもしれませんが、人数にすると3万7104人もいます。
なので、学歴は関係なく経営者になることができる、と言えます。
また、同じく東京商工リサーチの2019年「全国社長の出身大学」調査によると、社長の出身大学トップ10は以下の通りです。
- 日本大学
- 慶応義塾大学
- 早稲田大学
- 明治大学
- 中央大学
- 法政大学
- 近畿大学
- 東海大学
- 同志社大学
- 東京大学
将来的に経営者になりたいと考えていて、これから大学進学を考えている場合は、大学選びの参考にしてみてください。
もちろん、必ずしもこれらの大学に行かないと経営者になれないわけではありません。経営者としてやっていきたい事業が決まっている場合は、事業に関連することを学べる大学や学部を選ぶことを優先すべきでしょう。
1-3.一度は就職したほうが良い?就職するとしたらどんな会社が良い?
経営者になるために、必ずしも一度就職する必要があるわけではありません。
Goodfindの調査によると、就職経験のある経営者の割合が81%、就職せずに学生起業をした企業の割合が19%です。
割合としては就職経験のある経営者が多いですが、一度就職せずとも経営者になることは十分可能です。
ちなみに、就職経験のある経営者の場合、1社目の就職先で1000人未満の中小規模の会社を選んでいる人の割合が41%で、そのうちの半数が従業員100人以下のベンチャー企業だったそうです。
つまり、一度就職する場合は、大きな裁量を任され、企業を成長させていく経験をできる企業を選ぶことが、経営者になるための就職先選びで大切だと言えます。
1-4.どんな勉強が必要?
経営者になるには、会社を繁栄させていくために必要なあらゆることを勉強していく必要があります。
たとえば、以下のようなことです。
- ビジネスモデルの作り方
- マーケティングや経営戦略
- 営業やセールス
- 人間心理や従業員マネジメント、リーダーシップ
- 会社の数字に関すること(経営、会計、経理、財務など)
これらは、経営者として会社を繁栄さえていくために最低限必要な勉強だと言えます。
さらに世の中の経営者よりも一歩先を進んで行くためには、以下の勉強をすることがオススメです。
- 歴史や古典
- 最新の流行
- 異分野の事例
異分野から知識やノウハウを学び、自社の経営に生かしていくことで、経営に関するスキルや知識、自社がかかわる業界についてしか勉強していない経営者と差をつけることができます。
具体的な勉強法については、別記事『経営者の勉強法|会社をつぶさずに繁栄させるためのステップを紹介』で詳しくお伝えしています。ぜひ併せてお読みください。
以上が「経営者になりたい人からよく聞かれる4つの質問」への回答でした。
経営者になるには、「資格や学歴がないから無理」「知識がないから無理」というのはありません。
資格や学歴が無くても経営者になれますし、もし今は知識がなかったとしてもこれから勉強していけば、経営に必要な知識を身に付けることができます。
なので、「今の自分は経営者になれる人間なのかどうか」と考えるよりも、「経営者になりたい!」「経営者にふさわしい人間にこれからなっていく!」と熱意を持てる人が経営者に向いていると言えます。
次の第2章では、「経営者に必要な6つのこと」をお伝えします。
経営者になりたい場合には、非常に大切なことをお伝えするので、1つずつじっくり読み進めてみてください。
2.経営者になるために必要な6つのこと
第2章では、「経営者になるために必要なこと」として、以下の6つを紹介します。
- 経営者に必要な資質を磨く
- 経営理念を作る
- 仕事を作る
- 事業計画を作る
- 資金調達を行う
- 人を動かす
1つずつ詳しくお伝えしていきます。
2-1.経営者に必要な資質を磨く
会社を繁栄させていくためには、「経営者として必要な資質」が備わっていることが望ましいです。
あなたが経営者としての資質をすでに持っていれば、自信を持って会社の方針を決めていくことができたり、従業員のやる気を引き出したりすることができ、会社を繁栄させていくことができます。
そんな経営者に必要な資質は、以下の14個です。
- 経営者の立ち位置がわかっている
- 経営理念を持っている
- 数字に強い
- 資金調達ができる
- コミュニケーション能力が高い
- 従業員のやる気を高める力がある
- 社員や顧客に対して誠実である
- 戦略的思考を持っている
- 決断する勇気がある
- 論理的思考を持っている
- 需要を作り出すことができる
- 優秀なリーダー層との人脈作りが上手い
- 素直で可愛げがある
- 健康状態に気を配れる
経営者になるには、これらの資質を磨いていくことが大切です。
経営者としての資質の磨き方や資質が欠けている場合の対策は、別記事『経営者に必要な資質14項目と資質がない場合の対策』で詳しくお伝えしています。ぜひ併せてお読みください。
2-2.経営理念を作る
経営者になるには、会社の経営理念を作ることが非常に大切です。
このサイト「仕事の秘訣」の監修者であり、1,000社以上の会社経営のコンサルティングを行ってきた小田真嘉さんは、「繁栄している会社には必ず経営理念が存在していた」と言います。
経営理念とは、会社の目指す方向性として、「何をするのか」そして「なぜするのか」を一言、もしくは凝縮した言葉で表したものです。
経営理念を打ち出すことで、やることが明確になり、自分だけでなく従業員のモチベーションを高めることができます。
その結果、お客様にも価値を届けられるようになり、お客様から愛される会社になっていきます。
経営理念の作り方は、1,000社以上の経営理念を見てきた小田さんがまとめた魅力的な経営理念の作り方を、別記事『経営理念の作り方|重要な3つの要素を事例と共に解説』で詳しくお伝えしています。経営理念を作るときにはぜひ参考にしてみてください。
2-3.仕事を作る
自ら起業して経営者になる場合は、自分で仕事を作っていくことが重要です。
会社の仕事を作り出せなければ、会社の売上は上がらず、すぐに会社を倒産させることになってしまうからです。
仕事を作れたとしても、すでに世の中にある商品やサービスを真似するだけでは、価格競争に巻き込まれて、会社の利益が少なくなってしまいます。
なので、具体的には以下のような仕事を作れるようになる必要があります。
- あなた(自社)の強みを活かすことができる商品やサービス
- 顧客が欲しているがライバルがまだ提供していない商品やサービス
- あなた(自社)でしか作れない最高の商品やサービス
このような仕事を作ることができれば、そう簡単に価格競争に巻き込まれることなく、会社の利益を確保し続けることができるはずです。
上記のような仕事の作り方は、別記事『起業して自分で新しい仕事を作る3つの方法と10の販売方法』で詳しくお伝えしています。ぜひ併せてお読みください。
2-4.事業計画を作る
経営者になるにあたって、事業計画を作れるようになっておくと、会社経営がスムーズに進められるようになります。
経営者には、会社の事業の方針を決める役割があります。
決めた事業の方針が正解であれば会社経営は上手くいきますが、もし方針が間違っていたら経営状態は悪化してしまいます。
事業計画をきちんと作ることができれば、計画段階で取り組む事業が上手くいきそうか、計画に無理がないか、をある程度判断できるようになります。
すると、大きく間違った判断を防ぐことができます。
なので、経営者になるには、事業計画作りの勉強が非常に大切です。
事業計画の作り方は、別記事『事業計画の考え方6つのステップ|これで事業計画が作れます!』で詳しくお伝えしています。ぜひ参考にしてみてください。
2-5.資金調達を行う
経営者になるにあたって、事業を始めるときの資金調達ができることも非常に大切です。
ほとんどの場合、資金調達ができなければ、事業を始めることができません。つまり、経営者になれないということです。
資金調達は、主に以下の6つ方法があります。
- 日本政策金融公庫の融資
- 銀行の融資
- ベンチャーキャピタルからの出資
- 個人投資家(エンジェル投資家)からの出資
- クラウドファンディング
- 助成金や補助金
あなた自身の状況や立ち上げる事業の内容によって、最適な資金調達方法が変わります。
なので、実際に事業を立ち上げる際に、今の自分ならどの方法で資金調達をするのが最適か、調べてみたり、プロに相談したりするのがオススメです。
また、融資や出資で資金調達をする際には、お金出してくれる相手に経営理念や事業計画を伝えて説得する必要があるので、相手が納得できる経営理念や事業計画を作れることも重要です。
先にお伝えした経営理念や事業計画の作り方も併せて勉強しておくと、資金調達が有利に進められるようになるはずです。
2-6.人を動かす
経営者になるには、人を動かすことができることも非常に重要です。
人を動かす影響力があれば、従業員にモチベーション高く働いてもらうことができ、取引先に快く協力してもらうことができ、さらに顧客には何度も商品を買ってもらうことができます。
しかし、従業員をダラダラと働かせることしかできず、取引先には高い値段を吹っ掛けられ、顧客には「安くしないと買わない」と言われてしまったら、事業はどんどん停滞していくでしょう。
そのように、経営者になって事業を成功させていくためには、人を動かす影響力も求められます。
「人を動かす影響力」を身に付けるには、少なくとも以下の2つの内容を学ぶ必要があります。
- 人が動く原理
- 人を動かす力
これら2つの内容は、別記事『人を動かす力を得るために必要な考え方・伝え方・原理原則』で詳しくお伝えしています。ぜひ併せてお読みください。
以上が「経営者になるために必要な6つのこと」でした。
お伝えした6つのことを身に付けることによって、経営者にふさわしい人になることができます。
いきなり全部をやろうとすると大変なので、まずはあなたができそうだと感じる項目の1つから取り組んでみてください。
どれでもいいから取り組み始めることが、経営者になる第一歩になります。
続いて第3章では、経営者になる具体的な方法を3つお伝えします。
3.経営者になる具体的な3つの方法
第3章では、「経営者になる具体的な方法」として、以下の3つを紹介します。
- 起業して経営者になる
- 出世して経営者になる
- 雇われて経営者になる
1つずつ詳しくお伝えしていきます。
3-1.起業して経営者になる
経営者になる方法の1つが、「起業する」ことです。
会社であっても個人事業主であっても、起業すれば必然的に自分が経営者になります。
なので、経営者になるには、一番シンプルな方法と言えます。確実かつ最も早く経営者になることができます。
3-2.出世して経営者になる
従業員やアルバイトから出世して経営者になる方法もあります。いわゆる「叩き上げ」と呼ばれる人です。
出世して経営者になるには、実績も人間性も周りから評価される必要があり、自身の資質や努力、運などが非常に大きく影響してきます。
また、経営者になるまでに多くの時間が必要です。
3-3.雇われて経営者になる
経営者になるには、会社の所有権を持っているオーナーに社長として雇われるという方法もあります。いわゆる「雇われ社長」と呼ばれるものです。
社内ベンチャー制度を使って、所属している企業でベンチャー企業を立ち上げた場合も、上記の形に近いです(オーナーがあなたの所属企業で、あなたがベンチャー企業の社長)。
あくまで経営者として雇われている形なので、経営者としての権限はほかの2つの方法と比べると弱くなります。
ただし、経済面での個人的リスクは少ない(事業が失敗した場合のリスクはオーナーが背負う)というメリットもあります。
以上が「経営者になる具体的な3つの方法」でした。
具体的に経営者になる方法を考えるときには、この3つの方法を参考にしてみてください。
まとめ
経営者になりたい人からよく聞かれる4つの質問に対する回答は以下です。
- 資格は必要か?
→必要な業種も一部あるが、基本的には必要ありません。
- 大学は関係ある?高卒でもなれる?
→高卒でも中卒でも経営者になれます。
- 一度は就職したほうが良い?就職するとしたらどんな会社が良い?
→学生起業している人が19%おり、必ずしも就職する必要はありません。仮に就職するとしたら、「大きな裁量を任され、企業を成長させていく経験をできる企業」がオススメです。
- どんな勉強が必要?
→ビジネスモデルの作り方、マーケティングや経営戦略、営業やセールス、人間心理や従業員マネジメント・リーダーシップ、会社の数字に関すること(経営、会計、経理、財務など)を最低限勉強する必要があります。
さらに、経営者になるために必要なことは、以下の6つです。
- 経営者に必要な資質を磨く
- 経営理念を作る
- 仕事を作る
- 事業計画を作る
- 資金調達を行う
- 人を動かす
これらを身に付けることによって、経営者にふさわしい人になることができます。
その上で、実際に経営者になる具体的な方法は以下の3つです。
- 起業して経営者になる
- 出世して経営者になる
- 雇われて経営者になる
ぜひこの記事を参考に、経営者になるための方法を学び、経営者になるための第一歩を踏み出すキッカケにしてもらえたらと思います。